全国企業倒産状況

2016年上半期(1-6月)の全国企業倒産4,273件

2016年上半期(1-6月)の倒産

倒産件数が4,273件 25年ぶりに上半期で2年連続の5,000件割れ

 2016年(平成28年)上半期(1-6月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が4,273件、負債総額が7,936億300万円だった。
倒産件数は、前年同期比6.4%減(295件減)で、7年連続で前年同期を下回った。上半期として2年連続で5,000件を割り込んだのは1991年以来25年ぶりの低水準。金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じていることや、大手輸出企業を中心とした業績拡大に牽引され景気全体が底上げされていることも影響した。さらに中小企業向け貸出金の増加も経営を下支えした。
負債総額は、前年同期比19.8%減(1,966億7,300万円減)。4年連続で前年同期を下回り、上半期としては1990年(7,274億5,100万円)以来、26年ぶりに8,000億円を割り込んだ。負債10億円以上の大型倒産が139件(前年同期146件)で、上半期では過去20年間で最少だった。負債1億円未満は3,056件(構成比71.5%)にのぼり、小規模企業の倒産が中心であることに変化がない。

企業倒産上半期推移


  • 形態別件数:法的倒産の構成比が上半期としては過去最高89.1%
  • 従業員数5人未満の構成比72.3%、上半期としては過去20年間で最高
  • 負債額別:負債10億円以上の大型倒産が139件、上半期過去20年間で最少
  • 上場企業倒産が上半期としては2年ぶりの発生なし
  • 「チャイナリスク」関連倒産が62件(前年同期40件)で前年同期より1.5倍増
  • 「円安」関連倒産が61件(前年同期92件)で、前年同期より3割減
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、2000年以降では上半期最少件数

産業別 サービス業他が上半期では7年ぶりに前年同期の件数を上回る

 2016年上半期の産業別倒産件数は、10産業のうち8産業で前年同期を下回った。こうしたなか、上半期で前年同期より増加したのはサービス業他の1,116件(前年同期比2.8%増)で、7年ぶりに増加に転じた。業種別では労働者派遣業(29→34件)や自動車整備業(28→38件)、宅配飲食サービス業(16→23件)などで増加が目立った。また、件数が少ないが金融・保険業も30件(前年同期比150.0%増)で3年ぶりに増加した。
一方、建設業は825件(同2.7%減)で上半期としては8年連続で減少した。不動産業は142件(同5.3%減)で7年連続で減少した。
また、農・林・漁・鉱業28件(同20.0%減)が4年連続、運輸業139件(同20.1%減)と製造業587件(同15.0%減)がともに3年連続で前年同期を下回った。卸売業は650件(同12.5%減)で、上半期としては2年ぶりに減少した。

2016年上半期の産業別倒産

産業別倒産上半期推移

地区別 東北と北陸を除く7地区で前年同期の件数を下回る

 2016年上半期の地区別では、9地区のうち7地区で前年同期を下回った。
東北は179件(前年同期比2.2%増)で3年ぶりの増加、また北陸が120件(同10.0%増)で5年ぶりに増加に転じた。産業別では、東北が水産物加工などを含む製造業(21→35件)や建設業(28→34件)などで件数を押し上げた。北陸は小売業(11→20件)と旅館などを含むサービス業他(28→40件)などで増加が目立った。
一方、近畿が1,059件(前年同期比7.8%減)で7年連続の減少。中部559件(同2.9%減)、関東1,639件(同4.4%減)、四国81件(同16.4減)、北海道131件(同8.3%減)は、それぞれ4年連続で減少した。
また、中国は181件(同14.2%減)で3年連続の減少、九州は324件(同17.5%減)で3年ぶりに減少に転じた。

2016年上半期の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

2016年1-6月の佐賀県の負債総額3,078百万円を2,916百万円に訂正。

上半期の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)エンタープライズ自由ケ丘/大分県/宅地造成・販売/152億円/民事再生法
  2. 関急不動産(株)/大阪府/不動産賃貸・管理/150億円/破産
  3. (株)道環/北海道/不動産賃貸/141億円/特別清算
  4. 芝管財(株)/東京都/ブロイラー・食肉販売/140億円/特別清算
  5. 日本ロジテック(協)/東京都/電力小売事業/120億円/取引停止処分

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSR速報 ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

政策金利引き上げ 「1年は現状維持」が59.6% すでに「上昇」が52.0%、借入金利は上昇局面に

企業の59.6%が、これ以上の政策金利の引き上げに「待った!」を希望していることがわかった。今後の望ましい政策金利の引き上げ時期は、「向こう1年は現状維持」が59.6%で最多だった。「引き下げ」も23.6%あり、企業経営の観点では利上げを望む声は少数(16.6%)にとどまった。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の12.2%が事業資金を個人名義で調達 保証債務に上乗せ負担、債務整理や廃業を複雑に

事業資金を代表者名義で調達したことのある中小企業は12.2%に達することがわかった。政府や金融界は「経営者保証ガイドライン」(適用開始2014年2月)や「事業再生ガイドライン」(同2022年4月)などを通じ、企業が抱える債務を整理する際に個人保証が足かせにならないよう取り組んでいる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年7-9月の客室単価 1万6,975円 稼働率80%超え 人手不足の解消が課題

ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年7-9月期の平均客室単価は、1万6,975円(前年同期比8.9%増)で前年同期を上回った。7-9月期で、13ブランドの平均が前年を上回るのは3年連続。平均稼働率は83.9%で前年同期を2.9ポイント上回り、 稼働率も3年連続で上昇している。

5

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

TOPへ