• TSR速報

(株)オルツ

(株)オルツが入居するビル

(株)オルツが入居するビル

 7月30日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した(株)オルツ(東京都港区)は8月6日、民事再生開始決定を受けた。
 負債総額は約24億円。
 2024年10月に東証グロース市場に上場した。デジタルクローンを目的としたAI「P.A.I.」(パーソナル人工知能)の提供に向けて研究開発を進め、議事録作成アプリ「AI GIJIROKU」の販売を手掛け、2024年12月期は売上高60億5728万円を公表していた。
 ところが、上場後1期目の2025年4月、証券取引等監視委員会の調査で「AI GIJIROKU」の有料アカウントが実際に利用されていないなどの疑義が発覚し、第三者委員会を設置して調査を進めた。同年7月28日に公表された第三者委員会の調査結果では、「AI GIJIROKU」の売上の大半が架空で、広告代理店などを経由した循環取引による大規模な粉飾決算を行っていたことが発覚。こうした不正取引により、2021年12月期から2024年同期までの売上高の大半が過大計上だったとの指摘を受けた。
 これらを受けて当社は7月25日付けで東証より監理銘柄(審査中)に指定されたほか、7月28日付けで代表交代を公表し、スポンサー支援による再生を目指すとして民事再生法の適用を申請した。
 当社株式は7月30日から8月30日までの整理銘柄となり、8月31日に上場廃止となる見込み。また、9月3日までを民事再生手続きにおける再生債権の提出期限とし、その後、再生債権の調査期間を経て10月28日を再生計画案の提出期限としている。

※オルツ(TSRコード:012883700、法人番号:2010601047081、港区六本木7-15-7、設立2014(平成26)11月26日、資本金2405万4500円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ