全国企業倒産状況

2020年3月の全国企業倒産740件

2020年3月の倒産

倒産件数が740件 7カ月連続で増加、「新型コロナウイルス」関連倒産が12件発生

 2020年3月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が740件(前年同月比11.7%増)、負債総額が1,059億4,900万円(同9.0%増)だった。
件数は、2019年9月から7カ月連続で前年同月を上回った。また、増加率は2019年12月から4カ月連続で10%超が続いている。3月としては2018年以来、2年ぶりに前年同月を上回り、件数も700件台にのせた。ただ、バブル末期の1991年以降の30年間では、2019年(662件)に次いで、2番目に低い水準。
負債総額は、2019年12月以来、3カ月ぶりに前年同月を上回った。負債100億円以上の大型倒産は2カ月連続でなかったが(前年同月ゼロ)、同10億円以上50億円未満が16件(同13件)、同50億円以上100億円未満2件(同1件)と増加し、負債を押し上げた。
ただ、同1億円未満が545件(同481件)と全体の73.6%を占め、依然として小規模倒産を中心にした状況で、3月としては過去30年間で件数と同じ2番目の低水準にとどまった。

企業倒産月次推移


  • 「新型コロナウイルス」関連倒産が12件発生
  • 「人手不足」関連倒産50件(前年同月38件)。うち、「後継者難」が38件(同27件)
  • 形態別件数:破産が638件、構成比は86.2%
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが24都府県、減少20道府県、同数3県
  • 負債別件数:負債1億円未満の構成比が73.6%。100億円以上の倒産は2カ月連続で発生なし
  • 業種別件数:機械器具、医療,福祉事業、飲食料品関連の業種で倒産が目立つ
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比86.7%。300人以上は9カ月ぶりに発生
  • 中小企業倒産件数(中小企業基本法に基づく)は740件で、2カ月連続で構成比100.0%

産業別 最多はサービス業他、10産業のうち8産業で前年同月を上回る

 2020年3月の産業別件数は、10産業のうち、8産業で前年同月を上回った。
農・林・漁・鉱業9件(前年同月比28.5%増)が7カ月連続、建設業142件(同22.4%増)と卸売業110件(同8.9%増)が5カ月連続、製造業92件(同12.1%増)が4カ月連続、金融・保険業4件(前年同月1件)が2カ月連続、不動産業21件(前年同月比10.5%増)が2カ月ぶり、情報通信業40件(同48.1%増)が3カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。また、新型コロナウイルスの影響が懸念されている宿泊業や飲食業が含まれるサービス業他が219件(同19.0%増)で、3カ月連続で増加した。
一方、人手不足などが顕在化している運輸業は11件(同59.2%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。
2019年10月の消費増税や新型コロナウイルスの影響などが注目されている小売業は92件(同6.1%減)で、4カ月ぶりに前年同月を下回った。

2020年3月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち6地区で前年同月を上回る

 2020年3月の地区別件数は、9地区のうち、北海道、四国、九州を除く、6地区で前年同月を上回った。
近畿170件(前年同月比3.6%増)が9カ月連続で前年同月を上回った。中国31件(同29.1%増)が7カ月連続、関東291件(同19.2%増)、北陸18件(同100.0%増)がそれぞれ4カ月連続、東北41件(同20.5%増)、中部89件(同21.9%増)が2カ月ぶりに、それぞれ増加した。一方、北海道16件(同38.4%減)が3カ月ぶり、九州62件(同6.0%減)が5カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。四国は前年同月と同件数の22件だった。

2020年3月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)Crowd Lease/東京都/ソーシャルレンディング/56億500万円/破産
  2. (株)真秀コールド・フーズ/奈良県/冷凍米飯製造、冷凍倉庫業/50億円/民事再生法
  3. (株)シティーヒル/大阪府/婦人服企画販売/49億9,600万円/民事再生法
  4. (株)Crowd Fund/東京都/ソーシャルレンディング/30億円/破産
  5. (株)Crowd Capital/東京都/ソーシャルレンディング/30億円/破産

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ