• TSRデータインサイト

「金融円滑化法」関連倒産 2014年11月は22件

 2014年11月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産は、22件だった。金融機関がリスケ要請に弾力的に応じるなどの金融支援や、公共工事の前倒し執行などの景気対策の効果により全体の倒産が抑制され、10カ月連続で前年同月を下回った。

円滑化法関連倒産月次推移

 負債総額は、53億700万円(前年同月比43.8%減)で、2カ月連続100億円を下回った。負債額別では、10億円以上の大型倒産がゼロ件(前年同月4件)だった。
産業別では、建設業と製造業が各7件で最も多かった。次に、サービス業他が3件、卸売業と運輸業が各2件、小売業が1件の順だった。
従業員数別では、最多が5人以上10人未満の8件(前年同月9件)だった。

2014年1-11月累計は237件

2014年1-11月累計では、負債額別の最多が1億円以上5億円未満の115件(前年同期比46.0%減、構成比48.5%)だった。次いで、5千万円以上1億円未満と1千万円以上5千万円未満が各34件、5億円以上10億円未満と10億円以上が各27件だった。

 原因別では、最多が販売不振の131件(前年同期比46.0%減、前年同期243件)だった。次いで、既往のシワ寄せ(赤字累積)が53件(同45.3%減、同97件)と続く。

 形態別では、消滅型の破産が162件(前年同期比41.0%減、前年同期275件)で最も多く、全体の約7割(構成比68.3%)を占めた。一方、再建型の民事再生法は10件(構成比4.2%、前年同期30件)にとどまった。金融円滑化法に基づく貸付条件変更を利用した企業の中では、業績不振から事業継続を断念するケースが依然として多い。

 従業員数別では、5人未満が87件(前年同期比39.1%減、前年同期143件)で最も多く、5人以上10人未満も57件(同43.5%減、同101件)だった。この結果、従業員10人未満は144件(構成比60.7%、前年同期244件)で、小規模企業が全体の6割を占めた。

 産業別では、製造業が71件(前年同期比43.6%減、前年同期126件)で最多、全体の約3割(構成比29.9%)を占めた。次いで、建設業41件(前年同期比54.9%減、前年同期91件)、卸売業38件(同49.3%減、同75件)、サービス業他30件(同50.8%減、同61件)と続く。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハンバーガー店の倒産、最多更新 ~ 材料高騰、大手と高級店の狭間で模索 ~

年齢を問わず人気のハンバーガー店が苦境だ。2024年は1件だった倒産が、2025年は8月までに7件に達し、過去最多の2014年の年間6件を上回った。

2

  • TSRデータインサイト

2025年「全国のメインバンク」調査 ~GMOあおぞらネット銀行 メイン社数の増加率2年連続トップ~

「2025年全国企業のメインバンク調査」で、GMOあおぞらネット銀行が取引先のメインバンク社数の増加率(対象:500社以上)が2年連続でトップとなった。

3

  • TSRデータインサイト

タクシー業界 売上増でも3割が赤字 人件費・燃料費の高騰で二極化鮮明

コロナ禍を経て、タクシー業界が活況を取り戻している。全国の主なタクシー会社680社の2024年度業績は、売上高3,589億5,400万円(前期比10.6%増) 、利益83億3,700万円(同11.1%増)で、増収増益をたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

「葬儀業」は老舗ブランドと新興勢力で二極化 家族葬など新たな潮流を契機に、群雄割拠

全国の主な葬儀会社505社は、ブランド力の高い老舗企業を中心に、売上高を堅調に伸ばしていることがわかった。 ただ、新たに設立された法人数が、休廃業・解散や倒産を上回り、市場は厳しい競争が繰り広げられている。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

TOPへ