全国企業倒産状況

2019年5月の全国企業倒産695件

2019年5月の倒産

倒産件数が695件 4カ月連続の減少も今年最多

 2019年5月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が695件(前年同月比9.3%減)、負債総額は1,074億6,500万円(同2.9%増)だった。
倒産件数は、4カ月連続で前年同月より減少した。5月度としては2年連続で前年を下回り、1990年以降の30年間では2016年(671件)に次いで、3番目の低水準にとどまった。
一方、負債総額は、前年同月比30億6,600万円増で2カ月連続で前年同月を上回った。5月度としては2012年(2,825億5,800万円)以来、7年ぶりに前年を上回った。これは負債100億円以上の大型倒産が前年同月と同数の1件だったが、同50億円以上同100億円未満が3件(前年同月1件)発生し、押し上げた。ただ、同1億円未満は506件(構成比72.8%)と全体の7割を小・零細規模が占める状況に変化はない。

企業倒産月次推移


  • 「人手不足」関連倒産31件(前年同月38件)、このうち「求人難」型が11件発生
  • 形態別:破産が610件で、構成比は87.7%
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが17府県、減少25都道府県、同数5県
  • 負債別:負債1億円未満の構成比が72.8%、100億円以上の大型倒産が2カ月連続で発生
  • 従業員数別:5人未満の構成比が72.9%。10人未満の構成比は今年最低
  • 業種別:飲食業(47→76件)、道路貨物運送業(13→18件)、老人福祉・介護事業(5→10件)、米穀販売(2→4件)などで増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が、3カ月連続で構成比100%

産業別 最多はサービス業他、10産業のうち、8産業で前年同月を下回る

 2019年5月の産業別倒産は、10産業のうち、8産業で前年同月を下回った。
こうしたなか、飲食業(47→76件)などを含むサービス業他が224件(前年同月比4.1%増)で、2カ月連続で前年同月を上回った。また、燃料費の高止まり続くなか、人手不足も懸念される運輸業が24件(同14.2%増)で3カ月連続で前年同月を上回った。
一方、前年同月を下回ったのは、卸売業が104件(同12.6%減)で7カ月連続、金融・保険業が2件(同60.0%減)で6カ月連続、情報通信業が32件(同13.5%減)で3カ月連続、小売業が98件(同15.5%減)で2カ月連続でそれぞれ減少した。このほか、建設業が110件(同13.3%減)、製造業が79件(同17.7%減)、不動産業が18件(同25.0%減)、農・林・漁・鉱業が4件(同42.8%減)で2カ月ぶりに前年同期を下回った。ただし、卸売業は繊維・衣服等卸売業(16→23件)、小売業は飲食料品小売業(25→29件)で増加した。

2019年5月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち5地区で前年同月を上回る

 2019年5月の地区別件数は、9地区のうち、5地区で前年同月を上回った。
四国は13件(前年同月比18.1%増)で、3カ月連続の増加。北陸25件(同56.2%増)は2カ月連続、中国35件(同6.0%増)は7カ月ぶり、東北43件(同10.2%増)と九州59件(同7.2%増)は、ともに2カ月ぶりに前年同月を上回った。
四国は小売業(1→3件)など4産業で増加、2産業で減少、4産業が同数。北陸は飲食業を含むサービス業他(4→9件)、中国はサービス業他(7→12件)、東北は飲食料品小売業などの小売業(5→11件)、九州はサービス業他(14→19件)が増加した。
一方、減少は中部が80件(前年同月比23.0%減)で5カ月連続、近畿181件(同9.9%減)は4カ月連続で減少。北海道23件(前年同月比14.8%減)は2カ月ぶり、関東236件(同16.0%減)は2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。

2019年5月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. おおぞら管理(株)/福井県/液晶テレビ・電子回路ほか製造販売/100億2,900万円/特別清算
  2. (株)サンヒット/埼玉県/クラフト用品・裁縫用品企画販売/82億4,300万円/民事再生法
  3. (株)リファクトリィ/東京都/衣料品小売ほか/60億1,300万円/民事再生法
  4. (株)JMC/山口県/産業廃棄物中間処理業/50億円/特別清算
  5. (株)パシフイック・コースト・インダストリー/神奈川県/太陽光発電設備販売施工ほか/31億7,300万円/破産

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ