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「飲食業倒産」は9カ月連続増で年間最多更新の勢い 「宅配」「持ち帰り」「食堂・レストラン」はすでに前年を上回る

~ 2023年(1-7月)「飲食業の倒産動向」調査 ~


  2023年(1-7月)の飲食業倒産(負債1,000万円以上)は、495件(前年同期比78.0%増)と大幅に増えた。持続化給付金やゼロゼロ融資などのコロナ関連支援で、飲食業の倒産は低水準で推移していたが、2023年に入り様相が一変。1月から7カ月連続で前年同月の1.5倍増を超える増加率が続いている。
 2023年の飲食業倒産は、前年の年間倒産522件を8月にも上回ることが確実になった。


 業種別では、「宅配飲食サービス業」(38件)と「持ち帰り飲食サービス業」(24件)、「食堂,レストラン」(125件)の3業種は前年同期の2倍以上に急増し、すでに前年の年間倒産件数を上回っている。
 飲食業のコロナ関連倒産は334件。最多は「酒場,ビヤホール」の85件で、倒産に占めるコロナ関連の割合は80.9%だった。コロナ禍から客足が戻らず、コスト上昇も追い打ちに業績不振から抜け出せない飲食店に加え、巣ごもり需要で注目を浴び新規参入が相次いだ宅配・持ち帰り業態で脱落が増え、飲食業倒産の件数を押し上げた。
 繁華街の人流回復の一方で、客足の戻り方は業態によって二極化している。また、人手不足による採用コストの増加や人件費の上昇に加え、物価高による食材価格の上昇や光熱費の高騰も続いている。コストアップ分の価格転嫁が難しい事業者を中心に、今後も飲食業倒産は増勢が続くとみられる。現状の月間平均70.7件のペースで倒産が推移すると、2023年の飲食業倒産は過去最多だった2020年の842件を上回る可能性も出てきた。

※本調査は、日本産業分類の「飲食業」(「食堂,レストラン」「専門料理店」「そば・うどん店」「すし店」「酒場,ビヤホール」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「喫茶店」「その他の飲食店」「持ち帰り飲食サービス業」「宅配飲食サービス業」)の2023年(1-7月)の倒産を集計、分析した。


9カ月連続で前年同月を上回る、8月にも2022年の年間件数超えが確実に

 2023年7月の飲食業倒産は71件(前年同月比73.1%増)で、1-7月累計は495件(前年同期比78.0%増)と大幅に増えた。2022年11月から9カ月連続で前年同月を上回り、2023年1月から7カ月連続で前年同月比50.0%超えが続いている。2023年は月間平均70.7件発生しており、このままのペースで推移すると、8月には2022年の年間522件を上回り、年間では過去最多だった2020年の842件を超える可能性も出てきた。
 飲食業の新型コロナ関連倒産は334件(前年同期比112.7%増、前年同期157件)で、飲食業倒産の約7割(67.4%)を占めた。コロナ禍が一段落した夏場にきて、飲食業倒産の3件に2件が新型コロナによる影響で倒産に追い込まれている。
 コロナ関連倒産は7月に前年の年間319件を上回った。業績回復の遅れに加え、支援効果が薄れたことも倒産を押し上げる大きな要因になっている。


業種別 宅配飲食サービス業が3倍に増加、すでに3業種で前年の年間件数を上回る

 業種別では、「食堂,レストラン」の125件(前年同期比111.8%増)が最多。次いで、「専門料理店」111件(同88.1%増)、「酒場,ビヤホール」105件(同52.1%増)の順。
 増加率では、コロナ禍で新規参入が増え、競合から淘汰が進んでいる「宅配飲食サービス業」38件(同216.6%増)と「持ち帰り飲食サービス業」24件(同118.1%増)、「食堂,レストラン」の3業種で、前年同月の2倍超に増加した。この3業種は、7月までに2022年の年間倒産を超えた。


都道府県別 増加36、減少7、同数4

 都道府県別では、増加が36都道府県、減少が7府県、同数が4県だった。
 倒産件数が10件以上では、増加が群馬400.0%増(2→10件)、広島250.0%増(4→14件)、愛知230.7%増(13→43件)、福岡154.5%増(11→28件)、静岡140.0%増(5→12件)、北海道114.2%増(7→15件)、大阪82.3%増(34→62件)、神奈川81.8%増(11→20件)、兵庫81.2%増(16→29件)、千葉75.0%増(8→14件)、東京42.0%増(50→71件)、新潟25.0%増(8→10件)。一方、減少は京都21.0%減(19→15件)のみ。



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