全国企業倒産状況

2013年10月の全国企業倒産959件

倒産件数 959件
負債総額 1,553億4,500万円
前月比(件数) +16.9%(前月 820件)
前月比(負債) -18.3%(前月 1,902億200万円)
前年同月比(件数) -7.3%(前年同月 1,035件)
前年同月比(負債) -35.0%(前年同月 2,393億5,400万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数は12カ月連続減 「円滑化法」関連が過去2番目の51件

2013年(平成25年)10月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は959件、負債総額が1,553億4,500万円だった。
倒産件数は、前年同月比7.3%減で、12カ月連続で前年同月を下回った。10月度としては、1991年以降のバブル崩壊後の23年間では最少になった。
企業倒産は、4月以降も中小企業金融円滑化法の終了前の水準が続く中小企業のリスケ要請に金融機関が応じているほか、中小企業金融モニタリング体制の効果や低迷していた中小企業向け貸出が増加に転じたことなどから、抑制状況が続いている。
負債総額は、前年同月比35.0%減で今年最少。さらに、10月としては、2011年(1,558億8,300万円)を下回り、過去20年間で最少金額にとどまった。10億円以上の大型倒産が8月と並び今年最少の22件(前年同月48件)で、このうち負債100億円以上の大型倒産が、7カ月ぶりに発生なしだったことが影響した。

企業倒産月次推移


  • 金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産が過去2番目に多い51件
  • 形態別:民事再生法が1年1カ月ぶりに前年同月を上回る
  • 原因別:赤字累積などの「既往のシワ寄せ」が107件、16カ月連続の100件超え
  • 原因別:運転資金の欠乏が61件(前年同月比52.5%増)で、8カ月ぶりに増加に転じる。
  • 産業別:小売業が前年同月比21.2%増で、2カ月ぶりに前年同月を上回る。一方、建設業が同7.8%減、20カ月連続で前年同月を下回る
  • 「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産が24件、18カ月連続で前年同月を下回る
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が958件、3カ月連続で前年同月を下回る

産業別

産業別倒産件数 10産業のうち7産業で前年同月を下回る

増加したのは小売業の137件(前年同月比21.2%増)で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。内訳では、婦人・子供服小売(5→8件)やガソリンスタンドなど燃料小売(7→10件)で増加した。また、不動産業29件(前年同月比3.5%増)、金融・保険業6件(同20.0%増)も前年同月を上回った。
一方、減少した建設業は223件(同7.8%減)と20カ月連続で減少した。燃料価格の高止まりが懸念される運輸業は37件(同13.9%減)で、夏場に入り減少に転じ4カ月連続で減少した。このほか、製造業155件(同10.4%減)と卸売業127件(同20.1%減)がともに3カ月連続の減少。サービス業他は200件(同7.4%減)で2カ月ぶりに減少したが、7月以来の200件台に乗った。

2013年10月 産業別倒産状況

主要産業倒産件数推移

地区別

地区別倒産件数 中国と中部で前年同月を上回る

  • 北海道:件数が12カ月連続で前年同月を下回る。
  • 東北:全体の件数が、2カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、青森のみ前年同月比増加。
  • 関東:全体の件数が、3カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、茨城、神奈川で前年同月比増加。
  • 中部・北陸:全体の件数が、中部は3カ月ぶりのプラス。北陸は4カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、岐阜、愛知、三重で前年同月比増加。
  • 近畿:全体の件数が、2カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、京都、大阪で前年同月比増加。
  • 中国:全体の件数が、2カ月連続で前年同月を上回り今年最多。県別件数では、鳥取、岡山、広島で前年同月比増加。
  • 四国:全体の件数が、6カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、前年同月同数の高知を除き減少。
  • 九州:全体の件数が、2カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、沖縄のみ前年同月比増加。

2013年10月 都道府県別倒産

  • 地区の範囲は以下に定義している。
    東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)、 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)、 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)、 北陸(富山、石川、福井)、 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)、 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)、 四国(香川、徳島、愛媛、高知)、 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)オー・エム・プランニング / 東京都 / 不動産売買、リゾート施設経営 / 80億円 / 破産
  2. TH販売(株) / 東京都 / 不動産業 / 48億7,700万円 / 特別清算
  3. ラップマスターエスエフティ(株) / 東京都 / 半導体製造装置販売ほか / 42億7,000万円 / 破産
  4. (株)日本総合マネージメント / 東京都 / 不動産賃貸、エステ店経営ほか / 37億8,300万円 / 破産
  5. 新光石油(株) / 大分県 / ガソリンスタンド経営 / 34億円 /民事再生法

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

建材販売業の倒産 コロナ禍の2倍のハイペース コスト増や在庫の高値掴みで小規模企業に集中

木材や鉄鋼製品などの建材販売業の倒産が、ジワリと増えてきた。2025年1-7月の倒産は93件で、前年同期(75件)から2割(24.0%)増加した。2年連続の増加で、コロナ禍の資金繰り支援策で倒産が抑制された2021-2023年同期に比べると約2倍のハイペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

「転勤」で従業員退職、大企業の38.0%が経験 柔軟な転勤制度の導入 全企業の約1割止まり

異動や出向などに伴う「転勤」を理由にした退職を、直近3年で企業の30.1%が経験していることがわかった。大企業では38.0%と異動範囲が全国に及ぶほど高くなっている。

3

  • TSRデータインサイト

女性初の地銀頭取、高知銀行・河合祐子頭取インタビュー ~「外国人材の活用」、「海外販路開拓支援」でアジア諸国との連携を強化~

ことし6月、高知銀行(本店・高知市)の新しい頭取に河合祐子氏が就任した。全国の地方銀行で女性の頭取就任は初めてで、大きな話題となった。 異色のキャリアを経て、高知銀行頭取に就任した河合頭取にインタビューした。

4

  • TSRデータインサイト

ダイヤモンドグループ、複数先への債務不履行~蔑ろにされた「地域イベントの想い」 ~

ライブやフェスティバルなどの企画やチケット販売を手掛けるダイヤモンドグループ(株)(TSRコード:298291827、東京都、以下ダイヤモンドG)の周辺が騒がしい。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-8月の「人手不足」倒産が237件 8月は“賃上げ疲れ“で、「人件費高騰」が2.7倍増

2025年8月の「人手不足」が一因の倒産は22件(前年同月比37.5%増)で、8月では初めて20件台に乗せた。1-8月累計は237件(前年同期比21.5%増)に達し、2024年(1-12月)の292件を上回り、年間で初めて300件台に乗せる勢いで推移している。

TOPへ