• TSRデータインサイト

10月の新型コロナ破たんは241件 一転して大幅増

 10月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が241件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万934件に達した。9月は26カ月ぶりに月間200件を下回ったが、10月は一転して2カ月ぶりに200件を上回った。

 国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.304%で、全国の企業300社強に1社が破たんした計算となる。都道府県別で最も比率が高いのは東京都の0.533%、次いで福岡県の0.466%、宮城県の0.464%、広島県の0.371%、大阪府の0.369%と続く。一方、最低は岐阜県の0.138%で、地域によってばらつきもみられる。

 コロナ関連破たんは、増減を繰り返しながらも高水準で推移している。コロナ禍での業績悪化や資金繰り支援策による過剰債務を抱えたまま、浮上できず、破たんするケースが未だに目立つ。また、人手不足や物価高などアフターコロナでの課題に加え、賃上げや金利上昇などの新たな負担増も重なり、小・零細企業の息切れを中心に、コロナ関連破たんは高止まりが当面続きそうだ。

月別判明件数


【都道府県別】~ 300件以上は9都道府県 

  都道府県別では、東京都が2,228件と全体の2割強(構成比20.3%)を占め、突出している。以下、大阪府1,006件、福岡県631件、愛知県528件、神奈川県462件、兵庫県459件、北海道458件、埼玉県371件、広島県309件と続く。

 300件超えが9都道府県、200件~300件未満が6府県、100件~200件未満も11県に広がっている。一方、10件未満はゼロで、最少は鳥取県の24件。

都道府県別破たん状況



人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

コメ農家の倒産・休廃業が過去最多 ~ コメ作りの「あきらめ」、さらに増加も ~

コメ価格の高騰が止まらない。農水省が18日に発表した3月の米価格(相対取引価格)は2万5,876円で、1年前の約2倍の高値だ。 政府は備蓄米を放出したが、小売業者にはなかなか届かず、韓国産やアメリカ産の輸入拡大も検討されている。

2

  • TSRデータインサイト

パン屋の倒産が急減、コメ高騰でパンに注目 ~ 高級パンブームや小麦高騰の影響も一巡 ~

コメ価格の高騰が食卓と倒産に変化を及ぼしている。高級パンブームが崩壊したことに加え、小麦粉の価格上昇でパン屋さんの倒産が増加していたが、ここにきて急激に減少していることがわかった。

3

  • TSRデータインサイト

2025年4月「人手不足」倒産 最多の36件 人材の流動化が進み、「求人難」「従業員退職」が急増

2025年4月の「人手不足」が一因の倒産は、36件(前年同月比44.0%増)で、4月としては2013年以降では過去最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

パナソニックHDの早期希望退職募集 2012年以降の国内募集で最大規模、13年ぶり募集5,000人台

パナソニックホールディングス(株)(TSRコード:570191092)は5月9日、国内外で1万人規模の人員削減を発表した。国内は5,000人規模の見込み。

5

  • TSRデータインサイト

「人材派遣業」倒産、1-3月は過去最多の29件 ~ 「円高」、「トランプ関税」でさらに増加も ~

人手不足で人材の獲得競争が厳しさを増すなか、人材派遣会社(労働者派遣業)の倒産が急増している。

TOPへ