• TSRデータインサイト

「東日本大震災」関連倒産(3月、2015年度)

 2016年3月の「東日本大震災」関連倒産は9件で、12カ月連続で前年同月を下回った。収束傾向を示しているが、依然として発生が止まらない。2016年3月の地区別は、関東が5件、東北が4件だった。累計件数は、震災から5年を経過して1,712件に達した。

東日本大震災関連倒産 震災後月次推移

2016年3月の倒産事例

 冷蔵倉庫・製氷業の田中製氷冷蔵(株)(TSR企業コード:140170367、法人番号:9370001009045、宮城県)は、明治16年創業の老舗企業。東日本大震災で冷蔵倉庫の一部が損壊し業績が落ち込んだ。その後も抜本的な経営改善が図られないまま事業継続を断念した。今年2月の株主総会で解散を決議し、特別清算を申請した。

2015年度は約4割減

 2015年度(2015年4月-2016年3月)の関連倒産の累計件数は114件(前年度比36.3%減、前年度179件)で、前年度から約4割減少した。
さらに、これまでの累計1,712件を都道府県別でみると、最多は東京の524件(3月4件)。次いで、宮城138件、北海道82件、神奈川71件、福岡70件、千葉65件、茨城62件、岩手61件、群馬57件、栃木51件、静岡48件、福島46件、山形45件、大阪44件、埼玉42件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は342件(構成比19.9%)だった。震災関連倒産は1桁台で推移しているが、震災のダメージから脱却できない企業はまだ多い。

東日本大震災関連倒産

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

  1. 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
  2. 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
  3. 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
  • 集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • 「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ゴールデンウィーク明け、「退職代行サービス」の利用は慎重に

長かったゴールデンウィークが終わる。職場「復帰」を前に例年4月の新年度からGW明けにかけ、退職する人の話題が持ち上がる。この時期の退職代行サービスの利用も増加するという。4月に実施した「退職代行に関する企業向けアンケート調査」から利用するリスクの一端が浮き彫りになった

2

  • TSRデータインサイト

トーシンホールディングスの「信用調査報告書」

5月8日に東京地裁に会社更生法の適用を申請した(株)トーシンホールディングス(TSRコード:400797887、名古屋市、東証スタンダード)を取り上げる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度「医療・福祉事業」倒産、過去最多 ~ 健康と生活を支援する事業者の倒産急増 ~

生活に不可欠な医療機関や介護事業者の倒産が急増している。バブル経済1988年度(4-3月)以降の38年間で、2025年度は金融危機、リーマン・ショックを超える478件と最多を記録した。

4

  • TSRデータインサイト

2026年4月「人手不足」倒産 33件発生 春闘の季節で唯一、「人件費高騰」が増加

2026年4月の「人手不足」倒産は33件(前年同月比8.3%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。 4月の減少は2022年以来、4年ぶり。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準

2025年度に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社(前年度51社)で、人数は2万781人と前年度(8,326人)の約2.5倍に急増したことがわかった。社数は前年度から約1割(9.8%減)減少したが、募集人数は2009年度以降で4番目の高水準となった。

TOPへ