• TSRデータインサイト

タカタの米国子会社 東京地裁が外国倒産処理手続の承認を決定

 6月26日にタカタ(株)(TSR企業コード:295877413、東京都)が民事再生法の適用を申請してからもうすぐ3カ月が経過する。製造業で戦後最大の大型倒産となった同社の米国子会社で、日本の民事再生法にあたる連邦倒産法第11章(チャプター11)を申請していたTK Holdings Inc.(DUNS:185605854、米国ミシガン州、以下TKH)に対し、東京地裁は9月6日、「外国倒産処理手続の承認」を決定した。
 タカタの申請代理人弁護士によると、「TKHは日本に債権を保有しており、差押などを受けないための保全の手続き」という。
 TKHを含むタカタの海外子会社12社は6月25日(米国東部時間)、米国デラウェア州連邦裁判所に米国連邦倒産法第11章(チャプター11)を申請していた。タカタが公表したTKHの負債は16億4,258万9,908米ドル(2017年3月31日時点、1,823億円)。


「外国倒産処理手続の承認」とは

 今回の承認は「外国倒産処理手続の承認援助に関する法律」に基づく。同法第1条では、「国際的な経済活動を行う債務者について開始された外国倒産処理手続に対する承認援助手続きを定めることにより、当該外国倒産処理手続の効力を日本国内において適切に実現し、もって当該債務者について国際的に整合のとれた財産の清算又は経済的再生を図ることを目的とする」と定めている。
 決定の主文は、「債務者についてアメリカ合衆国破産裁判所デラウェア地区において2017年6月25日に開始されたアメリカ合衆国連邦破産法第11章の手続(事件番号17-11375)を承認する」となっている。

事件番号は「平成29年(承)第2号」

 TKHの外国倒産処理手続の承認の事件番号は、平成29年(承)第2号で、東京地裁の「外国倒産処理手続の承認」は今年2件目。参考までに第1号は、(株)韓進海運が7月19日、東京地裁から「外国倒産処理手続の承認及び強制執行等禁止命令」を受けている。

TKHを巡る動き

 TKHはエアバッグインフレータを製造、タカタグループに納入し、2015年3月期の売上高は17億5,245万977米ドル。
 2007年頃、破裂したインフレータの金属片による死亡事故等が発生し、世界的規模で自動車メーカー各社がタカタ製品のリコールを実施していた。
 TKHは2015年11月、米国運輸省道路交通安全局との間でリコールに関する同意指令に同意、7,000万米ドルの民事制裁金を支払う義務を負っている。また、巨額の赤字で2017年3月期末で純資産は▲5億7,053万8,045米ドルの債務超過に陥っていた。
 この間、親会社のタカタは外部専門家委員会を設置し、私的整理による再建を目指したが、スポンサーの合意が得られず、タカタを含む国内企業3社、海外子会社12社が6月に法的手続を申請し、事実上経営破たんした。
 現在、タカタは民事再生法の手続きに沿って、再生計画案の作成を進めている。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年9月25日号掲載「Weekly Topics」を転載)

 TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ゴールデンウィーク明け、「退職代行サービス」の利用は慎重に

長かったゴールデンウィークが終わる。職場「復帰」を前に例年4月の新年度からGW明けにかけ、退職する人の話題が持ち上がる。この時期の退職代行サービスの利用も増加するという。4月に実施した「退職代行に関する企業向けアンケート調査」から利用するリスクの一端が浮き彫りになった

2

  • TSRデータインサイト

トーシンホールディングスの「信用調査報告書」

5月8日に東京地裁に会社更生法の適用を申請した(株)トーシンホールディングス(TSRコード:400797887、名古屋市、東証スタンダード)を取り上げる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度「医療・福祉事業」倒産、過去最多 ~ 健康と生活を支援する事業者の倒産急増 ~

生活に不可欠な医療機関や介護事業者の倒産が急増している。バブル経済1988年度(4-3月)以降の38年間で、2025年度は金融危機、リーマン・ショックを超える478件と最多を記録した。

4

  • TSRデータインサイト

2026年4月「人手不足」倒産 33件発生 春闘の季節で唯一、「人件費高騰」が増加

2026年4月の「人手不足」倒産は33件(前年同月比8.3%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。 4月の減少は2022年以来、4年ぶり。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準

2025年度に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社(前年度51社)で、人数は2万781人と前年度(8,326人)の約2.5倍に急増したことがわかった。社数は前年度から約1割(9.8%減)減少したが、募集人数は2009年度以降で4番目の高水準となった。

TOPへ