• TSRデータインサイト

「阪神」「タイガース」社名企業の業績調査  利益2年で16倍と好調

 プロ野球・阪神タイガースの18年ぶり「アレ」が目前だ。
 東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースから、「阪神」または「タイガース」が社名に付く企業のうち、業績が判明した285社を分析したところ、売上高は横ばいながら、利益(最終利益)は急上昇していることがわかった。2020年度(2020年4月~2021年3月)の利益合計は約37億円、2021年度は約300億円、2022年度は588億円と、コロナ禍の3年で約16倍の増益を実現している。コロナ禍でも急回復した「阪神」「タイガース」社名企業の勢いが、阪神タイガースの快進撃を呼び込んでいる。


 285社の2022年度(最新期)の売上高合計は1兆2,256億8,600万円(前年度比11.8%増)、利益合計は588億1,500万円(同96.3%増)と、利益の急回復が際立った。
 2022年度は約半数(構成比49.4%)が増収、約9割(同85.3%)が黒字と、業績は絶好調だ。牽引しているのは「阪神タイガース」を傘下にもつ阪急阪神ホールディングス(株)(TSR企業コード:570384303、大阪市北区)とそのグループ企業だ。
 阪急阪神ホールディングスのグループ以外を含めて分析しても、売上高別では5億円未満が6割(構成比64.5%)、従業員別では10人未満が約5割(同49.8%)を占める。「阪神」「タイガース」がつく企業は中小・零細企業が大半を占めるものの、企業業績は力強い。
 前回セ・リーグで優勝した18年前の2005年の全国倒産は1万2,998件で、前年(1万3,679件)より4.9%減少した。現在、企業倒産は2022年4月~2023年8月まで17カ月連続で前年同月を上回っているが、阪神タイガースの優勝で減少に転じる兆しが見えてくるかもしれない。

※ 本調査はTSR企業データベース(約390万社)から、社名の一部に「阪神」または「タイガース」が付く企業を抽出した。2022年4月~2023年3月の本決算(2022年度)を最新期とした。調査は今回が初めて。

阪神甲子園球場




利益は2年で約16倍の増益

 「阪神」「タイガース」が社名に付く285社の2022年度(最新期)の売上高合計は1兆2,256億8,600万円(前年度比11.8%増)だった。なお、コロナ禍の2021年度は1兆961億5,400万円(同11.0%減)に落ち込んでいた。
 一方、利益(最終利益)は2020年度は37億100万円にとどまったが、2021年度は299億5,600円(同709.4%増)と急上昇。さらに、2022年度は588億1,500万円(同96.3%増)と、急ピッチで回復した。

「阪神」「タイガース」社名企業の業績

前年増減収別、約5割が増収と好調

 売上高の増減収別では、2022年度は増収141社(構成比49.4%)と半数近くが増収だった。一方、減収は91社(同31.9%)、横ばいも53社(同18.6%)にとどまった。
 コロナ禍の影響が強い前期(2021年度)は、増収133社(同46.6%)、減収が109社(同38.2%)、横ばいが43社(同15.0%)だった。

前年増減収別

損益別、9割近くが黒字

 判明した企業の損益別では、2022年度は黒字が85.3%、赤字が14.6%で、黒字が9割近くに達した。
 2021年度は、黒字81.2%、赤字18.7%で2022年度に黒字化した企業も多かった。
 コロナ禍の影響が強い2020年度は、黒字が83.8%、赤字が16.1%だった。

損益別

売上高別、5億円未満が6割強

 売上高別では、最多が1億円未満の96社(構成比33.6%)、次いで1億円以上5億円未満の88社(同30.8%)で、5億円未満が184社(同64.5%)の中小・零細企業が6割強を占めた。
 一方、100億円以上は18社(同6.3%)、50億円以上100億円未満も18社(同6.3%)あり、阪急阪神HDなど大企業の存在感を示している。

売上高別

従業員数別、10人未満が約5割

 従業員数別(正社員)では、最多は5人未満の94社(構成比32.9%)、次いで10人以上50人未満の77社(同27.0%)、5人以上10人未満の48社(同16.8%)と続く。
 10人未満が142社(同49.8%)と半数近くを占め、「阪神」「タイガース」社名企業の多くが中小・零細企業だった。

従業員数別

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ