全国企業倒産状況

2015年2月の全国企業倒産692件

2015年2月の倒産

倒産件数が692件 2月度としては24年ぶりの700件割れ

 2015年(平成27年)2月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が692件、負債総額は1,511億8,000万円だった。
倒産件数は、前年同月比11.5%減(90件減)で5カ月連続で前年同月を下回った。2月度としては1991年(677件)以来、24年ぶりに700件を下回る低水準にとどまった。金融機関が中小企業のリスケ要請に応じていることや、景気対策として実施された公共事業の前倒し発注の影響、さらに中小企業向け貸出金の増加も経営を下支えした。
一方、負債総額は、同30.1%増(349億8,500万円増)で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。負債10億円以上の大型倒産が32件(前年同月比68.4%増)で、8カ月ぶりに30件台に増加した。ただし、2月度としては過去20年間で2番目に少ない金額にとどまり、負債1億円未満の構成比が71.3%(494件)と全体の7割を占め、依然として小規模企業の倒産が目立った。

企業倒産月次推移


  • 負債額別:負債10億円以上の大型倒産が32件、8カ月ぶりに30件を上回る
  • 形態別:特別清算が26件、前年同月比62.5%増で3カ月連続の増加
  • 原因別:「販売不振」の構成比69.6%、3カ月ぶりに70%を下回る
  • 第三セクター等の倒産が2件発生
  • 従業員数別:5人未満の構成比が68.3%、4カ月ぶりに70%を下回る
  • 「円安」関連倒産が10件発生(前年同月27件)
  • 金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産が7件、13カ月連続で前年同月を下回る
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が692件、4カ月ぶりにすべてを占める

産業別 10産業のうち6産業で前年同月を下回る

 2月の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を下回った。
こうしたなか、卸売業は118件(前年同月比10.2%増)で、5カ月ぶりに前年同月を上回った。業種別でみると、食料・飲料卸売(12→16件)、家具・建具・じゅう器等卸売(5→8件)などで増加が目立った。原材料の値上げなど仕入価格の上昇がみられるなか今後の推移が注目される。
一方、製造業は94件(前年同月比21.0%減)で19カ月連続で減少した。建設業は122件(同21.7%減)で8カ月連続の減少、飲食業や広告業などを含むサービス業他が164件(同14.1%減)で2カ月連続の減少。小売業は105件(同5.4%減)で2カ月ぶりの減少。運輸業が21件(同30.0%減)で3カ月ぶりに前年同月を下回った。このほか、前年同月同数が情報通信業33件と不動産業24件だった。

2015年2月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち6地区で件数が前年同月を下回る

 2月の地区別倒産件数は、9地区のうち6地区で前年同月を下回った。
こうしたなか、中国は42件(前年同月比5.0%増)で3カ月ぶりに前年同月を上回った。産業別では、飲食料品小売や医薬品小売を含む小売業(5→12件)で増加が目立った。
一方、北陸16件(前年同月比5.8%減)で6カ月連続で前年同月を下回り、中部82件(同19.6%減)・近畿172件(同15.6%減)・関東257件(同11.3%減)は、そろって5カ月連続で前年同月を下回った。また、東北は24件(同4.0%減)で3カ月連続で減少し、九州は61件(同7.5%減)で3カ月ぶりに減少した。このほか、北海道20件と四国18件は前年同月同数だった。ただし、各地区の産業別で、消費税の影響が懸念される小売業をみると、東北(5→10件)と近畿(27→31件)で増加した。また原材料高などの影響が注目される卸売業では、関東(40→55件)、九州(11→14件)で前年同月を上回った。

2015年2月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. 蒲郡海洋開発(株)/愛知県/マリーナ管理運営、分譲開発/200億円/特別清算
  2. (株)志正堂/東京都/文具・事務機器・オフィス家具販売/98億円/特別清算
  3. 東海開発(株)/東京都/ゴルフ場経営/87億2,400万円/民事再生法
  4. (株)ユタカ電機製作所/東京都/電源装置製造/42億6,700万円/民事再生法
  5. (株)チュウケイ本社/東京都/ゴルフ場経営/30億円/民事再生法

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ