• TSRデータインサイト

紳士服専門店タカキュー、REVICによる再生支援 = イオンとの業務・資本提携解消 金融機関へ債権放棄を要請

 1月25日、紳士服専門店を経営する(株)タカキュー(TSR企業コード:290308623、東証スタンダード)が地域経済活性化支援機構(REVIC)へ再生支援を申請し同日、支援決定を受けたと発表した。金融機関から約15億円の債権放棄と約5億円の債務の株式化(DES)などで事業再生を進める意向。

 タカキューは2024年2月末までに債務超過を解消できなかった場合、監理銘柄(確認中)に指定される見込みだが、金融支援後に東証の審査を経て、解除される可能性もある。

 ビジネススーツを主体とした紳士服専門店「TAKA-Q(タカキュー)」で知られ、需要拡大を背景に全国にチェーン展開を加速。ピークとなる1990年2月期は売上高853億5900万円をあげていた。1992年8月にジャスコ(株)(現:イオン(株)、TSR企業コード:570095140、東証プライム)と業務・資本提携契約を締結し、イオンの持分法適用関連会社(出資比率33.2%)となった。以降、イオン系列のショッピングモールなどへの出店を中心に多店舗化を進め、全国300店舗以上を展開した。
 しかし、競争激化や近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、業績が悪化。2022年2月期には債務超過へ転落していた。

 同日、イオンとの業務及び資本提携の解消に合意したことも公表。イオングループ各社との間で現在行っている賃貸借契約などの連携は今後も継続していく予定という。タカキューの2024年2月期の業績予想は売上高102億円、当期純利益は1億2,000万円の赤字を見込んでいる。


再生支援が決定したタカキュー看板(TSR撮影)

再生支援が決定したタカキュー看板(TSR撮影)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

私立大学の経営、売上トップは(学)順天堂 赤字企業率5割に迫る、損益は地域格差が鮮明に

私立大学を経営する全国の543法人のうち、約半数の253法人が2024年決算で赤字だった。赤字企業率は46.5%にのぼり、前期(40.8%)から5.7ポイント上昇し、5割に迫った。

2

  • TSRデータインサイト

企業倒産、破産の割合が9割超で過去最大 ~ 背景に「手形減少」と「準則型私的整理」 ~

企業倒産のうち、破産の構成比が90.3%に達し、過去最大を記録した。民事再生法はわずか2.2%にとどまる。破産は、売上不振や財務内容が悪化し、再建が見通せない企業が選択する。なぜ今、破産の構成比が高まっているのか――。

3

  • TSRデータインサイト

2025年上半期 20床以上の病院倒産が急増 「病院・クリニック」倒産21件、5年連続で前年同期を上回る

病床20床以上の病院の経営が厳しさを増している。2025年上半期(1-6月)の病院・クリニックの倒産は21件(前年同期比16.6%増)だった。上半期では、コロナ禍の2020年を底に、2021年から5年連続で前年同期を上回り、1989年以降で最多の2009年同期の26件に次ぐ、2番目となった。

4

  • TSRデータインサイト

リフォーム・塗装工事の倒産が急増 ~ 点検商法などのトラブル多発 ~

リフォーム・塗装工事の倒産が急増している。2025年上半期(1-6月)の倒産は119件に達し、過去20年で最多だったリーマン・ショック後の2009年同期の111件を上回った。

5

  • TSRデータインサイト

ホテル業界 止まらない客室単価の値上げ インバウンド需要で高稼働・高単価が続く

インバウンド(訪日旅行客)需要に支えられ、ホテル業界は好調が続いている。ホテル運営の上場13社(15ブランド)の2025年3月期の客室単価は、インバウンド需要の高い都心や地方都市を中心に前年同期を上回り、稼働率も前年同期並で高水準を維持している。

TOPへ