全国企業倒産状況

2018年6月の全国企業倒産690件

Xアイコン
facebookアイコン

2018年6月の倒産

倒産件数690件 6月としては28年ぶりの700件割れ、上場企業倒産が9カ月ぶりに発生

 2018年(平成30年)6月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は件数が690件、負債総額は2,195億2,700万円だった。
倒産件数は、前年同月比2.2%減(16件減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。依然として低水準な推移が続き、6月としては1990年(516件)以来の700件割れになった。ただし、地区別では9地区のうち、前年同月比増加が4地区(中部・北陸・四国・九州)、減少が5地区(北海道・東北・関東・近畿・中国)になり、地域によって「まだら模様」をみせた。
また、東証1部上場で海洋掘削事業の日本海洋掘削(株)(東京・負債904億7,300万円)が会社更生法を申請し、2017年9月の東証2部・名証2部上場の(株)郷鉄工所(岐阜・負債55億2,000万円)以来、9カ月ぶりに上場企業倒産が発生した。
負債総額は、前年同月比86.1%減(1兆3,688億1,200万円減)で6カ月連続で前年同月を下回った。この大幅減は、前年同月は製造業では戦後最大のタカタ(株)(負債1兆5,024億円・民事再生法)の大型倒産があったため、その反動が大きくなった。

企業倒産月次推移


  • 上場企業倒産:東証1部上場の日本海洋掘削(会社更生法)が、9カ月ぶりに発生
  • 「人手不足」関連倒産、今年2番目の36件。
  • 負債別:負債10億円以上の大型倒産が倍増の22件、6カ月ぶりの増加
  • 形態別:法的倒産の構成比が過去2番目に高率の94.4%を占める
  • 従業員数別:5人未満の構成比が75.6%、2カ月連続の75%超え
  • 原因別件数:「事業上の失敗」が3割増
  • 業種別:飲食業(64→78件)、広告関連業(10→12件)などで倒産増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が690件、6カ月連続ですべて(構成比100%)を占める

産業別 サービス業他と運輸業で前年同月を上回る

 2018年6月の産業別倒産件数は、10産業のうち、8産業で前年同月を下回った。
こうしたなか、サービス業他が229件(前年同月比3.6%増)で、3カ月ぶりに増加に転じた。主な内訳では、中華・日本料理店や焼肉店などを含む専門料理店(14→21件)、美容室などの美容業(7→11件)で件数を押し上げた。また、運輸業が21件(前年同月比16.6%増)で2カ月連続で前年同月を上回った。
この一方で、建設業は118件(同1.6%減)と不動産業22件(同12.0%減)が、ともに3カ月連続で前年同月を下回った。さらに、製造業87件(同5.4%減)と情報通信業27件(同12.9%減)および農・林・漁・鉱業3件(同25.0%減)が、それぞれ2カ月連続で前年同月を下回った。また、卸売業94件(同8.7%減)と小売業87件(同1.1%減)および金融・保険業2件(前年同月4件)がそれぞれ2カ月ぶりに減少した。

2018年6月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち4地区で前年同月を上回る

 2018年6月の地区別件数は、9地区のうち、4地区で前年同月を上回った。
このうち、中部108件(前年同月比0.9%増)と北陸15件(同15.3%増)が2カ月連続で増加した。また、四国14件(同27.2%増)と九州53件(同29.2%増)が2カ月ぶりに増加に転じた。産業別では、中部が製造業(15→18件)や卸売業(15→18件)で件数を押し上げ、北陸は飲食業を含むサービス業他(4→8件)、増加率が高かった九州は卸売業(5→9件)や小売業(3→6件)などで増加が目立った。
一方、5地区で前年同月を下回り、関東は249件(前年同月比3.4%減)で9カ月連続で減少した。北海道19件(同17.3%減)が5カ月連続、近畿は181件(同3.7%減)で2カ月連続で前年同月を下回った。また、東北は31件(同3.1%減)で5カ月ぶり、中国20件(同39.3%減)が4カ月ぶりに減少した。

2018年6月の都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. 日本海洋掘削(株)/東京都/海洋掘削事業/904億7,300万円/会社更生法
  2. Japan Drilling(Netherlands)B.V./東京都/海洋掘削リグ賃貸ほか/321億500万円/会社更生法
  3. CGC管理(株)/愛知県/ゴルフ場経営/145億8,200万円/特別清算
  4. エヌデイーシー(株)/滋賀県/ゴルフ場経営/67億円/民事再生法
  5. (株)サンメンテナンス/大阪府/ビルメンテナンス業/35億5,000万円/民事再生法
Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ