全国企業倒産状況

2026年6月の全国企業倒産1,021件

Xアイコン
facebookアイコン

6月の企業倒産 2年1カ月ぶり1,000件超、「人件費高騰」倒産が2.3倍増


 2026年6月の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が1,021件(前年同月比20.4%増)、負債総額は1,331億5,000万円(同25.9%増)で、ともに20%台の増加率だった。
 件数は、2024年5月(1,009件)以来、2年1カ月ぶりに1,000件を超えた。6月に1,000件を超えたのは、東日本大震災の発生した2011年(1,165件)以来、15年ぶり。
 負債総額は、3月から4カ月連続で前年同月を上回った。6月としては4年ぶりに前年を上回った。負債50億円以上が5件(前年同月1件)で、同10億円以上は19件(前年同月18件)と前年同月を上回り、やや大型化の兆しがうかがえ、同5億円以上10億円未満も24件(同18件)に増加した。ただ、同1億円未満は802件(前年同月比22.0%増)で、全体の78.5%(前年同月77.4%)を占めている。

 円安の定着で物価高騰が続くほか、人件費上昇、中東情勢の影響で小・零細企業の息切れが目立つ。一度上昇した価格の値下がりは難しいだけに、今後も物価高が要因の倒産は高止まりの可能性が高い。

企業倒産月次推移



・形態別件数:破産の構成比は91.3%で、2カ月連続で90%台
・都道府県別件数:前年同月を上回ったのが35都道府県、減少が6府県、同数が6県
・負債額別件数:負債1億円未満の構成比78.5%、100億円以上は2カ月ぶりに発生なし
・業種別件数:プラスチック製品製造業、繊維工業、飲食料品小売業などが増加
・従業員数別件数:従業員10人未満の構成比は91.1%
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)の構成比:16カ月連続で100.0%
・「人手不足」関連倒産:合計40件(前年同月30件)発生。人件費高騰が23件(同10件)と2.3倍増。従業員退職が15件(同11件)、求人難が2件(同9件)
・「物価高」倒産:74件(同60件)で、2025年12月から7カ月連続で前年同月を上回る
・「ゼロゼロ融資」利用後の倒産:20件(同39件)で、6カ月連続で前年同月を下回る

◇倒産データ分析:https://www.tsr-net.co.jp/news/data_analysis/index.html

産業別倒産動向 2年1カ月ぶりに10産業すべてが前年同月を上回る

 2026年6月の産業別件数は、2024年5月以来、2年1カ月ぶりに10産業すべてで前年同月を上回り、建設業、製造業、卸売業、不動産業、サービス業他の5産業が今年最多になった。
 最多はサービス業他の371件(前年同月比29.7%増、構成比36.3%)で、3カ月ぶりに300件を超えた。
 次いで、建設業の189件(前年同月比6.1%増)で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。特に、木造建築工事業が20件(同122.2%増)で、2026年に入り6カ月連続で前年同月を上回った。
 このほか、情報通信業47件(同46.8%増)が4カ月連続、小売業111件(同8.8%増)と運輸業38件(同15.1%増)が2カ月連続、農・林・漁・鉱業13件(同116.6%増)と製造業107件(同5.9%増)、卸売業110件(同26.4%増)、金融・保険業2件(同100.0%増)、不動産業33件(同50.0%増)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。


2026年6月 産業別倒産状況

主要産業倒産件数推移

主なサービス業他 倒産状況

主なサービス業他 倒産月次推移

地区別倒産動向 倒産件数、2年1カ月ぶりに9地区すべてで前年同月を上回る

 2026年6月の地区別件数は、9地区すべてで前年同月を上回った。9地区すべてが前年同月を上回るのは、2024年5月以来、2年1カ月ぶり。
 北陸25件(前年同月比19.0%増)が6カ月連続、四国24件(同60.0%増)と九州95件(同23.3%増)が2カ月連続、北海道25件(同8.6%増)と関東363件(同19.4%増)、中部139件(同33.6%増)、近畿264件(同18.3%増)、中国39件(同5.4%増)が2カ月ぶり、東北47件(同6.8%増)が4カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 関東、中部、近畿、四国の4地区は、今年最多の件数になった。

2026年6月 都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
四国(香川、徳島、愛媛、高知)
九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]
1.(株)レーヴ/大阪府/障害者福祉サービス事業ほか/78億200万円/会社更生法
2.(特定)NPO法人リアン/大阪府/障害者福祉サービス事業ほか/74億2,700万円/破産
3.(株)リベラーラ/大阪府/障害者福祉サービス事業ほか/61億4,500万円/会社更生法
4.豊栄通商(株)/東京都/鉄スクラップ卸/57億7,300万円/破産
5.(株)絆ホールディングス/大阪府/就労支援事業ほか/55億100万円/会社更生法

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「モームリ」前社長らに有罪判決、退職代行サービスは転機に

 8月28日、東京地裁は報酬目的で業務を弁護士に紹介した容疑などに問われていた退職代行サービス「モームリ」運営の(株)アルバトロス(TSRコード:694377686、横浜市、以下モームリ)の法人と前社長の谷本慎二被告らに有罪判決を言い渡した。

2

  • TSRデータインサイト

「マッサージ業界」の倒産増加 ~ 1-7月は過去最多、低価格台頭と施術者確保 ~

2026年1-7月の「マッサージ業」(接骨院・鍼灸院を含む)倒産が68件(前年同期比7.9%増)に達し、同期間では過去15年間で最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

失業なき労働力移動の行方 ~窮境状態にある業種と「人手不足倒産」発生率の相関~

経営資源の配分は、各企業がその時々の最適を探っている。赤字法人率が6割を超え(※1)、人手不足に陥る企業も少なくない。今回は4つの経営資源のうち、「ヒト」「カネ」に注目し、業績が窮境状態に置かれ、かつ人手不足にも悩まされる業種に迫った。

4

  • TSRデータインサイト

芸能事務所に異変、倒産が相次ぐ

メディアの多様化で芸能事務所(プロダクション)が転換期を迎えている。2025年(1-12月)は倒産が26件発生し、2014年以降で過去最多だった。2026年も7月までに12件発生し、倒産が相次いでいる。

5

  • TSRデータインサイト

「焼肉店」の倒産が高止まり、「ヤキニクの日」食べる支援も一案

換気能力の高さから、コロナ禍で脚光を浴びた「焼肉店」が淘汰の波に揉まれている。2026年1-8月(20日まで)の「焼肉店」倒産は29件に達した。年間最多(59件)を記録した前年同期の35件に次ぎ、2009年以降、2024年同期と並ぶ2番目の高水準だ。

TOPへ