2024年度「負債1,000万円未満」倒産534件 4年ぶり500件超 連鎖倒産が過去30年で最多
2024年度「負債1,000万円未満」倒産状況
2024年度の負債1,000万円未満の倒産は534件(前年度比7.2%増)で、2年連続で前年度を上回った。500件を上回るのは、2020年度(616件)以来、4年ぶり。
2024年度の負債1,000万円以上の倒産が11年ぶりに1万件を超えるなか、同1,000万円未満の小規模倒産も増勢が強まり、小・零細企業の経営環境の厳しさが表れている。
産業別では、最多がサービス業他の236件(前年度比6.7%増)で、全体の44.1%を占めた。以下、建設業80件(同2.4%減)、小売業72件(同2.8%増)の順。
形態別は、破産が522件(同8.5%増)、特別清算が9件(同28.5%増)で、「消滅型」倒産は531件(構成比99.4%)で、大半を占めた。
原因別は、最多は「販売不振」350件(前年度比5.1%減)だったが、2年ぶりに前年度を下回った。一方で、「他社倒産の余波」(連鎖倒産)が74件(同64.4%増)に急増。過去30年で初めて70件を上回り、最多を更新した。
資本金別は、1千万円未満が491件(前年度比5.8%増)で、全体の91.9%を占めた。
小・零細企業では、親会社や一部の取引先に売上の大半を依存する企業も少なくない。負債1,000万円以上の倒産が増加するなかで、負債1,000万円未満の倒産では、グループ企業や取引先の倒産に連鎖し、事業継続が困難になった企業が大幅に増えた。
負債1,000万円未満の倒産は、年度後半では30件台の月も散見され小康状態となっている。ただ、コロナ禍で過剰債務に陥り、負債が1,000万円以上に膨らんでいるケースもあり、小・零細企業の倒産は増勢が続く可能性が高い。
※本調査は、2024年度に全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、企業倒産集計(負債1,000万円以上)に含まれない負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。