「役員報酬 1億円以上開示企業」調査(6月30日17時現在)
2015年3月期決算の上場企業のうち、30日までに2,458社が有価証券報告書を金融庁などに提出した。6月30日17時現在、役員報酬1億円以上を受け取った役員の個別開示をしたのは209社、人数で409人となった。
2010年3月期から開示制度が開始されたが、初めて社数で200社、人数で400人を超え、2014年3月期の役員報酬開示(社数191社、361人)に対して社数で18社、人数で48人上回っている。
役員報酬額の最高は総合リースのオリックス(株)(東証1部、東京都港区)宮内義彦元代表執行役会長(現シニア・チェアマン)の54億7,000万円。
企業別の最多開示人数は三菱電機(株)の23人。2014年3月期の開示人数(18人)を大きく上回り、過去最多人数となった。
役員報酬1億円以上の開示は、「改正企業内容等の開示に関する内閣府令」に基づき、2010年3月期決算より報酬等の総額、報酬等の種類別(基本報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金等の区分)の総額を有価証券報告書に記載することが義務付けられた。
- ※ソフトバンクのニケシュ・アローラ代表取締役副社長(報酬額165億5,600万円)は2015年3月期において、取締役に就任していないため、本調査においては対象外。
【6月30日17時現在集計】
役員報酬10億円以上が過去最多の5人
6月30日17時現在、有価証券報告書の提出が確認された企業は2,458社で、このうち、役員報酬1億円以上の個別開示が確認されたのは企業数で209社、人数で409人だった。報酬額10億円以上は過去最多の5人(2014年3月期4人)となった。
6月30日17時現在の役員報酬最高額はオリックスの宮内義彦元代表執行役会長で54億7,000万円。2010年3月期から開始された役員報酬の個別開示制度において過去最高額を更新した。以下、三共(SANKYO)の毒島秀行代表取締役会長が21億7,600万円、ソフトバンクのロナルド・フィッシャー取締役が17億9,100万円、岡三証券グループの加藤精一代表取締役会長が12億円、日産自動車のカルロス ゴーン代表取締役会長兼社長、最高経営責任者が10億3,500万円と続く。
オリックスの宮内義彦元代表執行役は2014年3月期、役員報酬額2億1,300万円に対して52億5,700万円増。長年の実績に対する功労金(44億6,900万円)が役員報酬額の8割を占めた。三共の毒島秀行会長は2014年3月期、同4億5,000万円に対して17億2,600万円増。2014年6月に退職慰労金制度の廃止に伴う役員退職慰労金16億1,400万円が報酬額の7割を占めた。ソフトバンクのロナルド・フィッシャー取締役は前年より14億6,800万円増加。連結会社3社から基本報酬2億9,000万円、株式報酬(制限付株式報酬)14億8,600万円ほかを受け取った。
個別開示された409人のうち、報酬額が1億円台は326人と、全体の約8割(79.7%)を占める。
個別開示人数 三菱電機が個別開示人数23人と過去最多を更新
6月30日17時現在、役員報酬1億円以上の個別開示を行った企業209社のうち、三菱電機が23人(前年18人)で最多。2010年3月期から開始された開示制度で最多人数を更新。次いで、ファナックが11人(同10人)、伊藤忠商事が9人(同6人)、野村ホールディングス、トヨタ自動車、三菱重工業が各8人、三菱商事、大和証券グループ本社、武田薬品工業が各7人と続く。また、複数人の開示を行った企業は86社だった。