全国企業倒産状況

2016年12月の全国企業倒産710件

2016年12月の倒産

倒産件数が710件 4カ月ぶりに前年同月を上回る

 2016年(平成28年)12月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が710件、負債総額は1,716億6,600万円だった。
倒産件数は、前年同月比1.5%増(11件増)。2016年8月以来の700件台で、4カ月ぶりに前年同月を上回った。
産業別件数では10産業のうち6産業で前年同月より増加した。このうち、飲食業などを含むサービス業他が197件(前年同月比9.4%増)になり、5カ月連続で前年同月を上回った。また、これまで減少が目立った建設業が144件(同11.6%増)と4カ月ぶりに増加に転じ、倒産減少傾向の「底打ち」も窺われることから今後の推移が注目される。
一方、負債総額は、前年同月比55.4%減(2,136億8,700万円減)と大幅に減少した。これは、負債10億円以上の大型倒産が21件(前年同月64件)と前年同月より3分の1に減ったことが影響した。前年同月には船舶運航管理会社グループ39社が同時に会社更生手続きの開始決定を受け、大型倒産が急増した特殊要因の反動による。
全体としては、負債1億円未満が501件(構成比70.5%)と7割を占め、依然として小規模倒産が過半であることに変化がない。業種別では、宿泊業(8→12件)、老人福祉・介護事業(10→11件)などで増加をみせた。

企業倒産月次推移


  • 負債額別:1億円未満が前年同月比7.0%増
  • 原因別:「販売不振」が4カ月ぶりに前年同月を上回る
  • 従業員数別:5人未満の構成比が70.8%、9カ月連続で70%を上回る
  • 法的倒産の構成比が88.7%、4カ月ぶりの90%割れ
  • 「チャイナリスク」関連倒産が7件(前年同月10件)、2カ月ぶりの減少
  • 「熊本地震」関連倒産が1件発生、累計10件
  • 業種別:宿泊業(8→12件)、老人福祉・介護事業(10→11件)、飲食業(52→53件)などで増加
  • 中小企業(中小企業基本法に基づく)の倒産件数が、4カ月ぶりに前年同月を上回る

産業別 10産業のうち6産業で倒産増加

 2016年12月の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を上回った。
このうち、飲食業や老人福祉・介護事業などを含むサービス業他が197件(前年同月比9.4%増)で5カ月連続で前年同月を上回り、卸売業104件(同5.0%増)が2カ月連続で前年同月を上回った。また、倒産の減少が目立った建設業は144件(同11.6%増)で4カ月ぶりに増加に転じたのが注目される。このほか、不動産業が24件(同9.0%増)で2カ月ぶり、製造業99件(同19.2%増)で3カ月ぶり、小売業97件(同12.7%増)は4カ月ぶりに前年同月を上回った。これに対し、金融・保険業が発生なし(前年同月6件)で2カ月連続で前年同月を下回った。件数は少ないが農・林・漁・鉱業が2件(同66.6%減)で4カ月ぶり、情報通信業は28件(同3.4%減)で3カ月ぶりの減少。運輸業は15件(同74.5%減)で2カ月ぶりに前年同月を下回った。

2016年12月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 東北の倒産件数が6カ月連続で前年同月を上回る

 2016年12月の地区別件数は、9地区のうち6地区で前年同月を下回った。
増加地区の内訳は、東北が26件(前年同月比23.8%増)で6カ月連続で前年同月を上回った。また、中部108件(同68.7%増)は2カ月連続で増加した。近畿は178件(同6.5%増)で3カ月ぶりに前年同月を上回った。産業別では、東北が建設業(4→6件)や卸売業(ゼロ→4件)などで増加をみせた。また、中部は建設業(9→29件)と製造業(7→21件)の増加が目立った。
一方、北陸18件(前年同月比10.0%減)と四国9件(同30.7%減)が、ともに3カ月連続で前年同月を下回った。九州は35件(同28.5%減)で2カ月連続で減少した。さらに、北海道20件(同9.0%減)は4カ月ぶり、関東288件(同8.2%減)と中国28件(同3.4%減)で2カ月ぶりに減少した。

2016年12月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. アイエス(株)/広島県/宅地造成開発/465億9,200万円/破産
  2. (株)アルフレックス/京都府/ガソリンスタンド経営/163億4,100万円/破産
  3. (株)TKK/大阪府/ガス設備工事ほか/39億9,000万円/特別清算
  4. (医)武蔵野総合病院/埼玉県/総合病院経営ほか/36億5,700万円/民事再生法
  5. (株)伊勢志摩商事/三重県/電子部品加工/35億円/特別清算

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ