• TSRデータインサイト

【タカタ破綻】公表10社、自動車メーカーの引当額 合計1兆3,309億円

 タカタ(株)(TSR企業コード:295877413、東京都)が製造したエアバッグへのリコール費用に対する自動車メーカー各社の引当額がわかった。


タカタリコール関連引当額

ホンダ5,560億、トヨタグループ5,700億

 本田技研工業(株)(TSR企業コード:291038689)は、2015年3月期に約1,200億円、2016年3月期に約4,360億円の合計約5,560億円をエアバッグインフレーターに関連する製品保証引当金繰入額として計上している。ホンダの担当者は、「5,560億円はリコール措置によって将来発生すると合理的に見積もった金額。今期(2018年3月期)は、多額の製品保証引当金の計上予定はない」とコメントしている。
 トヨタ自動車(株)(TSR企業コード:400086778)の、リコール費用(既届出分)に係る求償債権等は5,700億円。この金額は将来有する求償債権の見込み額も含む。
 トヨタによると、当該数値には連結対象のダイハツ工業(株)(TSR企業コード:570229340)と、日野自動車(株)(TSR企業コード:291055729)分を合算している。

日産907億、スバル735億、マツダ407億

 日産自動車(株)(TSR企業コード:350103569)は、2016年3月期にリコール費用として907億円を特別損失で計上している。
 (株)SUBARU(TSR企業コード:291043216)は、2017年3月期において735億円を未払計上している。
 マツダ(株)(TSR企業コード:740083694)は、2016年3月期に407億円の製品保証引当金繰入額として計上している。

三菱自、UDトラックスは非公表

 三菱自動車工業(株)(TSR企業コード:290569729)と、UDトラックス(株)(TSR企業コード:313998884)は引当額を非公表。

リコール対象製品の使用なし

 スズキ(株)(TSR企業コード:450214354)、いすゞ自動車(株)(TSR企業コード:290010993)、三菱ふそうトラック・バス(株)(TSR企業コード:295565918)の3社は、TSRの取材に対し、「リコール対象のタカタ製エアバッグは使用していない」と回答した。また、(株)光岡自動車(TSR企業コード:590062859)は、「タカタと取引がない」と回答している。

 国内自動車メーカー10社(非公表2社を除く、ゼロを含む)の引当額の合計は1兆3,309億円に達する。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年6月30日号掲載「Weekly Topics」を再編集)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

私立大学の経営、売上トップは(学)順天堂 赤字企業率5割に迫る、損益は地域格差が鮮明に

私立大学を経営する全国の543法人のうち、約半数の253法人が2024年決算で赤字だった。赤字企業率は46.5%にのぼり、前期(40.8%)から5.7ポイント上昇し、5割に迫った。

2

  • TSRデータインサイト

企業倒産、破産の割合が9割超で過去最大 ~ 背景に「手形減少」と「準則型私的整理」 ~

企業倒産のうち、破産の構成比が90.3%に達し、過去最大を記録した。民事再生法はわずか2.2%にとどまる。破産は、売上不振や財務内容が悪化し、再建が見通せない企業が選択する。なぜ今、破産の構成比が高まっているのか――。

3

  • TSRデータインサイト

2025年上半期 20床以上の病院倒産が急増 「病院・クリニック」倒産21件、5年連続で前年同期を上回る

病床20床以上の病院の経営が厳しさを増している。2025年上半期(1-6月)の病院・クリニックの倒産は21件(前年同期比16.6%増)だった。上半期では、コロナ禍の2020年を底に、2021年から5年連続で前年同期を上回り、1989年以降で最多の2009年同期の26件に次ぐ、2番目となった。

4

  • TSRデータインサイト

リフォーム・塗装工事の倒産が急増 ~ 点検商法などのトラブル多発 ~

リフォーム・塗装工事の倒産が急増している。2025年上半期(1-6月)の倒産は119件に達し、過去20年で最多だったリーマン・ショック後の2009年同期の111件を上回った。

5

  • TSRデータインサイト

ホテル業界 止まらない客室単価の値上げ インバウンド需要で高稼働・高単価が続く

インバウンド(訪日旅行客)需要に支えられ、ホテル業界は好調が続いている。ホテル運営の上場13社(15ブランド)の2025年3月期の客室単価は、インバウンド需要の高い都心や地方都市を中心に前年同期を上回り、稼働率も前年同期並で高水準を維持している。

TOPへ