全国企業倒産状況

2026年5月の全国企業倒産780件

5月の全国倒産 6カ月ぶり減少、中東問題の影響で倒産が2件発生


 2026年5月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)は、件数が780件(前年同月比8.9%減)、負債総額は1,211億9,900万円(同34.0%増)だった。
 件数は、2025年11月以来、6カ月ぶりに前年同月を下回った。5月では2年連続で減少し、2023年の706件以来、3年ぶりに800件を下回った。
 負債総額は、3カ月連続で前年同月を上回った。5月の最大の倒産は、東証スタンダードの(株)トーシンホールディングス(愛知、会社更生法)の159億9,100万円。負債10億円以上が22件(前年同月10件)と2.2倍に増加し、負債を押し上げた。負債1億円未満は585件(前年同月比12.0%減)にとどまり、構成比75.0%は今年最小となった。

 貸出金利が上昇して1年以上を経過し、金利負担がジワリと企業収益を圧迫し始めている。また、ナフサをはじめとする石油精製品の品薄と価格上昇は、日々深刻さを増している。目詰まり要因であれば、具体的な解消スケジュールを示すべきだろう。この間も中小企業は、体力が疲弊しており、企業倒産は夏場に向けて増勢をたどる可能性が高まっている。

企業倒産月次推移



・東証スタンダードの(株)トーシンホールディングスが会社更生法の適用を申請し、上場企業の倒産が10カ月ぶりに発生
・形態別件数:破産の構成比91.0%、2カ月ぶりに90%台に上昇
・都道府県別件数:前年同月を上回ったのが17県、減少が27都道府県、同数が3県
・負債額別件数:負債1億円未満の構成比は今年最小の75.0%。100億円以上は2カ月ぶりに発生
・業種別件数:織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業などが増加
・従業員数別件数:従業員10人未満の構成比は90.2%、今年に入り90%台が続く
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)の構成比:15カ月連続で100.0%
・「人手不足」関連倒産:37件(前年同月23件)発生。「人件費高騰」が19件(同8件)と大幅に増加したほか、「従業員退職」9件(同5件)、「求人難」9件(同10件)
・「物価高」倒産:64件(前年同月45件)で、6カ月連続で前年同月を上回る
・「ゼロゼロ融資」利用後の倒産:28件(同37件)で、2カ月連続で20件台にとどまった

◇倒産データ分析:https://www.tsr-net.co.jp/news/data_analysis/index.html

産業別倒産動向 10産業のうち、3産業で前年同月を上回る

 2026年5月の産業別件数は、10産業のうち、前年同月を上回ったのは3産業だった。
 最多はサービス業他の253件(前年同月比17.8%減)だったが、2カ月連続で前年同月を下回った。月次倒産に占める構成比は32.4%(前年同月35.9%)だった。
 このほか、製造業90件(前年同月比3.2%減)と金融・保険業1件(同66.6%減)が2カ月ぶり、農・林・漁・鉱業8件(前年同月比27.2%減)と卸売業86件(同4.4%減)、不動産業21件(同41.6%減)が3カ月ぶり、建設業147件(同11.9%減)が4カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。
 建設業、製造業、卸売業、金融・保険業、不動産業、サービス業他の6産業は、今年最少となった。
 一方、情報通信業45件(同28.5%増)が3カ月連続、小売業94件(同14.6%増)と運輸業35件(同9.3%増)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。

2026年5月 産業別倒産状況

主要産業倒産件数推移

主なサービス業他 倒産状況

主なサービス業他 倒産月次推移

地区別倒産動向 9地区のうち、3地区で前年同月を上回る

 2026年5月の地区別件数は、9地区のうち、3地区で前年同月を上回った。
 北陸28件(前年同月比47.3%増)が5カ月連続、四国20件(同17.6%増)と九州77件(同8.4%増)が3カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 一方、東北35件(同47.7%減)が3カ月連続、中部92件(同2.1%減)が2カ月ぶり、中国28件(同17.6%減)が3カ月ぶり、関東294件(同7.8%減)が4カ月ぶり、近畿183件(同13.6%減)が5カ月ぶり、北海道23件(同4.1%減)が7カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。

2026年5月 都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
四国(香川、徳島、愛媛、高知)
九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]
1.(株)トーシンホールディングス/愛知県/持株会社、不動産賃貸/159億9,100万円/会社更生法
2.(株)ゼクサバース/東京都/メタバース体験施設運営ほか/74億4,400万円/破産
3.(株)キュアテックス/東京都/和紙繊維製品製造ほか/32億円/破産
4.(株)プラウド/静岡県/中古車販売/30億6,100万円/破産
5.EV充電インフラ2号合同会社/東京都/EV充電インフラ取得・整備/25億円/民事再生法

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