全国企業倒産状況

2017年(平成29年)の全国企業倒産8,405件

Xアイコン
facebookアイコン

2017年の倒産

倒産件数が8,405件 9年連続して前年を下回る 上場企業倒産が2件発生

 2017年(平成29年)の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は8,405件、負債総額が3兆1,676億3,700万円だった。
倒産件数は、前年比0.4%減(41件減)。2009年から9年連続で前年を下回り、1990年(6,468件)以来の低水準だった。これは金融機関が中小企業のリスケ要請に積極的に対応しているほか、上向きな景況も影響しているとみられる。ただし、月次ベースでは2017年3月以降は、前年同月比増加と減少を交互に繰り返し、10月には6年3カ月ぶりに2カ月連続で増加した。さらに都道府県別では、東京・大阪・兵庫が8年ぶり、愛知が6年ぶりに増加に転じ、神奈川も2年連続で増加するなど大都市圏の増勢が目立つように状況の変化がみられ、倒産減少の「底打ち」を窺わせた。また産業別では、10産業のうち唯一、飲食業などを含む「サービス業他」が前年を上回り、今後の個人消費関連の動向が注目される。
一方、負債総額は前年比57.8%増(1兆1,615億1,800万円増)。2年ぶりに前年を上回り、2012年(3兆8,345億6,300万円)以来の3兆円超えになった。この大幅増は、製造業では戦後最大の倒産になったタカタ(株)(6月・負債1兆5,024億円)の民事再生法申請が影響した。ただし、全体では負債1億円未満が6,263件(構成比74.5%)を占め、小規模倒産が大半を占めた。

企業倒産年次推移


  • 製造業では戦後最大の大型倒産:タカタ(株)(負債1兆5,024億円)が民事再生法を申請
  • 上場企業倒産:タカタ(株)と(株)郷鉄工所の2件発生
  • 「人手不足」関連倒産が317件(前年326件)、このうち「求人難」型が2倍増の35件(同17件)
  • 形態別:法的倒産の構成比が過去最高の91.8%を占める
  • 従業員数別:5人未満の構成比が74.1%、過去20年間で最高
  • 都道府県別件数:東京・大阪・兵庫が8年ぶり、愛知が6年ぶりに増加に転じるなど大都市圏での増勢目立つ
  • 原因別件数:「他社倒産の余波」が5年ぶりの増加
  • 業種別:パチンコホール(12→29件)、スーパー(20→27件)、飲食業(639→766件)などで倒産増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)件数が9年連続で前年を下回る

産業別 サービス業他が2年連続で前年を上回る

 2017年の産業別件数では、10産業のうちサービス業他を除く9産業で前年を下回った。
このうち、サービス業他は2,434件(前年比9.7%増)で2年連続で前年を上回った。内訳では、居酒屋などを含む酒場,ビヤホール(85→116件)、労働者派遣業(61→76件)、広告業(54→68件)などが件数を押し上げた。
一方、建設業1,579件(前年比1.6%減)と小売業1,117件(同5.0%減)は、ともに9年連続で前年を下回った。製造業1,041件(同10.0%減)と情報通信業339件(同0.5%減)は、ともに8年連続の減少。また、卸売業1,268件(同2.2%減)と運輸業240件(同4.7%減)は、ともに5年連続で前年を下回り、農・林・漁・鉱業64件(同3.0%減)が3年連続で減少した。さらに、金融・保険業44件(同6.3%減)と不動産業279件(同3.1%減)は、2年ぶりに減少に転じた。

2017年の産業別倒産

主要産業倒産年次推移

地区別 9地区のうち7地区で前年を下回る

 2017年の地区別倒産件数は、9地区のうち7地区で前年を下回った。
こうしたなか、近畿2,171件(前年比4.4%増)が8年ぶりに増加に転じた。また、北海道が277件(前年比3.3%増)で5年ぶりに前年を上回った。近畿の産業別では、飲食業などを含むサービス業他(591→691件)や建設業(381→410件)などが件数を押し上げ、北海道では、サービス業他(47→78件)や運輸業(4→11件)などで増加した。
一方、関東が3,309件(前年比0.03%減)で8年連続の減少。中国331件(同4.8%減)が6年連続の減少。四国は139件(同4.7%減)で3年連続で減少した。九州が563件(同9.6%減)で2年連続の減少、中部1,107件(同0.8%減)と東北323件(同7.1%減)および北陸185件(同11.0%減)が2年ぶりに前年を下回った。また、関東・北陸・中国・四国・九州の5地区は1998年以降の過去20年間で最少件数にとどまった。

2017年の都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当年の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. タカタ(株)/東京都/自動車部品製造/15,024億円/民事再生法
  2. ジャパンライフ(株)/東京都/磁気治療器販売ほか/2,405億円/取引停止処分
  3. ネットカード(株)/東京都/消費者金融業/594億8,900万円/破産
  4. (株)小樽ベイシティ開発/北海道/大型商業施設管理運営/280億円/民事再生法
  5. (株)KK資産管理会社/広島県/資産管理業/220億円/特別清算
Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ