全国企業倒産状況

2025年度(令和7年度)の全国企業倒産1万505件

2025年度の企業倒産 2年連続で1万件超え、負債1億円未満が過去最高の76.7%


 2025年度(4-3月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が1万505件(前年度比3.5%増)、負債総額は1兆5,687億1,500万円(同33.9%減)だった。
 件数は、コロナ禍の2021年度の5,980件を底に、2022年度から4年連続で前年度を上回り、2年連続で1万件を超えた。1万505件は、2013年度の1万536件以来、12年ぶりの水準。
 負債総額は、4年ぶりの1兆円台となった。最大の倒産は(株)ドローンネット(東京)の負債1,445億円で、前年度にMSJ資産管理(株)(旧:三菱航空機(株))が負債6,413億円で、特別清算を申請した反動で大幅に減少。負債100億円以上が8件(前年度11件)で2014年度以来、11年ぶりに10件を下回った。同1億円未満が8,062件(前年度7,658件)で、構成比76.7%は1996年度以降の30年間で最高を更新、小・零細規模の倒産が際立った。

 3月30日に一時、1ドル=160円44銭をつけ、2024年7月以来、1年8カ月ぶりの円安となった。円安は物価高に直結し、収益が低調な中小企業の資金繰りを圧迫しかねない。
 また、政策金利の引き上げで金融機関の貸出金利は上昇し、ジワリと企業収益の負担材料になりつつある。加えて、4月以降、コロナ借換保証の最後の返済開始がピークとなる。
 再リスケで倒産の先送りも想定されるが、事業再生への取り組みへの方向性として対応が注目される。企業倒産は物価高で一段と企業格差を広げながら、増勢をたどる可能性が高い。

企業倒産年度推移



・上場企業倒産:7月に東証グロース上場の(株)オルツ(東京、民事再生法)が1件発生
・「人手不足」関連倒産:442件(前年度309件)で過去最多となった。内訳は、「人件費高騰」195件(同110件)、「求人難」139件(同122件)、「従業員退職」108件(同77件)
・「物価高」倒産:801件(前年度比13.9%増、前年度703件)。2022年度以降では最多
・「ゼロゼロ融資」利用後の倒産:410件(同22.7%減、同531件)でピークアウトの兆し
・形態別:破産が9,513件(前年度比4.0%増)で、年度倒産に占める構成比は30年間で過去最高の90.5%
・地区別件数:7地区で前年度を上回る
・業種別:織物・衣服・身の回り品小売業、電気機械器具製造業などが増加
・従業員数別:10人未満の構成比が89.9%、300人以上が4年連続で発生
・原因別件数:『不況型』倒産が8,994件、構成比85.6%で17年連続の80%台
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)の構成比は30年間で初の100.0%

◇倒産データ分析:https://www.tsr-net.co.jp/news/data_analysis/index.html

産業別 倒産件数、10産業のうち、5産業で前年度を上回る

 2025年度の産業別件数は、5産業で前年度を上回った。
 最多はサービス業他の3,585件(前年度比5.5%増)で、4年連続で前年度を上回った。30年間では、前年度の3,398件を上回り、最多件数を更新した。
 このほか、農・林・漁・鉱業131件(同12.9%増)と建設業2,047件(同5.3%増)、小売業1,223件(同12.2%増)、不動産業331件(同13.3%増)が、それぞれ4年連続で前年度を上回った。
 農・林・漁・鉱業は2001年度(130件)以来、24年ぶりに130件台、建設業は2013年度(2,280件)以来、12年ぶりに2,000件台に、それぞれ乗せた。また、不動産業は2014年度(322件)以来、11年ぶりに300件超えとなった。
 一方、製造業1,168件(同0.9%減)と卸売業1,147件(同5.5%減)、金融・保険業17件(同39.2%減)、情報通信業432件(同6.0%減)が、それぞれ4年ぶりに前年度を下回った。

2025(令和7)年度 産業別倒産状況

主要産業倒産件数構成比推移

地区別 倒産件数、7地区で前年度を上回る

 2025年度の地区別件数は、東北、中国を除く7地区で前年度を上回った。
 北海道280件(前年度比3.3%増)と関東3,753件(同2.5%増)、中部1,281件(同4.1%増)、近畿2,739件(同3.5%増)、九州978件(同7.7%増)が、それぞれ4年連続で前年度を上回った。
 このほか、北陸242件(同18.6%増)と四国227件(同6.5%増)が、それぞれ3年連続で前年度を上回った。
 一方、東北562件(同0.8%減)と中国443件(同0.4%減)が、それぞれ4年ぶりに前年度を下回った。
 増加率が大きい北陸ではサービス業他82件(同10.8%増)や建設業45件(同2.2%増)、製造業39件(同5.4%増)など7産業、九州がサービス業他337件(同13.8%増)や建設業199件(同15.6%増)、小売業136件(同7.0%増)などで6産業で前年度を上回った。

2025(令和7)年度 都道府県別倒産状況

※地区の範囲は以下に定義している。
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
四国(香川、徳島、愛媛、高知)
九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当年度の主な倒産

[負債額上位5社]
1.(株)ドローンネット/東京都/ドローン関連事業ほか/1,445億円/破産
2.(株)福島建設資材/福島県/私募債発行ほか/332億9,000万円/破産
3.MPH(株)/東京都/脱毛サロン経営/260億円/破産
4.中川企画建設(株)/大阪府/土木建築工事ほか/222億2,200万円/会社更生法
5.(株)JSファンダリ/東京都/パワー半導体ウエハー製造/161億7,900万円/破産

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSR速報 ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「鰻の成瀬」、株式譲渡を巡り対立が表面化~ 仮処分決定と株主間契約 ~

うなぎ料理専門店「鰻の成瀬」のフランチャイズ(FC)やコンサルティングなどを手掛けるフランチャイズビジネスインキュベーション(株)(TSRコード:136729983、滋賀県、以下FBI社)の周辺が騒がしい

2

  • TSRデータインサイト

キーボード「FILCO」のダイヤテック、忸怩たる破産 ~ 為替デリバティブと需要減、綱渡りの資金繰り ~

パソコン用キーボード「FILCO(フィルコ)」で知られあるダイヤテック(株)(TSRコード:292026617、東京都)が負債2億円あまりを抱えて4月30日、破産開始決定を受けた。

3

  • TSRデータインサイト

役員報酬額 歴代最高の134億円「セブン&アイHD」デピント元取締役

(株)セブン&アイホールディングスのジョセフ・マイケル・デピント元取締役(2025年3月9日辞任)の2026年2月期の役員報酬額が、134億1,700万円と、過去最高額となった。5月20日に公表された有価証券報告書で判明した。

4

  • TSRデータインサイト

エステサロン、倒産が今年もハイペース ~1-4月は過去最多、高額契約は慎重に~

全身美容や脱毛などエステ・脱毛サロンの倒産が止まらない。2026年は4月までに35件に達し、同期間で過去最多だった2025年の31件を上回った。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ