全国企業倒産状況

2021年6月の全国企業倒産541件

2021年6月の倒産

6月の倒産件数では50年間で2番目の少なさ、新型コロナ関連倒産は135件発生

 2021年6月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が541件(前年同月比30.6%減)、負債総額が685億6,600万円(同46.7%減)だった。
件数は、前年同月を2カ月ぶりに下回った。前年5月が新型コロナウイルス感染拡大による裁判所の一部業務縮小などで50年ぶりの低水準にとどまり、そのずれ込みで前年同月が780件に急増。その反動で大幅に減少した。また、コロナ関連の支援効果が続いており、6月度では1972年以降の50年間で、1990年(516件)に次ぐ2番目の低水準にとどまる。
負債総額は、2カ月ぶりに前年同月を下回り、6月度では50年間で1973年(574億2,200万円)に次いで3番目の低水準。負債50億円以上がゼロ(前年同月3件)だったほか、同10億円以上50億円未満が11件(同15件)、同5億円以上10億円未満が19件(同21件)、1億円以上5億円未満が113件(同139件)と、いずれも減少した。ただ、同1億円未満は398件(構成比73.5%)で構成比が7割台を持続し、小・零細規模を主体とした推移に変わりはない。
6月の「新型コロナウイルス」関連倒産は135件(前年同月97件)で、2021年1月から100件超で推移している。2020年2月からの累計は1,560件に達した。

企業倒産月次推移


  • 「人手不足」関連倒産のうち、「後継者難」が38件(前年同月27件)
  • 形態別件数:破産が482件。法的倒産の構成比、13カ月連続で90%台
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが11県、減少29都道府県、同数7県
  • 負債別件数:負債1億円未満の構成比が73.5%、100億円以上が4カ月ぶりに発生せず
  • 業種別件数:飲食料品卸売業、道路貨物運送業などで増加
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比が90.7%、300人以上は6カ月連続でゼロ
  • 中小企業倒産件数(中小企業基本法に基づく)は541件で、3カ月連続で100.0%

産業別 2020年11月以来、7カ月ぶりに全10産業で前年同月を下回る

 2021年6月の産業別件数は、2020年11月以来、7カ月ぶりに、全10産業で前年同月を下回った。
最多はサービス業他の165件(前年同月比40.6%減)で、2カ月ぶりに減少した。コロナ禍の影響が懸念される飲食業(98→60件)や宿泊業(16→3件)などで、大幅に前年同月を下回った。また、小売業は66件(前年同月比31.9%減)で、2カ月ぶりに減少した。
そのほか、製造業は62件(同23.4%減)で、14カ月連続で前年同月を下回った。農・林・漁・鉱業5件(同68.7%減)が6カ月連続、建設業100件(同8.2%減)と卸売業82件(同19.6%減)、金融・保険業1件(同87.5%減)、運輸業21件(同4.5%減)、情報通信業21件(同30.0%減)が2カ月ぶり、不動産業18件(同51.3%減)が5カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。
ただ、建設業、卸売業、運輸業、情報通信業の4産業は、今年最多となった。

2021年6月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち北陸を除く8地区で前年同月を下回る

 2021年6月の地区別件数は、9地区のうち、北陸を除く8地区が前年同月を下回った。
唯一、増加した北陸は23件(前年同月比4.5%増)で、2カ月連続で前年同月を上回った。
一方、四国14件(同22.2%減)は、2020年5月以降、14カ月連続で前年同月を下回った。また、中国24件(同29.4%減)は10カ月連続、東北25件(同32.4%減)は7カ月連続、北海道12件(同42.8%減)は3カ月連続で、それぞれ減少した。関東214件(同11.2%減)と中部55件(同44.4%減)、近畿133件(同46.3%減)、九州41件(同31.6%減)は2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。

2021年6月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. 九州電通(株)/長崎県/水晶デバイス製品製造/34億円/民事再生法
  2. 薮塚木材工業(株)/群馬県/遊技機器木枠・裏箱加工販売/23億8,000万円/破産
  3. TK興業(株)/東京都/合成樹脂製品の混錬、着色加工/20億円/特別清算
  4. (株)昭和/奈良県/チタン製品製造/20億円/取引停止処分
  5. (株)ガゼール/岐阜県/カジュアルウェア販売/19億3,000万円/民事再生法

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSR速報 ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「退職代行」からの連絡、企業の3割取り合わず 有給や退職日の交渉などの通知を3割が経験

ことし2月、大手退職代行サービスの代表らが弁護士法違反の疑いで逮捕された。4月に入り、退職代行の話題も出始めたが、弁護士や労働組合以外の「退職代行」業者から連絡があっても、3割(30.4%)の企業が非弁行為が含まれる可能性があり、取り合わないことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

「マッサージ業」の倒産が過去30年で最多の108件 大手チェーン、リラクゼーション店と競合激化

店舗乱立による過当競争や光熱費、人件費の上昇で「マッサージ業(療術業)」の倒産が増勢をたどっている。 2025年度に倒産した「マッサージ業」は、1996年度以降の30年間で最多だった2019年度の98件を抜き、過去最多の108件(前年度比14.8%増)に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の「医療機関」倒産 20年で最多の71件 クリニック・歯科医院の淘汰が加速、「破産」が97%超

2025年度に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院を合計した「医療機関」は、71件(前年度比20.3%増)だった。2006年度以降の20年間では、2024年度の59件を大幅に上回り、最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

「士業」の倒産、2年連続最多

「士業」の倒産が目立ってきた。給付金の不正受給の指南や、顧客から預かった資金の流用など、近年はコンプライアンス違反が原因で倒産するケースも目立つ。

5

  • TSRデータインサイト

食品メーカー 売上高は値上げで24兆円に 利益は物価高に値上げが追い付かず二極化

肉・魚加工や菓子類などの「食品メーカー」4,994社の2025年の業績は、売上高24兆2,824億円(前年比3.4%増)、利益は8,806億円(同9.5%減)だった。コロナ禍以降の5年間で売上高は最高を記録した。ただ、利益はコスト上昇で減益の構図が鮮明となった。

TOPへ