【タカタ破綻】世界シェア2割を誇るタカタの「評点」と「リスクスコア」の推移
6月26日、タカタ(株)(TSR企業コード:295877413、東京都)が東京地裁に民事再生法の適用を申請した。自動車メーカーが負担するリコール費用を含めると負債総額は約1兆7,000億円に達する。エアバッグの世界シェア2割を誇るタカタが製造業で戦後最大の大型倒産に至るまでの信用格付を検証した。
評点は2016年5月に50点を割り込む
タカタの調査レポートの評点は、2015年11月で54点。だが、2016年3月期に連結最終損益で130億7,500万円の赤字を計上。自己資本比率も27.5%に低下し、リコール費用が重くのしかかる2017年3月期は厳しい決算が予想され、2016年5月に46点に落ちた。
その後は46点で推移していたが、2017年6月16日に一部マスコミでの民事再生法の適用が避けられない報道で、調査依頼が殺到。東京商工リサーチ(TSR)の取材でも民事再生は不可避と判断、一気に26点に引き下げられた。
リスクスコアは一桁台
向こう12ヶ月の倒産確率を統計的手法を用いて数値化した「リスクスコア」の推移はシビアだった。「リスクスコア」は、Dun & Bradstreetが開発し、TSRが統計的手法に基づき毎日付与している指標だ。数値が小さいほど倒産確率が高いことを示す。
2016年5月は「24」だった。この数値自体も危険性を含むが、様々なリーズンコードの変数に反応し、2016年6月に「3」へ急落。そのまま浮上することなく、2017年5月は「2」へさらに下落し、数値上ではリスクが非常に高い状態だった。
評点とリスクスコアのポジション
評点とリスクスコアを掛け合わせると、2017年6月の指標は「F」で要警戒のランク。
1月の評点は46点で、与信引き締めに動く段階の数値だが、リスクスコアを掛け合わせるとより精緻な与信段階が「視認化」され、リスクが鮮明に浮かび上がってくる。
- ※本画像の3つの指標は、7月3日に全面リニューアルする「新TSR REPORT」より転載。