• TSRデータインサイト

「第一中央汽船グループ国内取引状況」調査

 第一中央汽船(株)(TSR企業コード:291084648、東証1部、東京都中央区)が9月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は1,196億800万円(保証債務含む)で、海運業者の倒産としては、2012年7月の三光汽船(株)(TSR企業コード:290448557、東京都港区、会社更生法、負債総額1,558億円)に次ぐ、歴代3番目の大型倒産となった。
 今回、東京商工リサーチは、保有する国内最大級の企業データベースから、第一中央汽船および国内主要連結子会社8社を対象に、同グループを取引先とする国内企業の取引状況を調査した。この結果、第一中央汽船グループの直接仕入先(1次仕入先)は93社、さらに直接仕入先との取引を行う間接仕入先(2次仕入先)は377社だった。また、直接販売先(1次販売先)は42社、間接販売先(2次販売先)は272社だった。四国地区は、直接仕入先数が関東地区に次いで多く、影響が注目される。


産業別:直接仕入先は運輸業・郵便業に集中

 第一中央汽船グループの直接仕入先は93社だった。最も多かったのは、運輸業・郵便業で46社(構成比49.4%)。次いで、卸売業・小売業の24社(同25.8%)となった。販売先も同様の傾向で、直接取引先42社のうち、運輸業・郵便業は22社(同52.3%)でトップ。卸売業・小売業の9社(同21.4%)、製造業の7社(同16.6%)の順となった。

業種別:直接仕入先は海運関連業種が多い

 直接仕入先で最も多いのは海運仲立業で13社。次いで、内航船舶貸渡業の10社だった。船舶貸渡業は3社であったため、この2業種を足した「貸渡」を営む直接仕入先は13社となる。13社のうち8社が四国地区に所在している。

地区別:直接仕入先は関東地区が最多

 直接仕入先が最も多いのは関東地区で48社(構成比51.6%)だった。次いで、四国地区の14社(同15.0%)、近畿地区の13社(同13.9%)と続く。

第一中央汽船グループ地区別取引状況

まとめ:四国地方の「船主」への影響が心配される

 第一中央汽船グループとの直接および間接の取引を有している企業は、国内に延べ784社に上ることが分かった。直接仕入先では、四国地区の企業との取引が多いことが浮き彫りとなった。貸渡業は「船主」と呼ばれることもある。今後は、船主への影響が最小限となるよう、関係各所が対策を講じる必要がある。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ