全国企業倒産状況

2026年9月の全国企業倒産831件

Xアイコン
facebookアイコン

9月の倒産 件数・負債ともに減少、負債総額はことし最少


 2026年9月の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が831件(前年同月比4.8%減)、負債総額は1,088億8,400万円(同3.1%減)だった。
 件数は、4カ月ぶりに前年同月を下回り、8月の830件に次ぎ、ことし3番目の低水準。9月としては5年ぶりに前年を下回ったが、2024年から3年連続で800件台で推移した。
 負債総額は、2月以来、7カ月ぶりに前年同月を下回り、ことし最少となった。9月としては3年連続で減少した。負債100億円以上の1件(前年同月ゼロ)を含め、同10億円以上が21件(前年同月比16.6%増)発生したが、件数の減少で負債を押し下げた。

 日本銀行は6月に続き、9月にも政策金利を1.25%程度へ引き上げた。日米金利差や為替の動向への目配せもあるが、さらなる引き上げの可能性も残している。
 現在、金利上昇による企業への影響は表面化していない。だが、物価高や人件費上昇などのコストアップは容赦なく収益に重荷になるなか、金利上昇の影響もジワリと広がるだろう。

企業倒産月次推移



・形態別件数:破産の構成比は90.7%で、5カ月連続で90%台
・都道府県別件数:前年同月を上回ったのが21都道県、減少24府県、同数2県
・負債額別件数:負債1億円未満の構成比77.3%、100億円以上が3カ月連続で発生
・業種別件数:建築材料,鉱物・金属材料等卸売業などが増加
・従業員数別件数:従業員10人未満の構成比は今年最高の91.5%
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)の構成比:19カ月連続で100.0%
・「人手不足」関連倒産:34件(前年同月48件)。内訳は、「人件費高騰」が18件(同15件)で増加したが、「求人難」9件(同13件)、「従業員退職」7件(同20件)は減少
・「物価高」倒産:68件(同77件)で、2カ月連続で前年同月を下回る
・「ゼロゼロ融資」利用後の倒産:19件(同44件)で、9カ月連続で前年同月を下回る

◇倒産データ分析:https://www.tsr-net.co.jp/news/data_analysis/index.html

産業別倒産動向 10産業のうち、5産業で前年同月を上回る

 2026年9月の産業別件数は、5産業で前年同月を上回った。
 最多はサービス業他の294件(前年同月比1.3%増)で、2カ月連続で前年同月を上回った。月次倒産に占める構成比は35.3%(前年同月33.2%)だった。
 このほか、小売業107件(前年同月比9.1%増)が5カ月連続、農・林・漁・鉱業12件(同33.3%増)と運輸業38件(同18.7%増)が2カ月ぶり、不動産業30件(同15.3%増)が3カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 一方、製造業97件(同3.9%減)が3カ月連続、卸売業89件(同11.8%減)が2カ月連続、建設業132件(同27.4%減)と金融・保険業2件(同50.0%減)が4カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。
 前年同月を下回った4産業のうち、建設業は今年最少となった。
 情報通信業は、前年同月と同件数の30件だった。

2026年9月 産業別倒産状況

主要産業倒産件数推移

主なサービス業他 倒産状況

主なサービス業他 倒産月次推移

地区別倒産動向 倒産件数、3地区で前年同月を上回る

 2026年9月の地区別件数は、北海道と関東、中国の3地区で前年同月を上回った。
 北海道24件(前年同月比9.0%増)と関東295件(同1.3%増)が2カ月ぶり、中国31件(同14.8%増)が3カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 一方、北陸20件(同13.0%減)と四国12件(同25.0%減)が、それぞれ3カ月連続で前年同月を下回った。また、中部103件(同14.8%減)が2カ月連続、近畿235件(同6.7%減)が2カ月ぶり、東北44件(同12.0%減)が4カ月ぶり、九州67件(同5.6%減)が5カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。

2026年9月 都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
四国(香川、徳島、愛媛、高知)
九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]
1.(株)Hatch Out/千葉県/不動産事業/107億6,200万円/破産
2.(株)六石ゴルフ倶楽部/三重県/ゴルフ場経営/56億円/民事再生法
3.小師馬商(株)/北海道/肉用馬飼養・販売/29億円/民事再生法
4.(株)パークエンジニア/大阪府/駐車場装置企画販売ほか/23億4,100万円/破産
5.(株)メディトランセ/東京都/PCR検査ほか/22億2,000万円/破産

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ