「スキマバイト」 活用企業の49%が「安全衛生教育を未実施」 直接雇用の労務管理「知らない」25%、法令順守に課題残る
~ 2026年10月 企業の「スキマバイト」に関するアンケート調査 ~
履歴書や面接が不要で、アプリを通じて短時間・単発で働くことが可能な「スキマバイト」の利用が広がっている。
「スキマバイト」は、人手不足に悩む現場と、フレキシブルな働き方を望むワーカーの希望を同時に解決する役割が受け入れられているようだ。アンケートではスキマバイトを活用している企業は4.6%にのぼった。
日雇派遣は2012年10月の労働者派遣法改正で原則禁止となっており、短時間・単発で働くワーカーを活用できるスキマバイトは企業にとってメリットが大きい。
一方、企業側がスキマバイトを利用して受け入れたスポットワーカーは、直接雇用となる。就業時間や期間によって雇用保険や社会保険加入、有給付与の対象となるため、複数のスキマバイトを掛け持ちするワーカーの場合は労務管理が必要になる。だが、活用する企業の4分の1(25.7%)は、このルールを「知らない」と回答した。また、労働安全衛生法に基づく雇い入れ時の安全衛生教育を実施していない企業は約5割(49.2%)に達し、スキマバイトの便利さに隠れた企業側の義務履行が課題に浮上している。
東京商工リサーチ(TSR)は10月1日~10月8日、インターネットで企業を対象に「スキマバイト」に関するアンケート調査を実施した。
スキマバイトを活用している企業は4.6%だった。スキマバイトを活用する理由では、「繁忙に合わせてフレキシブルな雇用が可能なため」との回答が72.9%で最多だった。
また、労働安全衛生法に基づく雇い入れ時の安全衛生教育について、「実施していない」と回答した企業が49.2%とほぼ半数に達し、大企業と中小企業では対応の差がうかがえた。
スキマバイトを巡っては、直前キャンセルや早上がりの際の休業手当の未払い、現場での事故やトラブル、通災や労災の取り扱い、欠勤などを理由とするサービス利用停止など、課題が山積している。企業や働き手にとって、関連ルールの理解や対応が求められている。
※ 2026年10月1日~10月8日、インターネットで企業向けアンケート調査を実施し、有効回答5,334社の回答を集計、分析した。
※ 資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。
Q1.アプリを通じて単発・短時間で働く「スキマバイト」が広がっています。貴社はスキマバイト(スポットワーカー)を活用していますか?(択一回答)
「活用している」との回答した企業は4.6%(5,334社中、249社)で、「活用していない」が95.3%(同、5,085社)だった。
規模別では、「活用している」との回答は、大企業5.2%(384社中、20社)、中小企業 4.6%(4,950社中、229社)で、活用率に大きな差はみられなかった。

産業別 農・林・漁・鉱業が最多
Q1で「活用している」と回答した産業別は、最多が「農・林・漁・鉱業」の12.7%(47社中、6社)だった。
次いで、「運輸業」の12.1%(214社中、26社)、「サービス業他」の8.6%(1,197社中、103社)、「小売業」の6.6%(287社中、19社)と続く。
最少は、「建設業」の1.4%(831社中、12社)だった。

Q2.スキマバイトを活用する理由は何ですか?(複数回答)
全企業では、スキマバイトを活用する理由は、最多が「繁忙に合わせてフレキシブルな雇用が可能なため」の72.9%(244社中、178社)だった。次いで、「ワーカーとのマッチングが早いため」が37.7%(同、92社)、「繰り返し募集することにより実質的に必要人員を充足できるため」が34.0%(同、83社)で続く。
また「有能なワーカーの正社員登用を見越して」は、全企業で17.2%(同、42社)だった。ただ、中小企業17.8%(224社中、40社)に対し、大企業10.0%(20社中、2社)で、将来的な人材補充に向けた捉え方の差がうかがえる。

Q3.スキマバイトの活用にあたって、労働安全衛生法に基づく雇い入れ時の安全衛生教育を実施していますか?(択一回答)
全企業は「実施している」50.7%(203社中、103社)、「実施していない」49.2%(同、100社)。
規模別では、「実施している」は大企業73.3%(15社中、11社)、中小企業48.9%(188社中、92社)で、中小企業が大企業より24.4ポイント低く、安全衛生教育への対応に大きな差が生じていることがわかった。

Q4.スキマバイトで受け入れたスポットワーカーは貴社との直接雇用になるため、就業時間や期間によって雇用保険や社会保険の加入、有給付与の対象となる場合があります。このことをご存じですか?(択一回答)
全企業では、「知っている」が74.2%(229社中、170社)、「知らない」が25.7%(同、59社)だった。
規模別では、「知っている」は大企業87.5%(16社中、14社)に対し、中小企業73.2%(213社中、156社)で、中小企業が大企業より14.2ポイント低かった。
