全国企業倒産状況

2003年(平成15年)上半期[1-6月] 全国企業倒産状況

倒産件数 8,786件
負債総額 6兆3,898億5,700万円
前年比(件数) -9.7% (前年 9,738件)
前年比(負債) -14.6% (前年 7,488,624百万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数は前年比減ながら不況型構成比は過去最悪

 2003年(平成15年)上半期[1〜6月]の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は、8,786件。負債総額は、6兆3,898億5,700万円となった。
倒産件数は、前年同期比9.7%減少、上半期比較で戦後9番目。また、負債総額は前年同期比14.6%の減少ながら、上半期比較で戦後5番目の規模に達した。

景気が横ばい圏内で一進一退を繰り返しているなかで、企業倒産が一服状態にあるのは、手形取引の減少や政策金融(信用保証制度)によるところが大きい。
今後も政策金融を中心とした中小企業対策で、企業倒産は抑制されていくとみられるが、企業間の信用収縮や延命融資には限界があることから、依然先行きを楽観できない。


産業別

◎産業別では、9産業のうち8産業で倒産件数が前年を下回った。

産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
一次産業 49 344,964
建設業 2,783 806,325
製造業 1,503 627,258
卸売業 1,510 458,017
小売業 977 216,494
金融・保険 35 616,985
不動産 309 950,167
運輸・通信 360 189,868
サービス他 1,260 2,179,779
合計 8,786 6,389,857

地区別

◎地区別では、9地区のうち7地区で件数が前年を下回った。

また都道府県別では、前年比件数で増加したのは10都県、減少は35都府県、同数は2県となった。

地区別分類 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 405 371,574
東北 503 215,088
関東 3,181 3,178,840
中部 973 321,631
北陸 216 55,278
近畿 1,999 1,392,203
中国 451 238,911
四国 270 116,722
九州 788 499,610
合計 8,786 6,389,857
  • 原因別では、不況型倒産(販売不振・赤字累積・売掛金回収難)が、前年同期比5.7%減の6,715件、構成比は76.4%となり、上半期比較で構成比過去最悪を更新した。
  • 形態別では、法的申立が前年同期比37.0%増の3,383件、倒産構成比は38.5%に達し、上半期比較で件数・構成比ともに過去最悪更新した。そのうち、再建型(会社更生法、民事再生法、商法に基づく会社整理)は450件、消滅型(破産、特別清算)が2,933件。
  • 中小企業基本法に基づく企業倒産は、8,749件。
  • 上場企業(店頭を含む)倒産は、セザールや福助など10件が発生した。
  • 企業倒産に伴う従業員被害者数(倒産企業従業員総数)は、8万8,186人となった。

当期の主な倒産

  • 日本ゴルフ振興(株)/大阪府/ゴルフ場/332,200(百万円)/民事再生法
  • (株)エスティティコーポレーション/東京都/ゴルフ会員権販売、ホテル・スキー場/313,100(百万円)/民事再生法
  • ジャパン石油開発(株)/東京都/石油採鉱業/307,600(百万円)/民事再生法
  • ハウステンボス(株)/長崎県/テーマパーク/228,900(百万円)/会社更生法
  • (株)アール・エス・ティー/東京都/貸金業/212,400(百万円)/破産
  • 松栄不動産(株)/埼玉県/不動産業/148,800(百万円)/破産
  • (株)レオマ/大阪府/遊園地経営/139,400(百万円)/民事再生法
  • 松栄建設(株)/埼玉県/建築工事/116,500(百万円)/破産
  • 太平洋観光開発(株)/東京都/ゴルフ場経営/116,400(百万円)/会社更生法
  • 関兵精麦(株)/宮城県/不動産分譲、リゾート業/67,400(百万円)/民事再生法

禁・転載・複写

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

建材販売業の倒産 コロナ禍の2倍のハイペース コスト増や在庫の高値掴みで小規模企業に集中

木材や鉄鋼製品などの建材販売業の倒産が、ジワリと増えてきた。2025年1-7月の倒産は93件で、前年同期(75件)から2割(24.0%)増加した。2年連続の増加で、コロナ禍の資金繰り支援策で倒産が抑制された2021-2023年同期に比べると約2倍のハイペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

「転勤」で従業員退職、大企業の38.0%が経験 柔軟な転勤制度の導入 全企業の約1割止まり

異動や出向などに伴う「転勤」を理由にした退職を、直近3年で企業の30.1%が経験していることがわかった。大企業では38.0%と異動範囲が全国に及ぶほど高くなっている。

3

  • TSRデータインサイト

女性初の地銀頭取、高知銀行・河合祐子頭取インタビュー ~「外国人材の活用」、「海外販路開拓支援」でアジア諸国との連携を強化~

ことし6月、高知銀行(本店・高知市)の新しい頭取に河合祐子氏が就任した。全国の地方銀行で女性の頭取就任は初めてで、大きな話題となった。 異色のキャリアを経て、高知銀行頭取に就任した河合頭取にインタビューした。

4

  • TSRデータインサイト

ダイヤモンドグループ、複数先への債務不履行~蔑ろにされた「地域イベントの想い」 ~

ライブやフェスティバルなどの企画やチケット販売を手掛けるダイヤモンドグループ(株)(TSRコード:298291827、東京都、以下ダイヤモンドG)の周辺が騒がしい。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-8月の「人手不足」倒産が237件 8月は“賃上げ疲れ“で、「人件費高騰」が2.7倍増

2025年8月の「人手不足」が一因の倒産は22件(前年同月比37.5%増)で、8月では初めて20件台に乗せた。1-8月累計は237件(前年同期比21.5%増)に達し、2024年(1-12月)の292件を上回り、年間で初めて300件台に乗せる勢いで推移している。

TOPへ