全国企業倒産状況

2014年9月の全国企業倒産827件

2014年9月の倒産

倒産件数が827件 5カ月ぶりに前年同月を上回る

 2014年(平成26年)9月度の全国企業倒産は、件数(負債額1,000万円以上)が827件、負債総額は1,367億9,900万円だった。
倒産件数は、前年同月比0.8%増(7件増)で5カ月ぶりに前年同月を上回った。ただし、9月度としては、2013年(820件)に次いで2番目に少ない低水準だった。金融機関が中小企業のリスケ要請に応じていることに加え、公共事業の前倒し執行などで抑制されている。
負債総額は、同28.0%減(534億300万円減)で8カ月連続で前年同月を下回った。負債100億円以上の大型倒産が2カ月ぶりに発生なし(前年同月5件)だったのに対し、5千万円以下は前年同月比7.3%増(423→454件)と小規模企業倒産が目立った。

企業倒産月次推移


  • 負債額別:負債100億円以上が2カ月ぶりに発生なし
  • 上場企業倒産:13カ月連続で発生なし。過去4番目の長さ
  • 原因別:「販売不振」が5カ月ぶりに前年同月を上回る
  • 金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産が18件、8カ月連続で前年同月を下回る
  • 業種別:広告関連、飲食業などで倒産増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が826件(構成比99.8%)、5カ月ぶりに前年同月を上回る

産業別 不動産業、サービス業他、卸売業で件数増加

 9月の産業別倒産件数は、10産業のうち5産業で前年同月を下回った。
こうしたなか、不動産業は31件(前年同月比29.1%増)、4カ月連続で前年同月を上回り、消費税率引き上げ後の駆け込み需要の反動減の影響がうかがえる。飲食業や広告業などを含むサービス業他は209件(同16.7%増)で2カ月連続で増加し、卸売業は137件(同1.4%増)で5カ月ぶりに前年同月を上回った。
一方、建設業は162件(同5.8%減)で3カ月連続で減少した。公共投資の前倒しで土木工事は33件(同17.5%減)だったが、民需の木造工事14件(同75.0%増)、建築リフォーム工事8件(同60.0%増)は増加している。また、消費税率引き上げの影響が懸念される小売業も82件(同15.4%減)で5カ月連続で前年同月を下回ったが、業種別ではスポーツ用品小売(4→7件)、ガソリンスタンド(2→4件)で増加した。

2014年9月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 件数が9地区のうち5地区で前年同月を上回る

 9月の地区別倒産件数は、9地区のうち東北・関東・中部・近畿・四国の5地区で前年同月を上回った。東北は31件(前年同月比6.8%増)で3カ月連続で増加し、産業別では小売業(4→7件)や卸売業(1→4件)の流通関連で増加が目立った。四国は15件(同50.0%増)で2カ月連続して増加し、サービス業他(2→5件)で増えた。また、中部は110件(同13.4%増)で7カ月ぶり、関東が305件(同2.0%増)で5カ月ぶり、近畿が239件(同3.4%増)で3カ月ぶりに前年同月を上回った。産業別では、中部が小売業(8→17件)、関東はサービス業他(57→78件)、近畿は卸売業(33→48件)で増加がみられた。
一方、九州は54件(前年同月比25.0%減)で3カ月連続、中国は36件(同14.2%減)で2カ月連続で前年同月を下回った。北海道21件(同4.5%減)と北陸16件(同11.1%減)はともに2カ月ぶりに前年同月を下回った。

2014年9月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)キッチンファクトリー/愛媛県/レストラン、エステティックサロン経営/50億円/破産
  2. 加藤組土建(株)/北海道/土木・建築工事/41億2,100万円/破産
  3. 東中国開発(株)/岡山県/ゴルフ場経営/36億円/民事再生法
  4. 江越(株)/大阪府/家庭紙・洋紙ほか卸/32億3,800万円/破産
  5. (医)財団エム・アイ・ユー/香川県/総合病院経営/30億円/破産

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSR速報 ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

政策金利引き上げ 「1年は現状維持」が59.6% すでに「上昇」が52.0%、借入金利は上昇局面に

企業の59.6%が、これ以上の政策金利の引き上げに「待った!」を希望していることがわかった。今後の望ましい政策金利の引き上げ時期は、「向こう1年は現状維持」が59.6%で最多だった。「引き下げ」も23.6%あり、企業経営の観点では利上げを望む声は少数(16.6%)にとどまった。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の12.2%が事業資金を個人名義で調達 保証債務に上乗せ負担、債務整理や廃業を複雑に

事業資金を代表者名義で調達したことのある中小企業は12.2%に達することがわかった。政府や金融界は「経営者保証ガイドライン」(適用開始2014年2月)や「事業再生ガイドライン」(同2022年4月)などを通じ、企業が抱える債務を整理する際に個人保証が足かせにならないよう取り組んでいる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年7-9月の客室単価 1万6,975円 稼働率80%超え 人手不足の解消が課題

ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年7-9月期の平均客室単価は、1万6,975円(前年同期比8.9%増)で前年同期を上回った。7-9月期で、13ブランドの平均が前年を上回るのは3年連続。平均稼働率は83.9%で前年同期を2.9ポイント上回り、 稼働率も3年連続で上昇している。

5

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

TOPへ