全国企業倒産状況

2019年7月の全国企業倒産802件

2019年7月の倒産

倒産件数が802件 2017年5月以来、2年2カ月ぶりに800件台に急増

 2019年7月度の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は、件数が今年最多の802件(前年同月比14.2%増)、負債総額は934億円(同17.1%減)だった。
倒産件数は、2017年10月以来、1年9カ月(21カ月)ぶりに2カ月連続で前年同月を上回った。件数が800件を超えたのは2017年5月(802件)以来、2年2カ月(26カ月)ぶり。7月度としては2014年(882件)以来の800件台となったが、1990年以降の30年間では2015年(787件)に次いで、6番目の低水準。
負債総額は、2カ月連続で前年同月を下回った。7月度で負債が1000億円を下回ったのは、1990年(872億2000万円)以来、29年ぶり。負債100億円以上の大型倒産はゼロ(前年同月ゼロ)、同10億円以上50億円未満12件(同15件)、同5億円以上10億円未満18件(同21件)と、いずれも前年同月を下回った。一方で、同1億円未満は625件(構成比77.9%、前年同月524件)と前年同月比19.2%増と、小口倒産へのシフトを強めた。

企業倒産月次推移


  • 「人手不足」関連倒産36件(前年同月42件)。このうち、「従業員退職」型が5件
  • 形態別:破産が694件で、構成比は86.5%
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが31都府県、減少12道県、同数4県
  • 負債別:負債1億円未満の構成比が77.9%、100億円以上の大型倒産が2カ月連続で発生なし
  • 従業員数別:5人未満の構成比が77.0%。10人未満の構成比は3カ月連続で前年同月を下回る
  • 業種別:飲食業(64→73件)、飲食料品小売業(29→38件)、飲食料品卸売業(20→23件)、広告関連業(6→13件)、老人福祉・介護事業(10→12件)などで増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が、5カ月連続で構成比100%

産業別 最多はサービス業他、10産業のうち9産業で前年同月を上回る

 2019年7月の産業別倒産件数は、10産業のうち、9産業で前年同月を上回った。
燃料費の高止まりや、人手不足が懸念される運輸業は18件(前年同月比12.5%増)で、5カ月連続で増加。建設業が143件(同8.3%増)で、2カ月連続で前年同月を上回り、2018年3月以来の140件超え。また、小売業が131件(同18.0%増)、卸売業が106件(同7.0%増)、情報通信業が34件(同13.3%増)、農・林・漁・鉱業が10件(同11.1%増)、金融・保険業が3件(同200.0%増)で、2カ月連続で増加した。不動産が29件(同70.5%増)で、3カ月ぶりに前年同月を上回った。
件数が最多のサービス業他は242件(同21.6%増)で、2カ月ぶりに増加し、2018年11月以来、8カ月ぶりに240件台に乗せた。飲食業(64→73件)や医療,福祉事業(22→29件)、教育,学習支援業(7→12件)での増加が目立った。
一方で、製造業が86件(前年同月比2.2%減)で、2カ月ぶりに前年同月を下回った。

2019年7月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち北海道を除く8地区で前年同月を上回る

 2019年7月の地区別件数は、9地区のうち、北海道を除く8地区で前年同月を上回った。
増加が減少を上回るのは3カ月連続で、8地区の増加は今年最多。
四国は16件(前年同月比6.6%増)で、5カ月連続の増加。北陸23件(同21.0%増)は4カ月連続、東北49件(同63.3%増)、中国33件(同13.7%増)、九州69件(同15.0%増)は3カ月連続、関東300件(同12.3%増)は2カ月連続、中部115件(同21.0%増)は9カ月ぶり、近畿182件(同7.6%増)は6カ月ぶりに前年同月を下回った。
増加率が最も高かった東北は卸売業、小売業、サービス業他など、6産業で増加した。

2019年7月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)YTフーズ/千葉県/業務用食品卸/70億円/破産
  2. (株)エーエヌディー/福岡県/医療機器・医薬品・医療システム開発販売/45億2,100万円/民事再生法
  3. (株)小樽管財/北海道/CDショップ運営ほか/30億600万円/特別清算
  4. (医)博悠会/大阪府/病院経営ほか/30億100万円/民事再生法
  5. (株)千代田信用/青森県/貸金業/25億円/破産

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSR速報 ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

政策金利引き上げ 「1年は現状維持」が59.6% すでに「上昇」が52.0%、借入金利は上昇局面に

企業の59.6%が、これ以上の政策金利の引き上げに「待った!」を希望していることがわかった。今後の望ましい政策金利の引き上げ時期は、「向こう1年は現状維持」が59.6%で最多だった。「引き下げ」も23.6%あり、企業経営の観点では利上げを望む声は少数(16.6%)にとどまった。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の12.2%が事業資金を個人名義で調達 保証債務に上乗せ負担、債務整理や廃業を複雑に

事業資金を代表者名義で調達したことのある中小企業は12.2%に達することがわかった。政府や金融界は「経営者保証ガイドライン」(適用開始2014年2月)や「事業再生ガイドライン」(同2022年4月)などを通じ、企業が抱える債務を整理する際に個人保証が足かせにならないよう取り組んでいる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年7-9月の客室単価 1万6,975円 稼働率80%超え 人手不足の解消が課題

ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年7-9月期の平均客室単価は、1万6,975円(前年同期比8.9%増)で前年同期を上回った。7-9月期で、13ブランドの平均が前年を上回るのは3年連続。平均稼働率は83.9%で前年同期を2.9ポイント上回り、 稼働率も3年連続で上昇している。

5

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

TOPへ