全国企業倒産状況

2020年11月の全国企業倒産569件

2020年11月の倒産

件数は50年間で2番目の低水準、「新型コロナ」関連倒産は89件

 2020年11月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が569件(前年同月比21.7%減)、負債総額は1,021億100万円(同16.6%減)だった。
件数は、新型コロナ感染拡大に伴う政府・自治体、金融機関の資金繰り支援策が奏功し、7月から5カ月連続で前年同月を下回った。5カ月連続の減少は2016年3-7月以来、4年4カ月ぶり。11月度では1971年以降の50年間で、1989年(514件)に次ぐ2番目の低水準となった。
負債総額は、4カ月連続で前年同月を下回った。11月度では1971年以降で1989年(813億1,400万円)に次ぐ、5番目の低水準となった。
負債10億円以上50億円未満が18件(前年同月15件)と増加したが、同50億円以上100億円未満はゼロ(同1件)、同100億円以上は1件(同2件)と、前年同月を下回った。また、同1億円未満は436件(構成比76.6%、前年同月539件)で、小規模倒産を主体とした推移に大きな変化はなく、件数の減少が負債を引き下げた格好となった。
「新型コロナウイルス」関連倒産は、11月は89件(2月以降、累計697件)だった。

企業倒産月次推移


  • 「人手不足」関連倒産のうち、「後継者難」が39件(前年同月30件)
  • 形態別件数:破産が495件。法的倒産の構成比97.8%で過去3番目の高さ
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが6県、減少32都道府県、同数9県
  • 負債別件数:負債1億円未満の構成比が76.6%、3カ月連続で前年同月を下回る
  • 業種別件数:コロナ禍で影響の大きい飲食業、宿泊業、アパレル関連は減少
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比が92.0%、2カ月ぶりに9割を超える
  • 中小企業倒産件数(中小企業基本法に基づく)は569件で、3カ月連続で100.0%

産業別 最多はサービス業他、全10産業で前年同月を下回る

 2020年11月の産業別は、全10産業で件数が前年同月を下回った。全10産業で前年同月を下回るのは2005年4月以来、15年7カ月ぶり。
新型コロナウイルス感染拡大でインバウンドの消失、外出自粛などで大きな影響を受けた飲食業、宿泊業を含むサービス業他が213件(前年同月比8.5%減)が最も多かったが、3カ月連続で前年同月を下回った。
また、“巣ごもり需要”の恩恵を受けた飲食料品小売業を含む小売業が69件(同25.0%減)で、7カ月連続で減少した。このほか、建設業96件(同32.3%減)が8カ月連続、製造業72件(同4.0%減)が7カ月連続、卸売業67件(同30.9%減)が3カ月連続、農・林・漁・鉱業6件(同40.0%減)と金融・保険業1件(同50.0%減)、不動産業16件(同27.2%減)、情報通信業18件(同53.8%減)が2カ月連続、運輸業が11件(同26.6%減)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。

2020年11月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち、東北を除く8地区で前年同月を下回る

 2020年11月の地区別件数は、9地区のうち、東北を除く8地区で前年同月を下回った。
四国6件(前年同月比71.4%減)は、7カ月連続で前年同月を下回った。このほか、九州47件(同18.9%減)が5カ月連続、関東198件(同26.3%減)が4カ月連続、中部82件(同10.8%減)と近畿168件(同19.2%減)、中国22件(同24.1%減)が3カ月連続で、それぞれ減少した。また、北海道12件(同14.2%減)が3カ月ぶり、北陸11件(同21.4%減)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。
一方、東北23件(同4.5%増)は、5カ月ぶりに前年同月を上回った。

2020年11月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. エアアジア・ジャパン(株)/愛知県/航空運送事業ほか/217億円/破産
  2. リデア(株)/東京都/紳士服販売ほか/46億円/民事再生法
  3. (株)24PICKS/東京都/販売代行業/45億2,600万円/破産
  4. (株)KTPフーズ/京都府/豆腐等製造/40億円/特別清算
  5. (株)美岳カントリークラブ/岐阜県/ゴルフ場経営/30億9,400万円/民事再生法

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハウスメーカーの倒産、26年上半期9割増の衝撃 ~ 踏み切れない抜本再生、施主の権利保護も重要 ~

コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。

2

  • TSRデータインサイト

倒産と無縁の税理士業界に異変、2026年上半期は4件発生 粉飾は詐欺罪も、コンプラ違反と健康問題がリスクに

過去、税理士事務所の倒産は半年で、概ね1~2件にとどまっていた。景気状況に相関せず、倒産と無縁の税理士業界だったが、2026年上半期(1-6月)はすでに4件発生した。

3

  • TSRデータインサイト

エブリライブの元従業員、「突然の解雇」に困惑

6月初旬から連絡が取りにくくなっているライブ配信のエブリライブ(株)(東京都港区)が、同時期に大半の従業員を解雇していたことがわかった。  解雇を通知の際、エブリライブ側は従業員に「破産予定のため」と説明したという。解雇された元従業員が東京商工リサーチの取材に応じた。

4

  • TSRデータインサイト

2026年上半期「医療機関」倒産 増勢続く 上半期で2番目の38件、「後継者難」は最多

医療機関の倒産が止まらない。2026年上半期(1-6月)に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は、38件(前年同期比15.1%増)と大幅に増加した。上半期では、2006年以降の20年間で、2024年と2025年の33件を上回り、2009年の39件に次ぐ2番目の高水準となった。

5

  • TSRデータインサイト

愛媛県のいよぎんHDと愛媛銀が経営統合へ  メインバンク取引社数 金融Gでは国内21位に

愛媛県内にある企業のメインバンクシェア57.5%(県内メインバンク取引社数1万966社)の伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングスと、県内2位で18.5%(同3,542社)の愛媛銀行が、7月24日開催の取締役会で経営統合を付議することを発表した。

TOPへ