「羊」を商号に使用している企業の全国調査
2015年は未(ひつじ)年。商号に「羊(未)」を含む(漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字)企業は全国で226社を数える。漢字の「羊」が144社と、全体の63.7%を占めた。
226社のうち、「未」年に設立(個人企業は創業)された企業は16社(構成比7.0%)。未年では、2003年に設立された企業が5社と最も多く、1943年以前はなかった。「未」年設立で、「未」の文字を商号に使用している企業は1社のみだった。
業種別では、織物・衣服・身の回り品小売業が28社で最多で、「ひつじ(ひらがな)」(13社)を使っている企業が多かった。また、食料品製造業は19社で、このうち羊羹製造業が18社あった。
都道府県別では、東京都が34社と最も多く、次いで北海道が29社、大阪府が18社、愛知県が16社、埼玉県と福岡県が各10社と続き、「羊」のつく地名に由来して商号をつける企業も多かった。
- ※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース239万7,355社(2014年10月24日時点)から設立年月(個人企業は創業)を確認できた企業を対象に、動物の「羊」および干支の「未」を「ひつじ」と読むものを抽出した。
- ※「未来」の「未」は除く。
「羊」を使用している企業が6割
商号に「羊・ひつじ・ヒツジ・HITSUJI・未」を使用している企業は全国に226社。このうち、漢字の「羊」を使用している企業は144社(構成比63.7%)と最も多く、次いでひらがなの「ひつじ」が72社(同31.8%)、カタカナの「ヒツジ」が8社(同3.5%)だった。また、ローマ字の「HITSUJI」と干支の「未(ひつじ)」を商号に使用している企業は各1社(同0.4%)だった。「HITSUZI」はなかった。
「未年」に設立された企業
商号に「羊・ひつじ・ヒツジ・HITSUJI・未」を使用している226社のうち、「未」年に設立された企業は16社(構成比7.0%)あった。内訳は、2003年が5社と最多で、以下1991年と1967年が各3社、1979年が2社、1955年が1社だった。
未年に設立された企業で、業歴が長かったのは、毛布・毛織物・寝具類販売の(株)千葉三羊(1967年設立、千葉県)だった。
設立年と干支とはあまり関係がないようだ。
産業別 サービス業他が最多
産業別では、サービス業他が102社(構成比45.1%)と最多。以下、小売業46社(同20.3%)、製造業34社(同15.0%)、情報通信業12社(同5.3%)と続く。
業種別では、織物・衣服・身の回り品小売業が28社(同12.3%)、次いで社会保険・社会福祉・介護事業25社(同11.0%)、医療業21社(同9.2%)、食料品製造業19社(同8.4%)の順。食料品製造業19社のうち、18社が羊羹製造業だった。
都道府県別 「めん羊」牧場が多い北海道に29社
都道府県別では、東京都の34社(構成比15.0%)が最も多かった。以下、北海道が29社(同12.8%)、大阪府が18社(同7.9%)、愛知県が16社(同7.0%)と続く。
地区別では、関東が72社(同31.8%)と最多で、近畿が30社(同13.2%)、北海道が29社(同12.8%)、中部28社(同12.3%)と続く。
北海道には「羊ケ丘(札幌市豊平区)」「羊蹄山」などの地名や名所があり、「めん羊」牧場も多く、「羊」という文字は身近な存在で、商号に使用しているものとみられる。
まとめ
本調査でみるかぎり、「羊」を商号に使用している企業の設立年と干支との関連性は薄いようだ。しかし、衣服の原料となる羊毛をイメージさせる織物・衣服・身の回り品小売業で「羊」を使用している企業が多かった。また、企業の本社所在地の地名が商号に使用されやすいこともわかった。