全国企業倒産状況

2016年度(平成28年度)の全国企業倒産8,381件

2016年度の倒産

倒産件数が8,381件 年度としては26年ぶりの低水準

 2016年度(2016年4月-2017年3月)の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は8,381件、負債総額が1兆9,508億9,900万円だった。
倒産件数は前年度比3.4%減(303件減)、年度としては8年連続で前年を下回った。1990年度(7,157件)以来の26年ぶりの低水準で、2年連続で9,000件を割り込んだ。金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に対応していることに加え、国内景気の緩やかな回復を背景に、財務内容に改善がみられる企業への貸出増なども影響したとみられる。
負債総額は、前年度比4.2%減(863億6,400万円減)。年度としては2年ぶりに前年を下回った。主な倒産では、プラズマテレビ・ディスプレイ製造のパナソニックプラズマディスプレイ(株)(2016年11月、負債5,000億円)が特別清算を申請し、製造業では戦後最大の倒産が発生した。この1件だけで負債総額の4分の1(構成比25.6%)を占めた。ただし、全体としては負債1億円未満が6,087件(構成比72.6%)と7割を占め、依然として小規模倒産が中心であることに変わりがない。

企業倒産年度推移


  • 上場企業倒産:年度としては1990年度以来の26年ぶりのゼロ
  • 形態別:法的倒産の構成比が年度過去最高の90.0%を占める
  • 都道府県別件数:前年度比減少が24都府県、増加が23道府県と拮抗
  • 資本金別:1億円以上が68件、年度としては2年連続の100件割れ
  • 負債別:10億円以上の大型倒産が230件、年度としては27年ぶりの300件割れ
  • 従業員数別:5人未満の構成比が73.8%、年度としては過去20年間で最高
  • 原因別件数:「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が年度としては8年ぶりの増加
  • 「チャイナリスク」関連倒産が84件(前年度121件)発生
  • 「人手不足」関連倒産が310件(同321件)、このうち「求人難」型が24件
  • 業種別:老人福祉・介護事業(64→107件)、飲食業(623→662件)などで倒産増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が、年度としては8年連続の減少

産業別 10産業のうち7産業で前年度件数を下回る

 2016年度の産業別倒産件数は、10産業のうち7産業で前年度を下回った。
こうしたなか、飲食業や老人福祉・介護事業などを含むサービス業他が2,255件(前年度比5.8%増)で5年ぶりに増加に転じた。また、不動産業292件(同6.1%増)と農・林・漁・鉱業65件(同4.8%増)は、ともに2年ぶりに前年度を上回った。
一方、建設業は1,581件(同6.4%減)で、8年連続の前年度比減少。水準としては1990年度(1,579件)以来の少ない件数にとどまった。製造業1,115件(前年度比12.3%減)と小売業1,151件(同3.1%減)は、ともに8年連続で前年度を下回った。
さらに、情報通信業が335件(同5.3%減)で7年連続、卸売業は1,292件(同2.9%減)で4年連続、金融・保険業は45件(同8.1%減)で、2年ぶりに前年度を下回った。

2016年度の産業別倒産

主要産業倒産年度推移

地区別 9地区のうち北海道、東北、中部で前年度件数を上回る

 2016年度の地区別倒産件数は、9地区のうち6地区で前年度を下回った。こうしたなか、中部が1,103件(前年度比1.6%増)で8年ぶりの増加、北海道が279件(同5.2%増)で5年ぶりの増加、東北330件(同4.7%増)で3年ぶりに増加に転じた。
このうち中部の産業別では、卸売業(133→153件)や製造業(181→198件)などで前年度を上回った。また北海道が卸売業(35→52件)や小売業(36→51件)で増加が目立ち、東北は製造業(47→61件)、不動産業(7→16件)などの件数を押し上げた。
一方、関東3,320件(前年度比2.3%減)で8年連続で前年度を下回った。近畿は2,057件(同6.0%減)で7年連続減少し、九州605件(同13.6%減)と中国350件(同1.4%減)で5年連続で前年度を下回った。北陸205件(同0.9%減)で4年連続で減少し、四国は132件(同20.9%減)で2年連続で前年度を下回った。

2016年度の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当年度の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. パナソニックプラズマディスプレイ(株)/大阪府/プラズマテレビ・ディスプレイ製造/5,000億円/特別清算
  2. アイエス(株)/広島県/宅地造成開発/465億9,200万円/破産
  3. 公益財団法人山梨県林業公社/山梨県/森林整備、分収造林事業/261億2,000万円/民事再生法
  4. (株)KK資産管理会社/広島県/資産管理業/220億円/特別清算
  5. 吉田ゴルフ開発(株)/鹿児島県/ゴルフ場経営/166億8,700万円/民事再生法

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ