全国企業倒産状況

2007年(平成19年)2月度 全国企業倒産状況

倒産件数 1,102件
負債総額 289,510百万円
前月比(件数) +1.0% (前月1,091件)
前月比(負債) −49.5% (前月573,630百万円)
前年同月比(件数) +5.5%(前年同月1,044件)
前年同月比(負債) +0.3%(前年同月288,499百万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数が前年同月比5.5%増の1,102件、2カ月連続前年同月比増加

 2007年(平成19年)2月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は1,102件、負債総額は2,895億1,000万円となった。※当社の倒産集計は、法的倒産のほかに銀行取引停止処分等の私的倒産を含む。

 

 倒産件数は、前年同月比58件増、5.5%増となり2カ月連続前年同月を上回った。しかし2月としては、1998年からの最近10年間で4番目少ない件数であり、2006年11月以降は1,100件前後をほぼ横這いで推移している

 

 負債総額は、前年同月比10億1,100万円増、0.3%増となったが、2月としては、最近10年間で2番目に小さい金額だった

 

 なお2006年4月から2007年2月までの累計倒産件数は、前年同期比1.4%増の1万2,090件となった。この結果、年度ベース(2006年4月〜2007年3月)では5年ぶりに前年度(1万3,170件)を上回る可能性が高くなった。これに対して負債総額は、2006年4月から2007年2月までの累計が、同11.6%減の4兆9,575億円となり、年度ベースとしては16年ぶりに6兆円を下回るとみられる。

産業別

 倒産件数、10産業のうち6産業で前年同月比増加

 増加率は、運輸業40.0%増(25→35件)を筆頭にして、農・林・漁・鉱業28.5%増(7→9件)、情報通信業20.8%増(24→29件)、小売業20.5%増(146→176件)、卸売業20.4%増(142→171件)、不動産業9.6%増(31→34件)の順。このうち小売業は最近1年間で最も多かった

 

 これに対して減少は、金融・保険業25.0%減(8→6件)、サービス業他5.1%減(213→202件)、建設業2.6%減(301→293件)の3産業となった。また製造業は前年同月同数(147→147件)だった。

産業別分類
件数(件)
負債額(百万円)
農林漁鉱業
9
3,545
建設業
293
45,706
製造業
147
36,005
卸売業
171
37,906
小売業
176
47,479
金融保険業
6
428
不動産業
34
15,098
運輸業
35
6,296
情報通信業
29
7,751
サービス他
202
89,296
合計
1,102
289,510

※業種分類のコード改訂(日本標準産業分類に基づく)に伴い、弊社データベースは2004年1月度より新業種分類に移行。このため、産業別分類は従来の9産業から10産業に変更している。各数値は新業種コードに基づく。

 

地区別

 地区別倒産件数では、9地区のうち5地区で前年同月比増加。また都道府県別では、前年同月比増加が28都道府県、減少が15府県、同数が4県となった。

 

北海道:件数が前年同月比1件増でほぼ横這い、負債総額は小規模倒産が大部分を占め前年同月比減少

東北:全体の件数は3カ月連続増加、県別件数では青森、岩手、秋田、山形で前年同月比増加

関東:全体の件数は6カ月ぶりに400件を上回る、県別件数では茨城、栃木、埼玉、千葉、東京、山梨で前年同月比増加

中部北陸:県別件数では長野、三重、福井で前年同月比増加

近畿:全体の件数が5カ月連続前年同月比減少、このうち大阪が8カ月連続200件を下回る

中国:全体の件数が4カ月連続前年同月比減少、県別件数では島根、岡山で前年同月比増加

四国:全体の負債総額が最近1年間で最小金額、県別件数では愛媛、高知で前年同月比増加

九州:全体の件数が6カ月連続前年同月比増加、県別件数では佐賀(4カ月連続)、熊本、大分(5カ月連続)、宮崎(3カ月連続)、鹿児島で前年同月比増加

地区/都道府県
件数(件)
負債額
(百万円)
地区/都道府県
件数(件)
負債額
(百万円)
北海道
49
11,563
近畿
282
63,196
東北
69
25,774
滋賀
14
4,421
青森
13
10,464
京都
49
3,861
岩手
10
1,296
大阪
148
45,473
宮城
8
1,102
兵庫
50
5,029
秋田
17
8,191
奈良
13
4,015
山形
13
1,409
和歌山
8
397
福島
8
3,312
中国
41
8,062
関東
408
118,502
鳥取
4
1,170
茨城
16
6,416
島根
2
259
栃木
15
2,451
岡山
10
1,363
群馬
12
2,520
広島
17
2,530
埼玉
45
17,266
山口
8
2,740
千葉
30
2,057
四国
27
3,781
東京
219
66,624
徳島
3
590
神奈川
46
8,721
香川
8
942
新潟
15
4,456
愛媛
6
602
山梨
10
7,991
高知
10
1,647
中部
107
30,660
九州
95
21,377
長野
15
6,770
福岡
41
6,292
岐阜
10
2,551
佐賀
2
141
静岡
22
5,332
長崎
9
529
愛知
45
13,725
熊本
16
6,556
三重
15
2,282
大分
7
1,563
北陸
24
6,595
宮崎
6
886
富山
8
2,789
鹿児島
10
5,110
石川
8
1,286
沖縄
4
300
福井
8
2,520
合計
1,102
289,510

※地区の範囲は以下に定義している。

関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)

中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)

北陸(富山、石川、福井)

近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)

 

 

◎平均負債額:前年同月比5.0%減の2億6,200万円、5カ月ぶりに3億円を下回る

◎原因別:販売不振の件数構成比、最近1年間で最高の66.1%を占める

◎形態別:破産件数の構成比が55.0%を占める

◎産業別:10産業のうち6産業で件数が前年同月比増加、小売業は最近1年間で最多の176件発生

◎自動車関連業倒産が前年同月比146.1%増、最近1年間で最多の32件発生

◎企業倒産に伴う従業員被害者数が前年同月比22.6%増の9,418人

◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同月比4.6%増の1,090件、月次倒産に占める構成比は98.9%となった

当月の主な倒産

国際ゴルフ(株)/大阪府/ゴルフ場経営/17,660百万円/会社更生法

アサヒ開発(株)/東京都/ゴルフ場経営/11,000百万円/民事再生法

(株)サンフラワー/埼玉県/ホームセンター経営/10,800百万円/特別清算

国際土地(株)/大阪府/土地賃貸業/6,750百万円/会社更生法

秋田森岳温泉開発(株)/秋田県/ゴルフ場経営/6,300百万円/破産

禁・転載・複写

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