10月の「物価高」倒産 ことし最多の85件 2022年以降の円安局面で2番目の高水準
~ 2025年10月の 「物価高」倒産状況 ~
円安が強まるなか、原材料高騰などに伴う「物価高」倒産が止まらない。2025年10月は、85件(前年同月比88.8%増)と約1.9倍に急増し、5カ月連続で前年同月を上回った。また、件数が80件台に乗せるのは、2024年5月の88件以来、17カ月ぶり。
負債総額は131億2,600万円(同30.9%増)で、3カ月ぶりに前年同月を上回った。
円安に伴う物価上昇で、価格転嫁が難しい小・零細企業を中心に厳しさが増している。1-10月の「物価高」倒産は累計638件(前年同期比9.6%増)で、年間では前年の702件を上回るペースをたどっている。
「物価高」倒産は、資本金別では1千万円未満が57件(前年同月比90.0%増、構成比67.0%)、従業員数別では10人未満が63件(同96.8%増、同74.1%)を中心に推移している。
形態別では、破産が78件(同95.0%増、同91.7%)で、価格転嫁が遅れた小・零細企業は経営再建への取組みが難しいことを示している。
10月以降、円安が再び加速している。物価や人件費などのコストアップが企業収益を直撃しており、物価安定に向けた対策が急がれる。
※本調査は、2025年10月の企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、①仕入コストや資源・原材料の上昇、②価格上昇分を価格転嫁できなかった、等により倒産(法的・私的)した企業を集計、分析した。
