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外国人労働者 企業の78.2%が雇用ゼロ 中小企業は製造業、建設業などで不可欠に

2025年8月「外国人労働者に関するアンケート調査」


 企業の人手不足の打開策として、外国人労働者の受け入れが大きな課題に浮上している。東京商工リサーチが全国の企業6,459社にアンケートを行った結果、フルタイム直接雇用の外国人労働者が「いない」企業は78.2%と圧倒的に多い結果となった。だが、アルバイトなど、非正規の外国人労働者の需要は根強い。また、中小企業は、外国人労働者の受け入れ制限が実施されると、現在受け入れている企業の52.6%が「業績にマイナス」と回答した。

 外国人労働者や移民受け入れの是非を巡って議論は活発だが、政府は「外国人との秩序ある共生社会」を掲げる新たな施策を打ち出している。安定した労働力確保や人口減少への対策として期待されているが、外国人材の活用は進んでいない実態が明らかとなった。
 
 外国人労働者の受け入れは、まだ限定的だが、外国人労働者を受け入れている企業のうち、3年前と比べ53.4%の企業が雇用を増やしている。産業別では、農・林・漁・鉱業など労働集約型産業で増加が目立ち、深刻な人手不足を埋めている実態が透けて見える。雇用理由は、「人手不足を補うため」が75.0%と最も多く、中小企業では76.8%に達した。

 3年後の見通しは、全体の21.8%が「増やす」と回答し、製造業(27.5%)、運輸業(25.8%)、建設業(24.2%)で、特に雇用意欲が強い。政府が受け入れを制限した場合の影響では、52.6%と半数超の企業が業績悪化を懸念し、特に中小企業は「マイナス」との回答が53.4%に達した。すでに外国人労働者は企業活動に不可欠な存在になっている実態を浮き彫りにしている。
 外国人労働者は、「不足する人材を埋める即戦力」と「高度技能・国際対応力を担う戦略的戦力」の双方で重要性を増している。ただ、アルバイトや非正規労働において外国人労働者を多く目にする中で、制度や環境整備が必要となる。

※ 本調査は、2025年8月にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答6,459社を集計・分析した。
※ 外国人労働者は「日本国籍を持たないで貴社で勤務している従業員」とし、正社員+フルタイム直接雇用者に限る。
※ 資本金1億円以上を大企業、1億円未満(資本金がない法人・個人企業を含む)を中小企業と定義した。


Q1.貴社の従業員(正社員+フルタイム直接雇用者)のうち、外国人労働者は何%を占めますか?

 外国人労働者の割合について、「いない」との回答は78.2%(6,459社中、5,056社)に達した。規模別では、中小企業が79.1%(5,958社中、4,714社)で、大企業の68.2%(501社中、342社)を10.9ポイント上回り、中小企業で外国人労働者の雇用が進んでいない。
 一方、外国人労働者が従業員全体の「1%以上5%未満」は全体の8.4%(544社)で、大企業は18.5%(93社)と中小企業の7.5%(451社)の倍以上に達した。
 外国人比率が「10%超」は全体で9.1%、「50%以上」は1.1%だった。

Q1.貴社の従業員(正社員+フルタイム直接雇用者)のうち、外国人労働者は何%を占めますか?

【産業別】製造業、農・林・漁・鉱業、建設業で受け入れ進む

 産業別では、製造業は「10%未満」が17.6%(1,598社中、282社)、「10%以上」が18.0%(同、288社)で、外国人労働者の雇用が比較的進んでいる。一方、「いない」と回答した産業は、不動産業が92.3%(235社中、217社)でトップだった。次いで、金融・保険業が88.2%(68社中、60社)、小売業85.6%(320社中、274社)で続く。
 「10%以上」は、製造業が18.0%でトップ。次いで、農・林・漁・鉱業が16.3%(49社中、8社)、建設業9.7%(931社中、91社)と続き、人手不足や技能需要が高い産業ほど外国人依存度が高い傾向が表れた。一方で、不動産業は2.5%(6社)、金融・保険業は4.4%(3社)、小売業は3.4%(11社)と低く、対人営業や資格要件が壁となっている可能性がある。

産業別回答状況

Q2.貴社の従業員のうち、外国人労働者の占める割合はどうなると予想しますか?3年後を念頭に回答ください。

 最多は、「変わらないだろう」が76.6%(5,866社中、4,496社)だった。規模別では、中小企業が77.5%(5,340社中、4,141社)、大企業が67.4%(526社中、355社)で、中小企業が10.1ポイント上回り、現状水準の傾向が強かった。
 一方、「増やすだろう」は全体で21.8%(1,279社)だった。大企業は31.3%(165社)、中小企業は20.8%(1,114社)で、大企業で積極的な姿勢が目立った。
 また、「減らすだろう」は、全体の1.5%(5,866社中、91社)にとどまり、限定的だった。
 今回の結果から、外国人労働者の雇用に拡大意向を示す企業は21.8%にとどまり、大半は現状維持を見込んでいることが明らかになった。人手不足や国の受け入れ拡大策を背景に、大企業で増加意向がみられるが、中小企業は慎重な姿勢が続く見通しだ。

Q2.貴社の従業員のうち、外国人労働者の占める割合はどうなると予想しますか?3年後を念頭に回答ください。 

【産業別】製造業で受け入れが進む

 産業別に見ると、「増やすだろう」は、最多が製造業の27.5%(1,480社中、408社)。次いで、運輸業25.8%(228社中、59社)、建設業24.2%(840社中、204社)、農・林・漁・鉱業24.4%(45社中、11社)と、労働集約型で人手不足が顕著な産業が上位を占めた。
 一方、「変わらないだろう」は、金融・保険業89.0%(64社中、57社)、不動産業86.9%(207社中、180社)で高く、現状維持の意向が強い。これらの産業では知識だけでなく、高度な日本語スキルや接客対応などが求められ、外国人労働者の雇用に大きなネックになっているとみられる。
 また、「減らすだろう」は、金融保険業で3.1%(2社)、製造業で2.7%(40社)だった。

産業別回答状況

Q3. 3年前と比較した時、貴社の従業員に占める外国人労働者の割合はどうなっていますか?

 「増加している」と回答した企業は全体で53.4%(1,389社中、742社)で、過半数を占めた。
大企業は53.1%(158社中、84社)、中小企業は53.4%(1,231社中、658社)で、規模による差はほとんど見られなかった。
 「変わらない」との回答は、全体で38.8%(1,389社中、540社)で、大企業は44.3%(158社中、70社)、中小企業は38.1%(1,231社中、470社)と、大企業が現状維持の傾向がややうかがえる。
 一方、「減少している」は全体の7.7%(1,389社中、107社)にとどまった。
 今回の結果から、外国人労働者の雇用は、3年前と比べ全体的に増加傾向にある。特に、中小企業で外国人労働者を雇用していた企業の半数以上が「増加」と回答している点が注目される。

Q3. 3年前と比較した時、貴社の従業員に占める外国人労働者の割合はどうなっていますか?

Q4. 外国人労働者を雇用する理由は何ですか?(複数回答) 

 雇用理由のトップは、「人手不足を補うため」で全体の75.0%(1,370社中、1,028社)と突出した。中小企業は76.8%(1,214社中、933社)、大企業は60.8%(156社中、95社)で、それぞれ半数以上を占めた。規模を問わず、慢性的な労働力不足が外国人雇用を推進する最大の要因となっていることを示している。
 その他、大企業で目立つのは、「専門的な技能や知識を持つ人材を確保するため」42.3%(156社中、66社)、「グローバル展開への対応力を強化するため」39.1%(61社)があり、戦略的人材確保や海外展開対応など、目的がはっきりしている。また、「有能な経営人材を確保するため」は、大企業で23.0%(36社)、中小企業が13.8%(168社)で、大企業が9.2ポイント上回り、研究や技術、管理、経営層への登用も視野に入れた採用が進んでいるようだ。
 外国人雇用の動機は企業規模によって性格が異なり、中小企業は即戦力の労働力確保を、大企業は高度人材の戦略的活用を志向している傾向がうかがえる。

Q4. 外国人労働者を雇用する理由は何ですか?(複数回答) 

Q5.政府が外国人労働者の受け入れを現状よりも制限した場合、貴社には業績に影響はありますか?(単一回答)

 「重大なマイナス」12.7%(1,384社中、177社)と「マイナス」39.8%(551社)を合わせて、全体の52.6%が業績への影響を懸念している。特に、中小企業は「重大なマイナス」が13.7%(1,227社中、169社)で、大企業の5.0%(157社中、8社)を大きく上回った。
 さらに、中小企業は「マイナス」も39.6%(487社)と高く、半数超で外国人労働者の受け入れ制限が業務に直撃することを懸念している。
 外国人労働者の受け入れが制限された場合、中小企業ほど深刻なマイナスの影響を受ける可能性が高く、すでに人手不足の中で外国人労働力が戦力になっている状況を浮き彫りにしている。

Q5.政府が外国人労働者の受け入れを現状よりも制限した場合、貴社には業績に影響はありますか?(単一回答)
      

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