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「金融円滑化法」関連倒産 2013年度は4割増の435件

 2014年3月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更後の倒産は27件。全体の倒産が抑制されていることを反映して、2カ月連続で前年同月を下回った。ただし、中小企業金融円滑化法の終了から丸1年の、2013年度(2013年4月-2014年3月)の累計は435件(前年度305件)に達し、前年度より4割増(前年度比42.6%増)で推移した。
中小企業金融円滑化法の終了後も、金融機関がリスケ要請に応じるなど実質的な金融支援が継続されたなかで、業績回復の遅れから息切れする中小企業が多かったことを浮き彫りにした。

円滑化法関連倒産月次推移

2014年3月

負債総額 2カ月連続で100億円を下回る

 3月の負債総額は83億1,400万円(前年同月比39.0%減)で、2カ月連続で100億円を下回った。負債別では、10億円以上の大型倒産が1件(前年同月4件)にとどまった。

産業別 製造業が最多10件

 3月の産業別では、製造業が10件(前年同月12件)で最も多かった。次に、サービス業他4件(同8件)、卸売業と小売業が各3件、農・林・漁・鉱業・建設業・運輸業が各2件、情報通信業が1件の順。 3月の従業員数別では、5人以上10人未満が11件(構成比40.7%、前年同月12件)で最も多かった。一方、5人未満は5件(前年同月比54.5%減、前年同月11件)と減少が目立った。

2013年度

負債額別 5千万円未満が8割増

 2013年度の倒産件数435件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満の220件(前年度比59.4%増、構成比50.5%)だった。また、5千万円未満の小規模・零細企業も52件(同85.7%増、前年度28件)と前年度に比べて8割増と増加ぶりが目立った。

原因別 赤字累積の増加が目立つ

 2013年度の原因別では、販売不振が233件(前年度比32.3%増、前年度176件)だった。また、既往のシワ寄せ(赤字累積)も103件(同77.5%増、同58件)と増加した。

産業別 製造業が約3割を占める

 2013年度の産業別では、製造業が128件(前年度比45.4%増、前年度88件)で最も多く、全体の約3割(構成比29.4%)を占めた。次いで、建設業が88件(前年度比23.9%増、前年度71件)、卸売業75件(前年度比56.2%増)、サービス業他62件(同93.7%増)、小売業41件(同46.4%増)、運輸業23件(同4.5%増)と続く。

形態別 破産が全体の6割

 2013年度の形態別では、消滅型の破産が274件(前年度比45.7%増、前年度188件)で最も多く、全体の6割(構成比62.9%)を占めた。この一方、再建型の民事再生法は34件(前年度21件、構成比7.8%)にとどまった。金融円滑化法に基づく貸付条件変更を利用した企業では、業績不振から事業継続を断念するケースが多いことを明らかにした。

従業員数別 10人以上20人未満が約7割増

 2013年度の従業員数別では、5人未満が137件(前年度比67.0%増、前年度82件)、5人以上10人未満も105件(同32.9%増、同79件)で、従業員10人未満は242件(構成比55.6%、前年度161件)にのぼり、小規模・零細企業が全体の過半数を占めた。こうしたなか、10人以上20人未満も103件(前年度比68.8%増、前年度61件)と増加が目立ち、小規模・零細より従業員規模が大きな企業の倒産も増えている。

 全体の倒産が抑制されるなかで、2013年度の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更後の倒産が、4割増と増勢が目立ったことは、景気回復の動きが、中小企業の末端までは、波及していない現状を反映しているといえる。

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