• TSRデータインサイト

11月の新型コロナ破たんは239件 高止まり傾向 累計1万1,173件に

 11月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が239件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万1,173件に達した。9月は26カ月ぶりに月間200件を下回ったが、その後2カ月連続して200件を上回り、高止まりが続いている。


 国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.311%で、全国の企業300社強に1社が破たんした計算となる。都道府県別で最も比率が高いのは東京都の0.543%、次いで福岡県の0.482%、宮城県の0.470%、群馬県の0.384%、大阪府と広島県の各0.376%と続く。一方、最低は岐阜県の0.138%で、地域によってばらつきもみられる。

 沈静化の兆しもみられたコロナ関連破たんの件数は、10月、11月と再び200件台半ばで推移しており一進一退の状況が続いている。コロナ資金繰り支援策による過剰債務を抱えたまま、浮上できず、破たんするケースも多い。アフターコロナでの人手不足などの新たな課題も加わり、コロナ関連破たんは当面は収束する気配が見られず、高止まりが続きそうだ。

月別判明件数(負債1000万円未満含む)

【都道府県別】 ~300件以上は9都道府県~

 都道府県別では、東京都が2,272件と全体の2割強(構成比20.3%)を占め、突出している。以下、大阪府1,024件、福岡県653件、愛知県543件、神奈川県472件、兵庫県471件、北海道469件、埼玉県377件、広島県313件と続く。
 300件超えが9都道府県、200件~300件未満が6府県、100件~200件未満も12県に広がっている。一方、10件未満はゼロで、最少は鳥取県の25件。

都道府県別破たん状況(11月30日現在)

コロナ破たん率 都道府県別

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】マツオインターナショナル~膨らんだ債務と抜本再生への移行~

婦人服ブランド「ヴィヴィアン タム」「慈雨(じう)」「t.b2」などを展開し、ピーク時には国内外で約400店を構えていたマツオインターナショナル(株)(TSRコード:292635265、以下マツオ)が12月11日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。

2

  • TSRデータインサイト

交響楽団の収益悪化、来場者戻らずコスト上昇 ~ 綱渡りの自助経営、草の根のムーブメントへの期待 ~

交響楽団が存立の危機に立たされている。多くの交響楽団で収入が落ち込んでおり、赤字が目立つ。会場費や団員などの人件費、楽器の輸送コストなどが上昇のうえ、寄附金や補助金による収入は頭打ちで綱渡りの運営だ。東京商工リサーチは、3期連続で業績が比較できる20団体を調査した。

3

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

4

  • TSRデータインサイト

長渕剛さん側、イベント会社の破産申立に続き代表を刑事告訴 ~長渕さん「徹底追求」、イベント会社代表「横領でない」と反論~

歌手の長渕剛さんが代表を務める個人事務所の(株)オフィスレン(渋谷区)が、イベント運営を委託していたダイヤモンドグループ(株)(東京都中央区)の代表を業務上横領罪で刑事告訴したことがわかった。東京商工リサーチの取材で長渕さん側が明らかにした。

5

  • TSRデータインサイト

「ペット・ペット用品小売業」倒産が過去2番目の14件 実質賃金の低迷と物価高がペットの世界にも影響

2025年11月の「ペット・ペット用品小売」の倒産は、1件(前年同月ゼロ)にとどまったが、1-11月累計は14件(前年同期比27.2%増)に達した。

TOPへ