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不動産を売却した上場企業数 8年ぶりに前年度を上回る

2012年度に国内不動産を売却した東証1部、2部上場企業は60社で、8年ぶりに前年度を上回った。事業の再構築で、工場などの遊休地や遊休施設の見直しや、有力な買い手として不動産投資法人の動きが活発化したことも影響したようだ。

  • ※本調査は、東京証券取引所1部、2部上場企業(不動産投資法人を除く)を対象に、2012年度(2012年4月~2013年3月)に国内不動産(固定資産)の売却契約または引渡しを実施した企業を調査した(各譲渡価額、譲渡損益は見込み額を含む)。
    資料は『会社情報に関する適時開示資料』(2013年5月9日公表分まで)に基づく。東証の上場企業に固定資産売却の適時開示が義務付けられているのは、原則として譲渡する固定資産の帳簿価額が純資産額の30%に相当する額以上、または譲渡による損益見込み額が経常利益または当期純利益の30%に相当する額以上のいずれかに該当する場合である。

不動産売却企業は60社 8年ぶりに前年度を上回る

会社情報の適時開示ベースで2012年度に国内不動産(固定資産)の売却契約、または引渡しを実施した東証1部、2部上場企業数は、前年度(50社)に比べ10社増(20.0%増)の60社で、8年ぶりに前年度を上回った。

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公表売却土地総面積 52社で54万平方メートル

2012年度の売却土地総面積は、内容を公表した52社合計で54万7,316平方メートル。前年度より48.0%(前年度:公表40社、105万3,394平方メートル)減少したが、売却土地面積が1万平方メートル以上は19社(前年度13社)にのぼった。

有力な買い手として不動産投資法人が牽引

前年度は、各企業が東日本大震災後の対応に追われ、不動産取引の取り組みが手薄となったり、様子見も影響して不動産売却企業が調査開始から最少となった。しかし、2012年度は震災の影響も落ち着きをみせるなか、有力な買い手として不動産投資法人の物件取得の動きが活発化し、不動産取引市場を牽引したことも増加の要因になった。

公表売却土地面積 トップはオーミケンシ

公表売却土地面積トップは、休止中の工場敷地の一部を譲渡先の要請により分譲住宅用地として売却したオーミケンシの5万9,858平方メートル。次いで、生産移管で遊休化した埼玉工場の土地建物を売却した日本無線の5万4,484平方メートル。生産拠点の集約で移転後の羽村工場跡地を売却した日立国際電気の5万1,215平方メートルと続く。

譲渡価額総額 52社合計で3,057億円 自社ビル売却のソニー、パナソニックなど

譲渡価額の総額は、公表した52社合計で3,057億7,000万円(見込み額を含む)となった。個別のトップは、保有資産の見直しの一環として、JR大崎駅前の自社ビル「ソニーシティ大崎」の信託受益権を譲渡したソニーの1,111億円。次いで、財務改善計画の一環で自社ビル「パナソニック東京汐留ビル」の信託受益権を売却したパナソニックの507億円。東京テアトルが178億8,600万円、IHIが140億8,300万円、森永製菓が118億7,000万円の順。譲渡価額が100億円以上は5社(前年度3社)だった。

譲渡損益 52社合計で1,349億円

譲渡損益の総額は、公表した52社合計で1,349億3,100万円(見込み額を含む)となった。内訳は、譲渡益計上が43社(前年度26社)で合計1,384億1,700万円(同509億600万円)。譲渡益トップは、ソニーの410億円。次に、IHIが134億8,200万円、日立国際電気が90億円、森永製菓が85億円と続く。これに対して譲渡損を公表したのは8社(前年度15社)で、譲渡損の合計は34億8,600万円(同368億円)。このほか損益計上なしが1社だった。

業種別 電気機器が最多の11社

業種別社数では、電気機器が11社で最も多かった。次に、小売が7社、不動産5社、卸売、化学、機械、その他製品が各4社と続く。業種別売却土地面積では、電気機器が23万5,575平方メートルでトップ。次いで、繊維製品が9万3,427平方メートル、機械が3万9,933平方メートル、化学が3万8,890平方メートル、小売が3万5,027平方メートルの順だった。


東証1部、2部上場企業の不動産売却は8年ぶりに前年度を上回った。事業見直しで工場、店舗、事務所の集約などから遊休地や遊休施設が増加傾向にあることに加え、不動産価格に下げ止まり感が出ていることも取引を後押しした。
不動産投資法人の積極的な物件取得や、消費税率引き上げ前の駆け込み需要などから、地価は先高感が強まっている。マンション分譲会社などの土地購入意欲も高まっており、上場企業の不動産売却の増加に拍車がかかる可能性が高まっている。

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