• TSRデータインサイト

「チャイナリスク」関連倒産(6月・上半期)

 上半期(1-6月)の「チャイナリスク関連倒産」は、件数が26件(前年同期比58.0%減)、負債が177億1,700万円(同63.8%減)で、前年同期比で大幅に減少した。
 6月は5件(前年同月比37.5%減)、負債総額は38億1,900万円(同41.4%減)だった。件数は、2016年12月から7カ月連続で2ケタ割れが続いており、「チャイナリスク」関連倒産は小康状態を維持している。
 なお、倒産に集計されない事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、6月の発生はなかった(前年同月は2件)。


  • 「チャイナリスク」関連の集計基準
    「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
    1. コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
    2. 品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
    3. 労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
    4. 売掛金回収難(サイト延長含む)
    5. 中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
    6. 反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
    7. 価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
    8. その他

チャイナリスク関連倒産月次推移

 上半期のチャイナリスク関連倒産は、件数・負債ともに前年同期を大幅に下回った。単月では2カ月連続で前年の件数を下回り、チャイナリスク関連倒産は2016年をピークに沈静化の傾向にある。
 産業別を上半期(1-6月)ベースでみると、製造業は2016年に21件発生したが、2017年は7件にとどまった。また、2016年に35件だった卸売業は、2017年は17件と半減した。ただ、全体の構成比は65.3%で、チャイナリスク関連倒産の大半を占めている。
 中国に製造拠点を置く日系企業や中国から商品を仕入れている企業は、人件費の高騰などから経営に大きな影響を受けてきた。このため、チャイナリスク関連倒産は、産業や業種によって、しばらくはまだら模様で推移する可能性を残している。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ゴールデンウィーク明け、「退職代行サービス」の利用は慎重に

長かったゴールデンウィークが終わる。職場「復帰」を前に例年4月の新年度からGW明けにかけ、退職する人の話題が持ち上がる。この時期の退職代行サービスの利用も増加するという。4月に実施した「退職代行に関する企業向けアンケート調査」から利用するリスクの一端が浮き彫りになった

2

  • TSRデータインサイト

トーシンホールディングスの「信用調査報告書」

5月8日に東京地裁に会社更生法の適用を申請した(株)トーシンホールディングス(TSRコード:400797887、名古屋市、東証スタンダード)を取り上げる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度「医療・福祉事業」倒産、過去最多 ~ 健康と生活を支援する事業者の倒産急増 ~

生活に不可欠な医療機関や介護事業者の倒産が急増している。バブル経済1988年度(4-3月)以降の38年間で、2025年度は金融危機、リーマン・ショックを超える478件と最多を記録した。

4

  • TSRデータインサイト

2026年4月「人手不足」倒産 33件発生 春闘の季節で唯一、「人件費高騰」が増加

2026年4月の「人手不足」倒産は33件(前年同月比8.3%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。 4月の減少は2022年以来、4年ぶり。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準

2025年度に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社(前年度51社)で、人数は2万781人と前年度(8,326人)の約2.5倍に急増したことがわかった。社数は前年度から約1割(9.8%減)減少したが、募集人数は2009年度以降で4番目の高水準となった。

TOPへ