全国企業倒産状況

2016年9月の全国企業倒産649件

Xアイコン
facebookアイコン

(2016年10月18日更新)

2016年9月の倒産

倒産件数が649件、件数・負債総額ともに今年最少

 2016年(平成28年)9月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が649件、負債総額は850億6,300万円だった。
倒産件数は、前年同月比3.4%減(23件減)で、2カ月ぶりに前年同月を下回った。今年最少で、9月としては1990年(531件)以来の低水準にとどまった。依然として金融機関が中小企業のリスケ要請に対応しているほか、財務内容に改善の兆しがみえる企業への貸出増も追い風になっているとみられる。
負債総額は、前年同月比68.5%減(1,858億3,500万円減)で3カ月ぶりに前年同月を下回った。今年最少規模になり、月次の負債総額が1,000億円を割り込んだのは2015年8月(978億9,600万円)以来1年1カ月ぶりの低水準。負債10億円以上の大型倒産が今年最少の12件(前年同月15件)にとどまったのに対し、1億円未満が480件(構成比73.9%)と全体の7割を占めて、依然として小規模な倒産が過半を占める状況に変化がない。

企業倒産月次推移


  • 形態別:法的倒産の構成比が過去最高の91.3%
  • 従業員数別:5人未満の構成比が75.3%、6カ月連続で70%を上回る
  • 原因別件数:赤字累積などの「既往のシワ寄せ」が2カ月連続で前年同月を上回る
  • 負債別:負債10億円以上の大型倒産が今年最少の12件
  • 産業別件数:10産業のうち6産業で前年同月を下回る。こうしたなか、サービス業他、製造業、不動産業で前年同月比増加
  • 「チャイナリスク」関連倒産が8件、4カ月連続の1桁台
  • 「熊本地震」関連倒産が2件発生、累計8件
  • 業種別:老人福祉・介護事業(2→15件)、飲食業(44→53件)などで増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が、2カ月連続ですべて(構成比100%)を占める

産業別 10産業のうち6産業で倒産減少

 2016年9月の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を下回った。
こうしたなか、飲食業や老人福祉・介護事業などを含むサービス業他は176件(前年同月比4.1%増)で、2カ月連続で前年同月を上回った。また、不動産業が25件(同13.6%増)で4カ月連続、製造業97件(同4.3%増)で2カ月連続で増加し、農・林・漁・鉱業が6件(同50.0%増)で2カ月ぶりに前年同月を上回った。
一方、小売業は97件(同3.0%減)で4カ月ぶりに前年同月を下回ったが、内訳では、中古自動車小売業(5→9件)や洋品雑貨・小間物小売業(2→6件)などで増加した。
このほか、情報通信業は26件(前年同月比3.7%減)で4カ月連続、運輸業が17件(同43.3%減)で2カ月連続、建設業122件(同8.9%減)と卸売業78件(同11.3%減)がともに2カ月ぶりに前年同月を下回った。金融・保険業は5件(前年同月6件)だった。

2016年9月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち3地区で前年同月上回る

 2016年9月の地区別件数は、9地区のうち3地区で前年同月を上回り、3地区で前年同月同数だった。増加は東北は28件(前年同月比40.0%増)で3カ月連続、近畿182件(同9.6%増)と北陸13件(同44.4%増)はともに2カ月連続で前年同月を上回った。
各地区の産業別では、東北が飲食業や老人福祉・介護事業などのサービス業他(1→9件)、近畿は製造業(17→25件)と建設業(26→31件)、北陸はサービス業他(2→6件)などで件数を押し上げた。
この一方、九州が46件(前年同月比19.2%減)で2カ月連続の減少、中部は85件(同15.0%減)で5カ月ぶりの減少、関東が229件(同10.1%減)で2カ月ぶりの減少だった。このほか、中国が前年同月同数の34件、北海道が前年同月同数の22件、四国が前年同月同数の10件だった。

2016年9月の都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. 伊豆ゴルフ開発(株)/東京都/ゴルフ場経営/100億円/特別清算
  2. 池島アーバンマイン(株)/長崎県/再生資源化事業/40億8,700万円/破産
  3. 昭和リース(株)/東京都/建設機械リースほか/28億円/破産
  4. (株)飯田/埼玉県/飲食店経営、内装工事ほか/15億7,600万円/破産
  5. ジャパントータルロブロス(株)/東京都/カフェ・レストラン経営/15億3,400万円/民事再生法
Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ