全国企業倒産状況

2014年1月の全国企業倒産864件

2014年1月の倒産

倒産件数が1月としては1991年以来の低水準 15カ月連続で前年同月を下回る

 2014年(平成26年)1月度の全国企業倒産は、件数(負債額1,000万円以上)が864件、負債総額は3,151億4,900万円だった。
倒産件数は、前年同月比7.4%減(70件減)で、前年同月比の減少期間は、過去6番目の15カ月連続に延びた(過去最長は1985年1月-90年9月の69カ月連続減少、過去5番目は1977年12月-79年4月の17カ月連続減少)。また、1月度としてはバブル景気時の1991年(645件)以来23年ぶりに900件を下回った。企業倒産は、金融円滑化法の期限切れ後の中小企業金融モニタリング体制の効果に加えて、金融機関が中小企業のリスケ要請に応じているなどにより抑制された状況が続いている。
負債総額は前年同月比40.3%増(905億3,400万円増)で、4カ月ぶりに前年同月を上回った。これは、土地売買のエヌ・エス・アール(株)(東京・負債1,650億円・破産)の大型倒産が発生し、負債を押し上げたことによる。この1件だけで月次負債の過半数(構成比52.3%)を占めた。ただし、全体では負債1億円未満が7割(構成比70.0%)を占めるなど、小規模企業の倒産が多いことに変わりがない。

企業倒産月次推移


  • 法的倒産の構成比が過去最高の87.0%を占める
  • 原因別:赤字累積など「既往のシワ寄せ」が5カ月ぶりに前年同月を上回る
  • 負債額別:負債1,000億円以上の大型倒産が7カ月ぶりに発生
  • 金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産が30件、3カ月ぶりに30件台に増加
  • 「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産が19件 21カ月連続で前年同月を下回る
  • 業種別:スーパーが16件(前年同月6件)で4年ぶりの2ケタ台、印刷・同関連業(7→14件)も倍増で増加が目立つ
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が864件、6カ月連続で前年同月を下回る

産業別 10産業のうち7産業で前年同月を下回る

 1月の産業別倒産件数は、10産業のうち7産業で前年同月を下回った。
建設業は186件(前年同月比10.5%減)と23カ月連続で減少した。製造業129件(同8.5%減)と卸売業117件(同3.3%減)がともに6カ月連続の減少。サービス業他210件(同2.3%減)が4カ月連続の減少。不動産業は31件(同18.4%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。
こうしたなか、燃料価格高止まりの影響が懸念される運輸業は37件(前年同月比2.7%増)で、物流の持ち直しもあって夏場以降は減少を続けてきたが、7カ月ぶりに前年同月を上回った。また、小売業は108件(前年同月比6.8%減)で、2カ月ぶりに減少したが、業種別でみると各種食料品小売(9→16件)で増加をみせた。消費税率の引き上げを前にして個人消費関連の動向が注目される。

2014年1月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち5地区で件数が前年同月を上回る

 1月の地区別倒産件数は、9地区のうち5地区で前年同月を上回った。
東北が33件(同6.4%増)で3カ月連続で増加した。県別では、宮城、福島を除き前年同月を上回った。北海道が32件(前年同月比14.2%増)で1年3カ月ぶりに増加に転じた。また、近畿が228件(同2.7%増)、九州69件(同16.9%増)でそろって4カ月ぶりの増加、中国は38件(同8.5%増)で3カ月ぶりに前年同月を上回った。
一方、四国は15件(同6.2%減)で9カ月連続の減少。北陸が25件(同19.3%減)で7カ月連続の減少、関東は304件(同20.8%減)で6カ月連続の減少。中部は120件(同6.2%減)で3カ月連続で減少した。産業別では、東北が卸売業(5→7件)や小売業(2→5件)が件数を押し上げ、建設業(8→6件)で減少した。また、北海道は、サービス業他( 5→8件)、小売業(2→4件)などで増加し、建設業(9→8件)が減少した。

2014年1月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. エヌ・エス・アール(株)/東京都/土地売買・不動産賃貸ほか/1650億円/破産
  2. クロスシード(株)/東京都/貸付債権回収/136億2900万円/破産
  3. (株)セトウチデリカ/愛媛県/冷凍食品、惣菜、給食弁当製造/41億円/取引停止処分
  4. (株)恵比寿/福岡県/質店経営/40億円/破産
  5. (株)グルメン/東京都/生鮮・冷凍食品物流・販売ほか/39億2900万円/民事再生法

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ