全国企業倒産状況

2012年度(平成24年)上半期(4-9月) 全国企業倒産状況

倒産件数 6,051件
負債総額 1兆8,084億7,800万円
前年同期比(件数) -5.7%(前年同期 6,420件)
前年同期比(負債) -8.4%(前年同期 1兆9,758億6,300万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数が6,051件 政策効果で年度上半期としては過去20年間で最少

2012年度(平成24年度)上半期(4-9月)の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は6,051件、負債総額が1兆8,084億7,800万円となった。
倒産件数は、前年同期比5.7%減で、年度上半期としては4年連続で前年同期を下回った。また水準としては2005年度(6,388件)を下回り、過去20年間で最少件数となり、戦後33番目の低水準。これは「中小企業金融円滑化法」や「セーフティネット保証5号」や、震災に対応した「東日本大震災復興緊急保証」など政策効果で、中小企業の資金繰りが一時的に緩和したことが大きな要因となった。
負債総額は、前年同期比8.4%減で、年度上半期としては2年連続で前年同期を下回り、過去20年間で最少金額。これは、負債10億円以上の大型倒産は186件(前年度217件)で、1990年度(105件)以来、22年ぶりに200件を下回ったことが影響した。一方、1億円未満が全体の約7割(構成比69.4%)を占め、小・零細規模中心で推移した。

企業倒産 上半期推移

産業別

産業別倒産件数 卸売業と小売業がともに増加は5年ぶり

2012年度上半期の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同期を下回った。
年度上半期としては、建設業が4年連続、製造業が3年連続で前年同期を下回った。一方、小売業が5年ぶり、卸売業・不動産業・運輸業が4年ぶりに前年同期を上回った。
減少率は、農・林・漁・鉱業が27.8%減(61→44件)、金融・保険業が15.6%減(32→27件)、建設業13.2%減(1,770→1,536件)、サービス業他13.0%減(1,428→1,242件)、製造業8.5%減(975→892件)、情報通信業が2.7%減(254→247件)の順。増加は、卸売業12.3%増(799→898件)、運輸業7.5%増(212→228件)、小売業6.7%増(686→732件)、不動産業0.9%増(203→205件)だった。
年度上半期で卸売業と小売業がともに増加になったのは2007年度以来5年ぶりのこと。構成比では、建設業の25.3%を筆頭に、サービス業他が20.5%、卸売業が14.8%、製造業が14.7%、小売業が12.0%と続く。

産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
農・林・漁・鉱業 44 51,960
建設業 1,536 198,309
製造業 892 257,889
卸売業 898 161,164
小売業 732 71,848
金融・保険業 27 392,872
不動産業 205 125,779
運輸業 228 185,603
情報通信業 247 25,365
サービス業他 1,242 337,689
合計 6,051 1,808,478

※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

主要産業倒産件数 上半期推移

地区別

地区別倒産件数 9地区のうち7地区で前年同期を下回る

2012年度上半期の地区別倒産件数では、全国9地区のうち7地区で前年同期を下回った。

減少率は、東北25.6%減(234→174件)、近畿12.2%減(1,741→1,527件)、北陸10.6%減(179→160件)、九州6.7%減(461→430件)、中国3.8%減(262→252件)、関東2.6%減(2,386→2,322件)、四国2.2%減(135→132件)の順。これに対し、北海道と中部が2年連続で前年同期を上回った。増加率は、中部3.3%増(795→822件)と北海道2.2%増(227→232件)の2地区。

  • 北海道:件数が前年同期比2.2%増で、2年連続で前年同期を上回る。
  • 東北:件数が前年同期比25.6%減で、年度上半期としては1967年度(145件)以来の低水準。県別件数では、全県で前年同期を下回る。
  • 関東:件数が前年同期比2.6%減で、3年連続で前年同期を下回る。県別件数では、栃木、千葉、神奈川、山梨で前年同期比増加。
  • 中部北陸・件数が中部は前年同期比.3.3%増で、2年連続で前年同期を上回る。北陸は同10.6%減。県別件数では、静岡、愛知、三重で前年同期比増加。
  • 近畿:件数が前年同期比12.2%減で、3年連続で前年同期を下回る。県別件数では、滋賀で前年同期比増加。
  • 中国:件数が前年同期比3.8%減、負債は同53.8%減。県別件数では、山口、鳥取で前年同期比増加。
  • 四国:件数が前年同期比2.2%減で、4年連続で前年同期を下回る。県別件数では、徳島、高知で前年同期比増加。
  • 九州:件数が前年同期比6.7%減、負債は同30.4%減。県別件数では、長崎、大分、鹿児島で前年同期比増加。
都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 232 40,724
東北 174 88,009
青森 31 45,901
岩手 21 4,081
宮城 32 5,693
秋田 37 15,117
山形 27 4,407
福島 26 12,810
関東 2,322 675,187
茨城 69 11,366
栃木 59 23,667
群馬 77 17,226
埼玉 288 30,084
千葉 172 36,642
東京 1,200 477,033
神奈川 355 57,062
新潟 66 11,035
山梨 36 11,072
中部 822 150,528
長野 68 14,894
岐阜 82 10,152
静岡 164 29,844
愛知 438 50,814
三重 70 44,824
北陸 160 54,007
富山 44 12,937
石川 72 31,976
福井 44 9,094
近畿 1,527 623,257
滋賀 56 46,225
京都 176 23,054
大阪 859 426,972
兵庫 309 106,945
奈良 73 6,764
和歌山 54 13,297
中国 252 43,768
鳥取 29 6,278
島根 21 1,158
岡山 55 11,549
広島 110 14,939
山口 37 9,844
四国 132 33,309
徳島 25 3,623
香川 37 10,784
愛媛 41 14,270
高知 29 4,632
九州 430 99,689
福岡 188 45,832
佐賀 26 3,330
長崎 37 8,639
熊本 44 5,208
大分 35 12,171
宮崎 29 12,509
鹿児島 36 7,564
沖縄 35 4,436
合計 6,051 1,808,478

※地区の範囲は以下に定義している。関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)北陸(富山、石川、福井)近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)

◎法的倒産の構成比が年度上半期として過去最高の82.4%
◎従業員数5人未満の構成比が68.1% 年度上半期として過去20年間で最高
◎中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件変更利用後の倒産が年度上半期で累計115件
◎「円高」関連倒産が年度上半期で累計29件
◎「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産が年度上半期で累計224件
◎上場企業倒産:年度上半期で累計4件
◎第三セクター等の倒産が年度上半期で累計8件
◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく):6,028件(前年同期比5.8%減)


当期の主な倒産

  1. (株)クラヴィス/大阪/消費者向け貸金業/3,268億8,700万円/破産
  2. 三光汽船(株)/東京/海運業/1,558億7,400万円/会社更生法
  3. NISグループ(株)/東京/総合金融サービス事業/512億4,200万円/民事再生法
  4. 神戸市住宅供給公社/兵庫/分譲・賃貸管理・受託事業/503億500万円/民事再生法
  5. (社)青い森農林振興公社/青森/分収造林事業/367億円/民事再生法

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