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年度上半期の「物価高」倒産が急増 前年同期比2.7倍の334件、コストアップの吸収が難しく

~ 2023年度上半期(4-9月) 「物価高」倒産 ~


 2023年度上半期(4-9月)の「物価高」を起因とする倒産は334件(前年同期比173.7%増)で、前年同期の2.7倍に急増した。ゼロゼロ融資の返済開始や人件費が上昇するなか、エネルギーや資材、原材料の価格高騰が追い打ちをかけ、企業の収益は一段と厳しさを増している。

 業種別では、道路貨物運送業が66件(前年同期38件)と突出した。運送業は2024年問題を控えドライバー不足から人材確保のための人件費の上昇が課題になっていた。そこに燃料高が押し寄せながらも価格転嫁が進まず、コストアップが直撃している。
 次いで、総合工事業の35件(同16件)、職別工事業の24件(同6件)と、資材高と人手不足に悩む建設業が続く。このほか、食料品製造業と飲食店が各18件、飲食料品小売業が13件と、食品関連業種も目立つ。
 負債額別では、1億円以上5億円未満の140件(前年同期比159.2%増、構成比41.9%)を含め、1億円以上が189件(同142.3%増、同56.5%)と半数以上を占めた。
 形態別では、破産が299件(同162.2%増、同89.5%)で、全体の約9割を占めた。コロナ禍から業績回復が遅れ、過剰債務を解消できないままコスト上昇に見舞われ、資金繰りが限界に達した企業が多いことを示している。

 9月25日、岸田首相は新たな経済対策として物価高対策などの方針を明らかにした。だが、10月3日から4日にかけ一時、1ドル=150円台に下落し円安に歯止めがかかっていない。円安による物価高は、幅広い産業でコストアップを招き、まだ「物価高」倒産が増勢をたどる可能性が高い。

※本調査は、2023年度上半期(4-9月)の企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、①仕入コストや資源・原材料の上昇、②価格上昇分を価格転嫁できなかった、等により倒産(私的・法的)した企業を集計、分析した。


年度上半期の「物価高」倒産334件、増勢が続く

 2023年度上半期の「物価高」倒産は334件(前年同期比173.7%増)で、前年同期(122件)の2.7倍に増加した。2023年は増減はあるが、右肩上がりで増勢をたどっている。10月に入ってすぐ一時、ドル/円レートが1ドル=150円台に下落し、物価高の沈静化の兆しは見出せていない。
 穀物や原材料、燃料など、様々なモノで価格上昇が続いている。経済活動が活発になるなか、コストアップは企業の資金需要を活発にする。
 業績回復が遅れた企業は、新たな資金調達が難しいため、今後は中堅企業まで巻き込みながら物価高による倒産が増えることが懸念される。

「物価高」倒産月次推移

【産業別】最多が建設業の71件

 産業別は、10産業のうち、金融・保険業、情報通信業を除く8産業で前年同期を上回った。
 最多は、建設業の71件(前年同期比195.8%増、前年同期24件)だった。以下、運輸業69件(同64.2%増、同42件)、製造業64件(同166.6%増、同24件)の順。
 10月に入り一時、1ドル=150円台に下落するなど円安が続いている。その影響で資材や燃料だけでなく、食材などの価格も上昇しており、さまざまな産業に影響が及んでいる。

産業別状況(4-9月)

【業種別】道路貨物運送が66件と際立つ

 業種別(業種中分類)では、最多が道路貨物運送業の66件で、前年同期(38件)の1.7倍に増加した。次いで、総合工事業の35件(前年同期16件)、職別工事業の24件(同6件)と続く。
 上位3業種は人手不足感が強く、また、下請けも多く、燃料費や資材価格の上昇をうまく価格転嫁できていないようだ。
 このほか、食料品製造業(同13件)と飲食店(同ゼロ)が各18件、飲食料品小売業が13件(同5件)と、食品関連業種が続く。個人消費に直結する業種で、物価高の影響を受けやすい。


【負債額別】1億円以上が5割以上

 負債額別は、1億円以上5億円未満が140件(前年同期比159.2%増、構成比41.9%)で最多。
 以下、1千万円以上5千万円未満が61件(前年同期比190.4%増)、5千万円以上1億円未満が84件(同265.2%増)の順。
 1億円以上は189件(同142.3%増)に達し、全体の56.5%を占めている。

負債額別状況(4-9月)

【地区別】9地区すべて前年同期を上回る

 地区別は、9地区すべてで前年同期を上回った。増加率の最大は、北陸の前年同期比300.0%増(4→16件)。以下、東北の同290.0%増(10→39件)、関東の同231.2%増(32→106件)、中国の同142.8%増(7→17件)、中部の同125.0%増(16→36件)の順。
 また、前年同期に発生がなかった四国が11件だった。
 都道府県別の最多は、東京の27件(前年同期8件)。次いで、北海道(同13件)と大阪(同14件)の各25件、神奈川の22件(同4件)、愛知16件(同8件)と続く。

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