全国企業倒産状況

2020年上半期(1-6月)の全国企業倒産4,001件

Xアイコン
facebookアイコン

2020年上半期(1-6月)の倒産

倒産件数が4,001件で上半期は11年ぶりの増加、「新型コロナ」関連倒産は240件発生

 2020年上半期(1-6月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が4,001件(前年同期比0.2%増)、負債総額が6,571億800万円(同13.7%減)だった。
件数は、上半期では2009年同期(8,169件)以来、11年ぶりに前年同期を上回った。ただ、1991年以降の30年間では、2019年同期(3,990件)に次ぐ、2番目の低水準。
負債総額は、上半期では2018年同期(7,466億300万円)以来、2年ぶりに減少し、1991年以降の30年間では最少となった。前年同期に1件発生した負債1,000億円以上はゼロ、同100億円以上500億円未満も5件(前年同期6件)と減少。ただ、同1億円未満は2,961件(前年同期比0.4%増)で、全体の74.0%を占め、小口倒産を中心に推移した。
上場会社の倒産は、5月に東証1部の(株)レナウン(東京、負債138億7,900万円、民事再生法)の1件(前年同期1件)が発生した。

企業倒産上半期推移


  • 「人手不足」関連倒産253件(前年同期190件)、このうち「求人難」型が194件
  • 形態別:法的倒産の構成比が上半期としては過去最高の94.2%
  • 都道府県別件数:増加30府県、減少16都道府県、同数1県
  • 負債別:負債10億円以上の大型倒産が105件、負債1億円未満の構成比が74.0%
  • 従業員数別:従業員5人未満の2,923件。構成比は73.0%で、高水準が続く
  • 業種別:宿泊業や飲食料品、飲食業で倒産増加が目立つ
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は3,999件。上半期では2000年以降で2番目の少なさ
  • 上場企業倒産:(株)レナウンの1件発生

産業別 10産業のうち6産業で前年同期を上回り、サービス業他が5年連続で増加

 2020年上半期の産業別件数は、10産業のうち、6産業で前年同月を上回った。
新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンド需要の消失、外出自粛などの影響を大きく受けた宿泊業や飲食業が含まれるサービス業他が1,295件(前年同期比3.8%増)と最多で、5年連続で前年同期を上回った。そのほか、農・林・漁・鉱業59件(同78.7%増)が2年ぶり、不動産業125件(同7.7%増)が3年ぶり、金融・保険業18件(同80.0%増)が4年ぶり、卸売業575件(同6.4%増)が5年ぶり、製造業495件(同3.1%増)が7年ぶりに、それぞれ増加した。
一方、2019年10月の消費増税や暖冬などの影響もあり販売不振が続くアパレル関連などが注目されている小売業は536件(同3.7%減)で、2年連続で減少した。また、建設業648件(同6.6%減)が12年連続、運輸業117件(同13.3%減)と情報通信業133件(同25.2%減)が2年ぶりに、それぞれ前年同期を下回った。

2020年上半期の産業別倒産

産業別倒産上半期推移

地区別 9地区のうち6地区で前年同期を上回る

 2020年上半期の地区別件数は、9地区のうち、北海道、関東、九州を除く、6地区で前年同期を上回った。四国102件(前年同期比5.1%増)が3年連続で増加した。また、北陸113件(同10.7%増)が2年連続、東北208件(同14.2%増)と中部520件(同8.3%増)、近畿1,033件(同0.9%増)が2年ぶり、中国199件(同23.6%増)が7年ぶりに、それぞれ前年同期を上回った。
一方、北海道109件(同10.6%減)と関東1,377件(同6.9%減)が3年連続、九州340件(同0.8%減)が3年ぶりに、それぞれ減少した。

2020年上半期の都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

上半期の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)ホワイト・ベアーファミリー/大阪府/旅行業/278億円/民事再生法
  2. WBFホテル&リゾーツ(株)/大阪府/ホテル・リゾート運営受託ほか/160億円/民事再生法
  3. (株)レナウン/東京都/アパレル製品販売/138億7,900万円/民事再生法
  4. (株)ヤマニシ/宮城県/造船業ほか/120億8,400万円/会社更生法
  5. (株)ユニカ/福岡県/分譲マンション企画販売/112億円/特別清算
Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ