「人手不足」関連倒産 1-11月累計276件
建設業をはじめ、小売業、外食産業など、幅広い業種で「人手不足」が及んでいる。
大手企業を中心に業績が好転する一方で、「人手不足」は幅広い産業に波及し、「求人難」による倒産も発生している。
東京商工リサーチでは、これまでも「人手不足」関連倒産を集計していたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型、経営幹部や社員の退職に起因した「従業員退職」型が中心だった。だが、最近の「人手不足」に伴い「求人難」型もみられるようになった。
11月の「人手不足」関連倒産は28件(前年同月22件)。この内訳は、すべて代表者の死亡や入院などによる「後継者難」型だった。
2014年1-11月累計の276件では、「後継者難」型が248件(前年同期219件)、「求人難」型が18件(同11件)、「従業員退職」型が10件(同15件)になった。事業継承の課題が深刻化していることを背景に「後継者難」が圧倒的だが、「求人難」型の今後の動きが注目される。
また、最近の倒産では人件費高騰による負担増から資金繰りが悪化したケースも出ている。「人件費高騰」関連倒産は、2014年11月は5件発生し、2014年1-11月の累計は25件(前年同期8件)だった。人手不足や人件費高騰は中小企業経営の痛手になっている。