全国企業倒産状況

2021年11月の全国企業倒産510件

2021年11月の倒産

11月の倒産は56年ぶりの低水準、コロナ関連は月間最多の172件発生

 2021年11月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が510件(前年同月比10.3%減)、負債総額が941億100万円(同7.8%減)だった。
件数は、6カ月連続で前年同月を下回った。11月としては2年連続で500件台にとどまり、1965年(509件)以来、56年ぶりの低水準となった。
負債総額は、4カ月ぶりに前年同月を下回った。11月としては1972年以降では、1989年(813億1,400万円)に次ぐ4番目の低水準。負債1億円以上5億円未満は112件(前年同月102件)、同5億円以上10億円未満は15件(同12件)と増加したが、同10億円以上は13件(同19件)と減少。同1億円未満は370件(構成比72.5%)で、依然として小・零細規模を主体に推移している。
主な倒産は、蓄電池販売などのD-LIGHT(株)(東京・負債213億円)が東京地裁に破産を申請した。複数の企業との循環取引が問題視されている。
11月の「新型コロナウイルス」関連倒産は172件(前年同月比91.1%増)で、3カ月連続で月間最多を更新した。1-11月累計は1,522件(前年同期705件、前年同期比115.8%増)。

企業倒産月次推移


  • 「人手不足」関連倒産のうち、「後継者難」が41件(前年同月39件)
  • 形態別件数:破産が462件。法的倒産の構成比、18カ月連続で90%台
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが16道県、減少22都府県、同数9県
  • 負債別件数:負債1億円未満の構成比が72.5%、3カ月連続で100億円以上が発生
  • 業種別件数:老人福祉・介護事業、繊維工業、プラスチック製品製造業などが増加
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比が90.7%、300人以上は11カ月連続でゼロ
  • 中小企業倒産件数(中小企業基本法に基づく)は510件で、4カ月連続で100.0%

産業別 10産業のうち5産業で前年同月を下回る

 2021年11月の産業別のうち、5産業が減少、4産業が増加、同数が1産業だった。
最多はサービス業他の157件(前年同月比26.2%減)で、6カ月連続で減少した。10月に緊急事態宣言などが解除され、事業が本格的に再開した飲食業は39件(同37.0%減)と、前年同月を下回った。
そのほか、製造業64件(同11.1%減)は、2020年5月以降、19カ月連続で前年同月を下回った。また、小売業65件(同5.7%減)、情報通信業17件(同5.5%減)は6カ月連続、建設業88件(同8.3%減)は2カ月連続で、それぞれ減少した。
一方、卸売業72件(同7.4%増)、不動産業18件(同12.5%増)は6カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。また、金融・保険業2件(前年同月1件)、運輸業21件(前年同月比90.9%増)は2カ月ぶりに、それぞれ増加した。
農・林・漁・鉱業は前年同月と同件数の6件だった。

2021年11月の産業別倒産

地区別 倒産件数増加は北海道、東北、北陸の3地区

 2021年11月の地区別件数は、3地区で増加した。東北26件(前年同月比13.0%増)は2020年11月以来、12カ月ぶりに増加。また、北陸12件(同9.0%増)は5カ月ぶり、北海道15件(同25.0%増)は2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
一方、減少は5地区。中国16件(同27.2%減)は、15カ月連続で前年同月を下回った。また、関東176件(同11.1%減)、近畿146件(同13.0%減)は6カ月連続、中部75件(同8.5%減)は2カ月連続、九州38件(同19.1%減)は2カ月ぶりに、それぞれ減少した。
四国は前年同月と同件数の6件だった。

2021年11月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. D-LIGHT(株)/東京都/蓄電池取引ほか/213億円/破産
  2. (株)ベルベ/神奈川県/パン製造・小売/52億円/取引停止処分
  3. 高松グランドカントリー(株)/香川県/ゴルフ場経営/46億8,000万円/民事再生法
  4. 関ケ原カントリークラブ/岐阜県/ゴルフ場経営/40億円/民事再生法
  5. ヘルスケアアシュアランスジャパン(株)/東京都/グループ会社管理/26億5,600万円/破産

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSR速報 ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ