全国企業倒産状況
2011年(平成23年)12月度 全国企業倒産状況
| 倒産件数 | 1,032件 |
|---|---|
| 負債総額 | 3,566億7,000万円 |
| 前月比(件数) | -5.7%(前月 1,095件) |
| 前月比(負債) | +90.0%(前月 1,876億7,500万円) |
| 前年同月比(件数) | -6.3%(前年同月 1,102件) |
| 前年同月比(負債) | +44.7%(前年同月 2,464億8,000万円) |
(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)
倒産件数が前年同月比6.3%減の1,032件 12月の震災関連倒産が66件発生
2011年(平成23年)12月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,032件、負債総額が3,566億7,000万円となった。
倒産件数は、前年同月比6.3%減で、12月としては2007年(1,097件)以来、4年ぶりに1,100件を下回った。これは中小企業金融円滑化法や景気対応緊急保証、セーフティネット貸付のほか、「東日本大震災復興緊急保証」などの資金繰り支援の下支え効果が続いているため。
これに対し負債総額は、同44.7%増となった。この大幅増は、ゴルフ場など負債100億円以上の大型倒産が6件(前年同月1件)発生したため。
こうしたなか、「東日本大震災」関連倒産が66件発生した。2011年10月(47件)、11月(48件)と2カ月連続で50件を下回っていたが、9月(60件)以来3カ月ぶりに60件台に増加した。年末にかけて「実質破綻」状態から倒産が確定した企業の増加などで再び増勢に転じており、今後も震災関連の動向を注視する必要がある。

産業別
産業別倒産件数 10産業のうち5産業で前年同月を下回る
減少率は、運輸業28.5%減(42→30件)、製造業22.5%減(186→144件)、金融・保険業20.0%減(5→4件)、建設業8.3%減(300→275件)、小売業7.6%減(131→121件)の順。製造業が11カ月連続で前年同月を下回り、小売業が3カ月ぶりにマイナスとなった。
これに対し増加は、情報通信業35.8%増(39→53件)、不動産業15.1%増(33→38件)、卸売業0.7%増(133→134件)の3産業。情報通信業が2011年としては最多件数、卸売業が3カ月ぶりに前年同月を上回った。このほかサービス業他が前年同月同数の227件、農・林・漁・鉱業が前年同月同数の6件だった。
| 産業別分類 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 農・林・漁・鉱業 | 6 | 2,216 |
| 建設業 | 275 | 88,947 |
| 製造業 | 144 | 24,227 |
| 卸売業 | 134 | 47,330 |
| 小売業 | 121 | 18,597 |
| 金融・保険業 | 4 | 143 |
| 不動産業 | 38 | 16,793 |
| 運輸業 | 30 | 25,573 |
| 情報通信業 | 53 | 2,351 |
| サービス業他 | 227 | 130,493 |
| 合計 | 1,032 | 356,670 |
※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

地区別
地区別倒産件数 9地区のうち7地区で前年同月を下回る
減少率は、東北46.7%減(62→33件)、四国22.2%減(27→21件)、北海道17.5%減(40→33件)、中部11.5%減(130→115件)、近畿11.2%減(311→276件)、北陸8.3%減(24→22件)、九州5.3%減(75→71件)の順。これに対し増加は、中国55.5%増(36→56件)と関東2.0%増(397→405件)の2地区だった。
・北海道:件数が3カ月ぶりに前年同月を下回る。
・東北:全体の件数が、12カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、青森(前年同月同数)を除き前年同月比減少。
・関東:全体の件数が、5カ月ぶりに前年同月を上回る。県別件数では、茨城、埼玉、千葉、東京で前年同月比増加。
・中部北陸:全体の件数が、中部は2カ月ぶりに前年同月比減少、北陸は7月と並び2011年としては最少タイ。県別件数では、岐阜、三重、石川で前年同月比増加。
・近畿:全体の件数が、6カ月連続で300件を下回る。県別件数では、滋賀(前年同月同数)を除き前年同月比減少。
・中国:全体の件数が、8カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、岡山、広島、山口で前年同月比増加。
・四国:全体の件数が、2カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、愛媛のみ前年同月比増加。
・九州:全体の件数が、3カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、佐賀、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄で前年同月比増加。
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 北海道 | 33 | 3,651 |
| 東北 | 33 | 16,919 |
| 青森 | 9 | 11,591 |
| 岩手 | 4 | 749 |
| 宮城 | 8 | 596 |
| 秋田 | 3 | 3,019 |
| 山形 | 5 | 411 |
| 福島 | 4 | 553 |
| 関東 | 405 | 179,922 |
| 茨城 | 15 | 42,781 |
| 栃木 | 9 | 5,874 |
| 群馬 | 12 | 33,090 |
| 埼玉 | 47 | 9,042 |
| 千葉 | 36 | 5,943 |
| 東京 | 221 | 72,352 |
| 神奈川 | 55 | 4,364 |
| 新潟 | 8 | 5,817 |
| 山梨 | 2 | 659 |
| 中部 | 115 | 54,718 |
| 長野 | 12 | 2,305 |
| 岐阜 | 14 | 2,747 |
| 静岡 | 27 | 7,274 |
| 愛知 | 48 | 5,216 |
| 三重 | 14 | 37,176 |
| 北陸 | 22 | 19,973 |
| 富山 | 4 | 10,158 |
| 石川 | 15 | 6,915 |
| 福井 | 3 | 2,900 |
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 近畿 | 276 | 62,875 |
| 滋賀 | 10 | 388 |
| 京都 | 30 | 4,269 |
| 大阪 | 165 | 49,177 |
| 兵庫 | 47 | 6,629 |
| 奈良 | 15 | 2,217 |
| 和歌山 | 9 | 195 |
| 中国 | 56 | 5,104 |
| 鳥取 | 5 | 556 |
| 島根 | 1 | 330 |
| 岡山 | 12 | 1,755 |
| 広島 | 23 | 2,012 |
| 山口 | 15 | 451 |
| 四国 | 21 | 3,789 |
| 徳島 | 2 | 240 |
| 香川 | 5 | 239 |
| 愛媛 | 11 | 3,167 |
| 高知 | 3 | 143 |
| 九州 | 71 | 9,719 |
| 福岡 | 26 | 1,607 |
| 佐賀 | 4 | 125 |
| 長崎 | 7 | 1,383 |
| 熊本 | 11 | 2,308 |
| 大分 | 6 | 1,397 |
| 宮崎 | 5 | 1,030 |
| 鹿児島 | 6 | 724 |
| 沖縄 | 6 | 1,145 |
| 合計 | 1,032 | 356,670 |
※地区の範囲は以下に定義している。
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
◎資本金別:1億円以上が22件、11カ月ぶりに20件を上回る
◎原因別:赤字累積などの「既往のシワ寄せ」が114件、2カ月連続100件を上回る
◎中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予利用後の倒産が9件発生
◎「円高」関連倒産が5件発生
◎業種別件数:情報関連サービス業が前年同月比75.0%増(20→35件)、広告関連業が同42.8%増(14→20件)と増加が目立つ
◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく):前年同月比6.0%減の1,030件
当月の主な倒産
(株)ゆたか環境緑化/茨城/ゴルフ場経営/414億9,500万円/破産
(株)水谷建設/三重/重機械土木工事/353億円/会社更生法
(株)下村産業/大阪/宅地造成、販売ほか/208億5600万円/破産
ドーヴァル海運(株)/東京/外航海運業/149億1300万円/民事再生法
藤成商事(株)/大阪/セメント、生コン卸/124億200万円/破産
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