• TSRデータインサイト

メインバンク取引社数で国内6位の金融グループが誕生か 第四北越FGと群馬銀行が統合検討

第四北越銀行、群馬銀行「2024年 メインバンク」調査


 総貸出金で国内22位の第四北越銀行(5兆4,551億円、 2024年3月期)と同17位の群馬銀行(6兆3,641億円、同)が3月17日、経営統合の検討に入ったことがわかった。両行が、「経営統合を含めた経営戦略について検討を行っている」と同日、発表した。
 東京商工リサーチ(TSR)のデータベースに基づく2024年のメインバンク取引社数は、第四北越銀行(全国12位、1万7,860社)は新潟県内で約6割のシェアを占め、群馬銀行(同20位、1万5,442社)は群馬県内でシェア5割で、地域の圧倒的シェアを持つ。 
 両県でトップ行同士の統合が実現すると、メインバンク取引社数で金融グループでは全国6位が誕生し、地銀再編の機運が高まる可能性がある。
 
 関東甲信越では、首都圏の3メガバンク、埼玉県の埼玉りそな銀行を擁するりそなHD、千葉県の千葉銀行、神奈川県でトップシェアの横浜銀行を中心としたコンコルディアFG(横浜FG)、北関東の常陽銀行と足利銀行のめぶきFG、長野県の八十二長野銀行(2026年1月に合併予定)など、地域トップの金融グループがひしめいている。

 第四北越FGと群馬銀行の統合が実現すると、メインバンク取引社数ではめぶきFG(3万1,115社)を上回り、ふくおかFG(4万2,110社)に次ぐ全国6位、関東甲信越で5位に浮上する。

 2024年の全国の企業倒産は11年ぶりに1万件を超え、増勢が強まっている。人手不足や物価高、利上げで企業環境が厳しさを増すなか、金融機関も人口減やシステム投資が負担になっている。   
 今後、金融機関はM&Aや事業再生に向けた経営支援や情報力を問われてくるだけに、経営統合や連携などの動きが一気に加速しそうだ。
※ 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース158万5,849社(2024年3月末時点)のメインバンクを集計、分析した。
※ メインバンクが複数の場合、最上位行をメインバンクとした。


2024年 メインバンク社数ランキング

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-5月の「早期・希望退職」募集人数は8,711人で前年2倍に急増、相次ぐ大型募集

 2025年1月-5月15日までに「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は19社(前年同期27社)で、前年同期より約3割(29.6%減)減少した。しかし、大手メーカーの大型募集が相次ぎ、対象人員は、8,711人(前年同期4,654人)と前年同期の約2倍(87.1%増)に急増した。

2

  • TSRデータインサイト

脱毛サロン・ミュゼプラチナム、新体制と「未消化役務」 ~ 運営会社MPH・高橋英樹社長 単独インタビュー ~

従業員給与の遅延、経営混乱などで動向が注目されるMPHの高橋英樹社長と関係者に、東京商工リサーチ(TSR)は単独取材をした(取材日は5月1日)。

3

  • TSRデータインサイト

脱毛サロン「ミュゼプラチナム」、債権者が破産申し立てへ

脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を運営するMPH(株)(登記上:大田区)に対して、債権者が破産を申し立てる準備に入っていることが5月15日、わかった。 

4

  • TSRデータインサイト

全店休業のミュゼプラチナム、「新生ミュゼ」構想が判明 ~ 運営会社MPH・三原孔明氏インタビュー ~

運営会社や株主がたびたび変更されるなか、脱毛サロン・ミュゼプラチナムに注目が集まっている。ミュゼプラチナムは現在、MPH(株)(TSRコード:036547190、東京都港区)が運営している。だが、

5

  • TSRデータインサイト

中小企業の賃上げ率「6%以上」は9.1% 2025年度の「賃上げ」 は企業の85%が予定

2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%だった。東京商工リサーチが「賃上げ」に関する企業アンケート調査を開始した2016年度以降の最高を更新する見込みだ。全体で「5%以上」の賃上げを見込む企業は36.4%、中小企業で「6%以上」の賃上げを見込む企業は9.1%にとどまることがわかった。

TOPへ