全国企業倒産状況

2012年(平成24年)9月度 全国企業倒産状況

倒産件数 931件
負債総額 1,746億2,600万円
前月比(件数) -3.7%(前月 967件)
前月比(負債) -19.3%(前月 2,166億3,400円)
前年同月比(件数) -6.9%(前年同月 1,001件)
前年同月比(負債) -17.7%(前年同月 2,123億1,200万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数が9月としては過去20年間で最少 形態別で特別清算が7割増


 2012年(平成24年)9月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は931件、負債総額が1,746億2,600万円となった。

 

 倒産件数は、前年同月比6.9%減。4カ月連続で前年同月を下回り、9月としては1993年以降の過去20年間で最少件数となった。また2カ月連続で1,000件を割り込んだのは、貸し渋り対策として実施された「中小企業金融安定化特別保証制度」効果で倒産が減少した、1999年2月以来13年7カ月ぶりのこと。

 

 負債総額は、前年同月比17.7%減となった。9月としては1993年以降の過去20年間で最少金額にとどまった。負債100億円以上の大型倒産が11カ月ぶりに発生なしだったのに対し、負債1億円未満の件数が全体の65.9%を占めて、依然として小規模倒産が多い構図に変化がない。

企業倒産月次推移


産業別


産業別倒産件数 卸売業と運輸業が6カ月ぶりに前年同月を下回る

 

 9月の産業別倒産件数は、10産業のうち8産業で前年同月を下回った。

 建設業は7カ月連続、卸売業と運輸業は6カ月ぶりに前年同月を下回り、サービス業他が今年最少だった。

 減少率は、不動産業31.7%減(41→28件)、農・林・漁・鉱業が25.0%減(8→6件)、情報通信業が20.4%減(44→35件)、運輸業14.6%減(41→35件)、サービス業他11.3%減(202→179件)、建設業7.2%減(262→243件)、製造業3.1%減(159→154件)、卸売業2.1%減(139→136件)の順。増加は、金融・保険業133.3%増(3→7件)と小売業5.8%増(102→108件)だった。小売業と金融・保険業が2カ月ぶりに増加した。

 構成比では、建設業の26.1%を筆頭に、サービス業他が19.2%、製造業が16.5%、卸売業が14.6%、小売業が11.6%と続く。


産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
農・林・漁・鉱業 6 1,223
建設業 243 37,242
製造業 154 35,942
卸売業 136 30,415
小売業 108 10,081
金融・保険業 7 5,107
不動産業 28 6,434
運輸業 35 5,927
情報通信業 35 5,541
サービス業他 179 36,714
合計 931 174,626


※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

主要産業倒産件数推移


地区別

地区別倒産件数 9地区のうち4地区で前年同月を上回る

 増加率は、北海道21.4%増(28→34件)、四国21.0%増(19→23件)、中部13.1%増(122→138件)、関東1.8%増(376→383件)の順。減少率は、近畿28.6%減(279→199件)、北陸23.0%減(26→20件)、中国15.5%減(45→38件)、東北12.5%減(32→28件)、九州8.1%減(74→68件)の5地区だった。

 

・北海道:件数が3カ月ぶりに前年同月を上回る。

・東北:全体の件数が、2カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、宮城、山形で前年同月比増加。

・関東:全体の件数が、4カ月ぶりに前年同月を上回る。県別件数では、茨城、栃木、群馬、埼玉、神奈川、山梨で前年同月比増加。

・中部北陸:全体の件数が、中部は3カ月連続で前年同月比増加、北陸は3カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、静岡、愛知、三重で前年同月比増加。

・近畿:全体の件数が、2か月連続で前年同月を下回り、1991年(186件)以来の200件割れ。県別件数では、奈良のみ前年同月比増加。

・中国:全体の件数が、3カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、広島、山口で前年同月比増加。

・四国:全体の件数が、3カ月ぶりに前年同月を上回る。県別件数では、愛媛のみ前年同月比増加。

・九州:全体の件数が、4カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、佐賀、長崎、鹿児島で前年同月比増加。

都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 34 3,543
東北 28 9,039
青森 3 2,828
岩手 1 10
宮城 9 3,143
秋田 5 1,230
山形 6 491
福島 4 1,337
関東 383 84,429
茨城 17 2,759
栃木 11 2,115
群馬 14 3,679
埼玉 51 5,951
千葉 22 11,723
東京 185 43,362
神奈川 59 9,779
新潟 14 2,712
山梨 10 2,349
中部 138 18,868
長野 10 2,436
岐阜 14 1,722
静岡 28 5,294
愛知 72 6,977
三重 14 2,439
北陸 20 4,427
富山 8 2,674
石川 8 732
福井 4 1,021
都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
近畿 199 26,792
滋賀 6 225
京都 27 5,153
大阪 100 7,907
兵庫 43 6,321
奈良 13 1,616
和歌山 10 5,570
中国 38 3,485
鳥取 2 225
島根 5 274
岡山 8 1,464
広島 16 984
山口 7 538
四国 23 9,149
徳島 5 750
香川 3 180
愛媛 11 7,779
高知 4 440
九州 68 14,894
福岡 28 4,800
佐賀 6 731
長崎 3 330
熊本 8 894
大分 4 4,554
宮崎 4 227
鹿児島 7 2,780
沖縄 8 578
合計 931 174,626


※地区の範囲は以下に定義している。

関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)

中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)

北陸(富山、石川、福井)

近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)


 

◎形態別:特別清算が34件(前年同月比70.0%増)、1年5カ月ぶり30件を上回る

◎原因別:赤字累積などの「既往のシワ寄せ」が110件 3カ月連続の100件超え

◎中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件変更利用後の倒産が18件、「円高」関連倒産が3件

◎「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産が35件

◎第三セクター等の倒産が1件発生(今年は9月末累計で15件)

◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく):928件(前年同月比6.9%減)

当月の主な倒産


(株)吉中商事/千葉/非鉄金属スクラップ卸/97億8,200万円/民事再生法

東京信用販売(株)/東京/会員制レジャークラブ経営/51億円/民事再生法

(株)山本製作所/愛媛/機械部品製造/46億円/民事再生法

(株)さとうベネック/大分/総合建設業/44億2,900万円/民事再生法

(株)エフ・イー・マテリアル/東京/鉄・非鉄金属スクラップ卸/29億3,800万円/破産


禁・転載・複写

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「人手不足倒産予備軍」  ~ 今後は「人材採用力」の強化が事業継続のカギ ~

賃上げ圧力も増すなか他社との待遇格差で十分な人材確保ができなかった企業、価格転嫁が賃上げに追い付かず、資金繰りが限界に達した企業が事業断念に追い込まれている。  こうした状況下で「人手不足」で倒産リスクが高まった企業を東京商工リサーチと日本経済新聞が共同で分析した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「人手不足」倒産 359件 サービス業他を主体に、年間400件に迫る

深刻さを増す人手不足が、倒産のトリガーになりつつある。2025年11月の「人手不足」倒産は34件(前年同月比70.0%増)と大幅に上昇、6カ月連続で前年同月を上回った。1-11月累計は359件(前年同期比34.4%増)と過去最多を更新し、400件も視野に入ってきた。

3

  • TSRデータインサイト

【社長が事業をやめる時】 ~消えるクリーニング店、コスト高で途絶えた白い蒸気~

厚生労働省によると、全国のクリーニング店は2023年度で7万670店、2004年度以降の20年間で5割以上減少した。 この現実を突きつけられるようなクリーニング店の倒産を聞きつけ、現地へ向かった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「税金滞納」倒産は147件 資本金1千万円未満の小・零細企業が約6割

2025年11月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産は10件(前年同月比9.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-11月累計は147件(前年同期比11.9%減)で、この10年間では2024年の167件に次ぐ2番目の高水準で推移している。

5

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

TOPへ